トランプ氏が掲げる「バイデン政治一掃、連邦政府内の過激派左派分子一掃を最優先」に共感する。

今さら立候補資格を問う「茶番」
 ドナルド・トランプ前大統領の2024年大統領選出馬を認める判決が、11月17日、「ブルー・ステート」(民主党支配州)のコロラド州地裁で下った。
 トランプ氏は連邦・州裁など4つの裁判所での刑事訴追とは別に、大統領選への立候補の合憲性(憲法修正14条3項)を問われた。
 同氏が2021年1月の米議会乱遊事件に「関与」(教唆・扇動)した「嫌疑」を理由に、リベラル派市民団体が大統領選立候補資格はないと民事訴訟を起こしたのである。
 それがコロラド州地裁で却下された。同じ訴訟は、ミネソタ各州でも出されており、11月22日に審理が始まる。
 コロラド州の場合、原告のリベラル派市民団体は上訴する意向だが、最終的な判断は上級審に委ねられる。「判決が覆ることはまずなさそうだ」(同州司法関係筋)。
 その理由は、トランプ氏を取り巻く米国内の政治、社会状況だ。
 各種世論調査では、同氏は今やジョー・バイデン大統領を凌駕している。ひょっとしたら再選されるかもしれない。
 同氏が今年第3四半期に集めた政治資金は4550万ドルと第2四半期よりも30%増えている。起訴されるたびに上がる支持率と歩調を合わせるように政治献金は増えている。
 ひと言でいえば、トランプ氏は「地盤、看板、カバン」で共和党の他候補を寄せ付けない。
 したがって、そのトランプ氏の大統領選出馬を認めるか否かを裁判で争うこと自体、どこか見え透いた茶番のようにも思える。
 この事案をめぐっては米憲法学者たちが白熱した論争を展開している。その意味では、コロラド州地裁判決は論議に一石を投じたと言える。
 米国憲法では、大統領立候補者の資格は①出生による米国市民権保持者であり、②35歳以上、③在留14年以上、と明記している。
 それ以外の資格、条件については一切規定していない。
 原告側は、トランプ氏が2021年1月の米議会乱入事件に関与し、「国家反逆罪」を犯したとすれば、憲法で定められた大統領はじめ公職を選ぶ選挙に立候補する資格はないのではないか、を司法に問うたものだった。
 これに対してコロラド州地裁は、3つの条件を満たしていれば、起訴されようとも有罪判決を受けて刑務所に収監されようとも(あるいはその可能性のある者でも)大統領選に立候補できるという判断を下したわけだ。

トランプ氏は目下、連邦・州裁判所で4つの刑事罰審理を抱えている。
 4つの刑事裁判は、早いもので2024年3月4日が初公判。判決は11月5日の大統領選投票日をまたいで下るというのが大方の見方である。
 となれば、7月15日から18日までウィスコンシン州ミルウォーキーで開かれる共和党全国大会で大統領候補に指名されれば、11月5日にバイデン大統領との一騎打ちに駒を進めることになる。
 その時点で有罪判決を受けることはなく、大統領になった後(あるいは落選した後)に有罪判決を受けて収監されることになる。
(トランプ氏の胸算用では、再選されれば直ちに大統領権限ですべての起訴案件をチャラにするつもりだろう)
 コロラド州地裁判決は、「一寸先は闇の」トランプ関連政治情勢の道筋をつける小さな一歩となった。
 裏を返せば、「もしここでトランプ氏の立候補資格を奪えば、米大統領選は大波乱になるところだった」(米主要紙政治記者)

