イスラエルのみならずガザ地区住民の安全のためにハマスを殲滅すべきだ。

＜イスラエル軍が軍事作戦を続けるガザ地区では20日、多くの避難民が逃れている南部ラファで住宅地が空爆され少なくとも10人が死亡しました。
　ネタニヤフ首相は、「ハマスの戦闘員は降伏するか死ぬかだ」と述べ、ハマスの壊滅を目指す方針を重ねて強調していて民間人の犠牲のさらなる増加が懸念されます。

ネタニヤフ首相「ハマスは降伏か死ぬか」民間人の犠牲増加懸念
　ガザ地区で軍事作戦を進めるイスラエル軍は20日、1日のうちに300以上の標的に向けて陸海空から攻撃を加えたとSNSで発表しました。
　20日には、中東の衛星テレビ局アルジャジーラが、多くの避難民が逃れている南部ラファからテレビ中継を行っている最中に、付近の住宅が何度も空爆されて大きな爆発が起き多くの人が逃げ惑うなど、混乱に陥りました。
　アルジャジーラはこの空爆で少なくとも10人が死亡し、攻撃を受けた住宅の付近には病院もあると伝えています。
　一方、イスラエルのネタニヤフ首相は、20日SNSに動画メッセージを投稿し、「ハマスのテロリストには2つの可能性しかない。降伏するか死ぬかだ」と述べ、ハマスの壊滅を目指す方針を重ねて強調しました。
　これに対し、ハマスは、20日、イスラエル軍が攻勢を強める南部ハンユニスで軍用車両を破壊する動画をSNSに投稿し、徹底抗戦を続けていると主張しています。
　ガザ地区の保健当局によりますとイスラエルの軍事作戦が始まってからの死者数は2万人に迫っていて、犠牲のさらなる増加が懸念されます。
　こうした中ハマスは20日、ハニーヤ最高幹部が、これまでの戦闘休止や人質の解放の交渉で仲介役を務めたエジプトを訪れたと明らかにしました。
　一部メディアは、イスラエル側が、ハマスに拘束されている人質の解放と引き換えに、新たに一時的な戦闘の休止を提示したと伝えていて、水面下で交渉が行われている可能性があります。
　ただ、ハマス側は、人質の解放には完全な停戦が必要だと繰り返していて、交渉が行われても難航する可能性があります。

キプロス ガザ地区物資輸送のための海上ルート開設へ
　地中海の島国キプロスとイスラエルの外相が20日会談しキプロスからガザ地区に向けて支援物資を輸送するための海上ルートの開設を進めていくことで一致しました。
　キプロス外務省によりますと、コンボス外相は20日、キプロスを訪れたイスラエルのコーヘン外相と会談しました。
　このなかでコンボス外相は「すべての民間人が、国際人道法に基づいて保護されなければならない。人道上の必要性が増すにつれ、行動する必要性も緊急性も増している」と述べました。
　そしてキプロスからガザ地区に向けて支援物資を輸送するための海上ルートについて「ガザ地区の住民に、大量の人道支援を、継続的かつ安全に提供するものだ」としたうえでキプロスとして開設する用意があると伝えました。
　イスラエルのコーヘン外相も「海上ルートの開設は、イスラエルの利益であり地域の利益でもある」と意義を強調し、両外相は、開設を進めていくことで一致しました。
　ただコーヘン外相は支援物資の輸送はイスラエルの調整と監視のもとで行われるべきだという認識も示しました。

WFP ヨルダンからの物資ガザ地区に到着
　WFP＝世界食糧計画は、10月7日にイスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が始まって以降初めてとなるヨルダンからの人道支援物資が、20日、ガザ地区に到着したと発表しました。
　支援物資は、750トンを超える食料で、トラック46台に載せられ、ガザ地区とイスラエルとの境界にあるケレム・シャローム検問所を通じて搬入されたということです。
　イスラエル政府は15日、ケレム・シャローム検問所からの人道支援物資の搬入を、一時的に許可すると発表していました。
　WFPは発表で「ヨルダンからの支援ルートを確立することで、数百万人が飢えの危機に直面しているガザ地区に、より早く、より多くの食料を届けられることにつながる」として支援の拡大に期待を示しています。

