21世紀になっても、女性は解放されていない。

<中東イランで女性の髪を覆うスカーフ「ヒジャブ」の着用をめぐって警察に拘束された女性が死亡して1年が経つのを機に、16日、世界各地で抗議デモが行われました。

  イランでは、去年9月、「ヒジャブ」の着用が不適切だとして警察に拘束されたマフサ・アミニさんが死亡したことをきっかけに大規模な抗議デモが相次ぎました。
  デモなどを受け、イラン議会は、「ヒジャブ」を着用しない女性への罰則の強化を検討しているほか、当局が監視カメラの設置などで規制を強めています。
  こうした中、16日、アミニさんの命日にあわせて、世界各地で抗議デモが行われました。イギリス・ロンドンでは、数千人が参加したデモ行進のほか、女性の人権を守るメッセージが込められた歌などで抗議活動が行われました。
  抗議デモ主催の在英イラン人マリアム・ナマジーさん 「これはイランの人々のためだけの戦いではなく、世界中の女性や男性のための戦いです。女性たちが自由になることで、社会が自由になるのです」
  一方、イラン当局は、アミニさんの父親を一時拘束し、命日を記念した抗議デモなどをしないように脅迫するなど、弾圧を強める構えです>(以上「日テレ」より引用)




 イランでは未だに宗教を隠れ蓑にして、女性差別と弾圧が公然と行われている。女性だから「ヒジャブ」を着用せよ、とは何事だろうか。
 イランは未だに「宗教指導者」が世俗界の政治の実権を握っている。宗教とは魂の救済であって、モスクの中に留まっておくべきだ。政治は現実社会の問題解決の任に当たる富の再分配に関する手法・手管でしかない。

 だがモスクの中に留まらず、宗教者が世俗界の政治を牛耳り、イスラム教義を現実の政治に強制しようとするのはアナクロニズムそのものだ。なぜ宗教者が現実政治に口出しするのか、それは利権があるからではないか。政治を牛耳ることにより魂と富(経済)と両方を手に入れられるからではないか。
 独裁者たちは様々な意匠を用いて国民を騙す。イランではイスラム教の戒律を利用し、中国ではソ連崩壊で死滅した社会主義を信奉しているフリをして、中国共産党幹部が中国の富を独占しようとしている。ロシアでは民主主義の意匠を纏いつつ、粛清と暴力でロシア国民を手懐けて、独裁者利権を死守するために隣国に戦争を絶えず仕掛けている。独裁医者は何らかの自己正当化する意匠を纏っているが、実態は暖衣飽食の暮らしを手放したくないだけだ。そのためなら国民が飢えようと戦場で死のうと、女性の人権を無視しようと、構わない。

 私はインドは必ずしも高度経済成長しないと何度も主張している。それはなぜか、女性が極端に差別されているからだ。インドで女性首相が誕生したことがあったが、インドで女性差別が撤廃されたわけではない。ちなみに現首相はインド最下層の出自だが、それによってインドからカースト制度が姿を消す兆候すらない。
 それはなぜなのか。独裁者が教育を国民統制に使っているからだ。教育が国民に人としての常識を教え、高等教育で意識啓蒙や真理を教えるのではなく、独裁者を崇めるための道具と化しているからだ。イランで女性蔑視の「ヒジャブ」着用が常態化しているのはイスラム教を現実世界の政治に利用しているからだ。宗教指導者が現実世界の政治に関与すると碌なことはない、と欧州諸国は中世時代に学んだ。しかしイスラム教圏では未だに独裁者(王族と自称する独裁者も含む)たちがイスラム教を現実政治に利用している。それこそがマホメッドを冒涜していると、なぜ彼らは考えないのだろうか。

 宗教を政治の道具に使ってはならない。政治は国家と国民のためにあるのであって、宗教のためにあるのではない。ましてや、独裁者が暖衣飽食するためにあるのではない。国家は国民を閉じ込める「檻」ではなく、国民を護る「家」でなければならない。21世紀の内にそうした考え方が世界中に広まることを願うしかない。

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