政策立案の要はミラー元スピーチライター
 こうしたシナリオをすべて盛り込んだトランプ陣営は、刑事裁判などはないかのように再選戦略、そして第2期トランプ政権構想の立案を本格化している。
 側近のステファン・ミラー氏(38=前大統領上級顧問兼スピーチライター)とジョン・マッケンティー氏(33=前大統領個人事務担当補佐官)にその総括を命じた。
 また、大統領選キャンペーン最高責任者のスージー・ワイルズ氏(前ホワイトハウス貿易製造政策局長)と上級顧問だったクリス・ラヴィタ氏に対しては、ミラー氏らと綿密な連携を取り合い、トランプ再選に向けての選挙公約を作成させている。
 その成果が政策綱領「アジェンダ47」(Agenda 47)として公表された。
「アジェンダ47」は内政外交経済政策での47の重要課題を列挙している。主な政策は以下の通りだ。
一、中国依存の通商路線からの脱却。中国に対する最恵国待遇の停止。
二、バイデン政権の推し進めるESG投資(社会責任投資=環境、社会、ガバナンスに配慮した企業に対する投資)から米国民を守る。
三、自動車産業労働者の生活を守るために「グリーン・ニューディール」政策を中止する。
四、大統領権限を発動して国家予算の無駄使い、インフレ阻止、連邦各省庁に潜む「ディープ・ステート」(闇の政府、国家の内部における国家)の一掃排除。
五、不法移民の子女に対する市民権の剥奪、外国人妊婦の出産観光入国の禁止。
六、過激なマルクス主義を信奉する連邦・州検察官の解雇。
七、公選されていない「第4の権力」として政治を動かす連邦政府官僚の権限縮小。
八、国務、国防各省庁、国家安全保障会議(NSC)など国家安全保障部門に住みつく好戦的な国際主義者(グローバリスト)の追放。
九、国内エネルギーに対する各種規制の解除、米国のエネルギー自立政策の確立・再構築。
十、核戦争回避のため、ウクライナ戦争の即時戦闘停止と和平の実現。

中国を「米国の敵」と断定
 一方、ヘリテージ財団(ケビン・ロバーツ理事長)は、保守派学者400人に委託、内政外交経済各分野での具体的な政策提言「プロジェクト2025」をまとめた。
 この政策提言は、いわば、政権交代に向けたトランプ政権移行準備チームの「虎の巻」的メモランダムだ。920ページの膨大なものである。
「プロジェクト2025」は、「米国は今、外的内的脅威にさらされ、ワシントンを牛耳る無責任な国際主義と過激リベラル分子によって分断と腐敗を招いている」と断定している。
 そして、「共和党も米国が置かれている米社会のモラル基盤が危機的状態にあるという現状認識の甘さが目立っている」と警告している。
 同財団は、トランプ第2期政権を実現させる基本的な内政外交経済政策2000事案を網羅した「リーダーシップの指名:保守主義の公約」(Mandate for Leadership: The Conservative Promise)と銘打った20巻3000ページのハンドブックにしている。

 外交スタンスで特に目立つのは、強硬な対中政策だ。
一、中国は共産党一党独裁の権威主義国家であり、米国の敵であり、戦略的パートナーでもフェアな競争者でもない。
二、その中国を競争者とみなして対中政策を行ってきたリベラル派エリート官僚は米国民を騙し、裏切ってきた。
三、こうした対中政策を行ってきた要因はただ官僚たちの無能さにあるのではなく、米国の主権、立憲政体の在り方にある。こうした状況に至った根っこと幹を伐採する時期に来ている。
四、中国の対米スパイ活動は、米国の若年層に蔓延る「TikTok」や米各大学に進出した「孔子学院」などにより、米社会に浸透している。
五、次期大統領は現在の対中政策を直ちに是正する責務がある。

「プロジェクト2025」作成に当たっては、MAGA(米国を再び偉大にする運動)がリードする「ターニング・ポイントUSA」、「センター・フォア・リニューイング・アメリカ」、「アメリカン・モーメント」など80団体が資金援助している。
 このほか、トランピズムの普及活動を続けてきた政治団体「アメリカ・ファースト・ポリシー・インスティチュート(AFPI、ブルック・ローリンズCEO=最高経営責任者)も「パスウェイ・トゥ・2025」(Pathway to 2025)と題する政策提言を出している。
 トランプ第2期政権の政策提言は乱立気味、まさに三つ巴状態だが、トランプ氏の側近は「トランプ氏の政策を最も忠実に反映しているのは『アジェンダ47』だ」と漏らしている。

始動する主要閣僚候補の人選
 政策提言立案と並行して、ミラー氏ら「司令塔」は全米各地に散らばるトランプ氏に忠誠を誓った共和党保守派政策エリートのスカウトも始めている。
 2024年1月20日に発足する「トランプ・ホワイトハウス」の上級顧問、補佐官はじめ国務、国防、司法など主要省庁に配置する閣僚、上級幹部の候補者の「スクリーニング」(人選、選抜)も開始しているという。
 第1期政権は、発足時にはトランプ氏に対する忠誠心よりも、自薦他薦の共和党保守本流のエリートや軍幹部をホワイトハウスや主要省庁の要職に就けた。
 その結果、トランプ氏や側近と政策や路線をめぐって軋みが生じた。大統領首席補佐官や国務、国防各閣僚が任期途中で解雇された。
 その後、出版された内幕ものでは主要閣僚がトランプ氏を無能呼ばわりする「醜聞」が露呈した。
 こうしたことを二度と繰り返さないためには、政権の幹部の絶対条件はトランプ氏に対する絶対的忠誠を誓うことにある。
 側近の一人は、政治サイト、アクシオス(Axios)にこう述べている。
「再選されるトランプ政権ではこうしたことは起こさない。『米国第一主義』『健全な保守主義政権の確立』を目指すトランプ氏への絶対的忠誠を誓った者しか登用しない」
 2024年の大統領選はすでにフル回転で動いている。選挙でバイデン氏が勝つか、トランプ氏が勝つか、ではない。
 ともすれば個人同士での戦いばかりに目奪われがちだが、このトランプ陣営の動きを見れば、大統領選とは多くの人間やシンクタンクを総動員した「関ヶ原の戦い」なのである。>(以上「JB press」より引用)