ユニセフ “ガザ地区 子どもの水確保 生死に関わる問題”
　ユニセフ＝国連児童基金は20日、ガザ地区では水の供給が極端に不足し、南部にいる子どもたちは、1日に1.5リットルから2リットルの水しか確保できず、生存に最低限必要とされる水の量を下回っているとして警鐘を鳴らしています。
　ユニセフの推計によりますと、ガザ地区南部で避難している子どもたちは、今のところ、1日に1.5リットルから2リットルの水しか確保できていないということです。
　これは、生存に最低限必要とされる1日3リットルの水の量を下回っているだけでなく、飲み水のほか洗濯や調理なども加えた緊急時に必要とされる1日15リットルの水の量の1割程度しか満たしていないと指摘しています。
　ユニセフによりますと、現地では、水不足による子どもたちの健康被害も広がっていて、5歳未満の子どもたちの下痢の症例数が月平均の20倍近く報告されているほか、呼吸器感染症も16万件以上、報告されているということです。
　ユニセフのラッセル事務局長は「十分な量の清潔な水にアクセスできるかは生死に関わる問題だ。安全な水がなければ今後数日のうちにさらに多くの子どもたちが脱水や病気で命を落とすだろう」として警鐘を鳴らしています。
　またガザ地区への支援について「絶え間ない爆撃に加え、物資や燃料の搬入が制限されていることが支援を妨げている。損傷した給水システムの修復に向けた物資の運搬が早急に必要だ」と訴えています。

米高官 人質解放と戦闘休止に向け「真剣に交渉」
　アメリカ・ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は20日記者団に対し、一部メディアでイスラエル側が、イスラム組織ハマスに拘束されている人質の解放と引き換えに、新たに一時的な戦闘の休止を提示したと伝えられていることに関連して、具体的に発表することはないとした上で「前回の戦闘休止のあともわれわれが取り組んできたことだ。非常に真剣な話し合いと交渉であり、どこかにつながることを願っている」と述べ、水面下で交渉が行われていることを示唆しました。
　またバイデン大統領は記者団から近いうちに人質の解放に向けた交渉がまとまるか問われたのに対し「われわれは後押ししているが現時点では見通しは立っていない」と述べました。

米ブリンケン長官 “戦闘休止働きかけ継続 実現はハマス次第”
　アメリカのブリンケン国務長官は20日記者会見で、ガザ地区でイスラム組織ハマスなどに拘束されている人質の解放に向けて、再び戦闘休止の実現を働きかけていくとしたうえで、実現するかどうかは、ハマス側の対応に委ねられているとけん制しました。
　ガザ地区でイスラム組織ハマスなどに拘束されている人質の解放について、ブリンケン国務長官は「戦闘を再び休止し、人質をガザ地区から出すことができるよう日々取り組んでいる」と述べ、アメリカとして働きかけを続けていく考えを強調しました。
　そして「イスラエルは人質の解放のために再び戦闘を休止することを歓迎すると明確に示している。問題はハマスが応じるかどうかだ」と述べ、実現するかどうかはハマス側に委ねられているとけん制しました。
　またイスラエル軍の軍事作戦をめぐっては「ハマスの幹部など標的を絞った作戦に移行することを期待している。そうすることで民間人の犠牲は大幅に減少するだろう」と述べました。＞(以上「NHK」より引用)

　NHKが「ネタニヤフ首相「ハマスは降伏か死ぬか」」との見出しでニュースを報じた。ガザ地区を完全包囲すれば、ハマスが地下要塞に立て籠ろうと、水責めにすれば降伏するしかない。そうした戦況にあることは半月も前から解っていた。

　イスラエル軍が地上部隊を投入すれば、ハマスの敵でないことは自明の理だった。それにも拘らず「早期停戦」を主張していた国連や中東諸国は中東の火種を温存したいだけだったのか。火種は完全に消し去った方が良いのは明らかではないか。

　ハマスは難民対策もしていた、などと寝ぼけた解説をする評論家もいるが、かれらが国連のガザ地区支援組織UNRWA(アンルワ)を乗っ取って国連の支援物資や支援金をゴッソリ横流ししたり奪い取っていたではないか。UNRWA三万人の職員に中には正規の国連職員もいるだろうが、ハマスがUNRWAを使ってパレスチナ人に支援物資を配給した、などというニュースを寡聞にして聞いたことがない。むしろガザ地区の市場には国連支援物資の小麦などが堂々と売られているではないか。

　ガザ地区戦闘によるパレスチナ人の被害者をなくすのはハマス次第だ。彼らがパレスチナ人を人の盾として利用しないで、堂々と表に出て闘えばこんなことにはならなかった。今後も、パレスチナ人の中に逃げ込まなければ犠牲者を出さないで済む。いや、そもそもハマスが誇り高い軍であるなら、統一した軍服を着用し、階級章を胸と肩に着けるべきだった。

　どうやらガザ地区北部の掃討は終わり、ハマス戦闘員は南部に逃れたパレスチナ人の中に紛れ込んで逃走しているようだ。パレスチナ人の犠牲者が増えるのは忍びないが、イスラエルが攻撃の目標を南部にも広げるのを支持する。ハマスを根絶するのはイスラエルにとってだけでなく、ガザ地区住民の安全のためにも必要不可欠だ。

　さらに国連のパレスチナへの支援物資が中抜きされないためにも、国連は三万人に及ぶUNRWAの職員の身元を精査すべきだ。そしてUNRWA傘下の900社に及ぶ企業への資金の流れについても精査すべきだ。国連が独裁者やテロリストたちの食い物にならないように、国連そのものがしっかりと国連職員を監視・監督すべきだ。