 
 高濱賛(ジャーナリスト。アメリカ合衆国在住)が「トランプ大統領誕生で激変する米国の政策、公開された政策綱領の中身」と題する論説をJB pressに寄せた。副題には「バイデン政治一掃、連邦政府内の過激派左派分子一掃を最優先」とある。トランプ氏が掲げる政策を一読して、日本国民にとっては心から願っていた政策課羅列してあるとの印象を受けた。
 もちろん日本にとって米国ファーストは厳しい側面があることは否めない。しかし中国を「敵」ではなく、「競争相手」だと見なすバイデン政権よりは遥かに安心だ。習近平氏がオバマ大統領に「太平洋を東西二分して、東側を米国が支配し、西側を中国が支配する」と持ち掛けたが、それにオバマ氏が「O.K」と返事していたら、日本は中国に呑み込まれることになっていた。それは先の大戦前夜の状況の再現でもある。

 そうした日本存続の危機にまで東アジア情勢を悪化させた張本人が民主党政権のホワイトハウスだった。瀬戸際まで追い込まれて、やっとオバマ大統領は危機的状況に気付いて南シナ海で航行の自由と称して岩礁を埋め立てて中国軍事基地化した南シナ海を牽制し始めた。偵察衛星で米国はとうの昔から中国が南シナ海の岩礁を埋め立てて軍事基地化していることは知っていたはずだが、故意に見逃していた。それをアジアの対米友好国に対する米国の裏切り行為と云わずして、何と呼べば良いだろうか。
 過度に親中的だったオバマ政権からトランプ氏がマトモな米国へと舵を切ったが、バイデン氏の登場で再び米国は親中国家に様変わりした。そして国境の壁を低くしたため、不法移民がドッと米国社会に溢れ、再び米国社会は飛んでもなく治安が悪化した。内外共にバイデン政権は米国を壊しにかかった。

 このような危機的状況を正しく認識している現在の米国の大統領候補は唯一トランプ氏だけだ。彼にもう一度大統領になって頂くのが米国にとっても日本にとっても、そして世界にとっても良いだろう。そして何よりも米国人にとってもバイデン氏よりもトランプ氏が大統領の方が良かった、という結論は出ている。
 たとえばトランプ政権が8年続いた場合とバイデン政権が8年続いた場合で家庭負担はどれほど増加するか、という比較が出ている。それによるとトランプ政権の場合は561ドル程度の増加で済むが、バイデン氏の場合は1.1万ドルに及ぶ(19.6倍)という。さらに「規制コスト」という断面で見ればバイデン政権8年間では合計7兆ドルに達し、それは一家庭当たり6万ドルに相当するという。

 なぜそうなるのか。原因は明らかだ、トランプ氏はバカげたパリ協定など無視していたが、バイデン氏は米国民の利益よりもCO2地球温暖化というプロパガンダに飛びついた。いかにも地球環境に優しい政策であるかのように装っているが、EVは決してCO2削減にならないし、再生エネ(例えば太陽光や風力発電など)は決して環境に優しくない。
 何よりもバイデン氏の「環境に優しい」という妄想からシェールオイルの新規開発を禁じ、アラスカからのガスパイプライン工事を中止した。それによって原油価格や天然ガス価格が高騰して、米国経済にインフレをもたらした。地球環境を守る、という妄想によって米国民の暮らしは貧困化した。その証拠に米国の子供の貧困率は2021年が5.2%だったものが、2022年には12.4%と倍以上に増加している。トランプ政権は中間層の所得を6,000ドル増やしたが、バイデン氏はその反対の事を行った。

 2024大統領選レースの本命とされているトランプ氏とバイデン氏のどちらが勝利した方が米国民にとって良いか、結論は明らかだ。後は2024米国大統領選挙が厳正にして民主的な手続きによって実施されることを願うばかりだ。

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