トクマクの首根を抑えたウクライナがクリミア半島を奪還する目途がついた。

<ウクライナ軍がロシアの占領していた南部ザポリージャ州の要衝地であるロボティネを奪還した。これを機に、6月初旬から始まった大反転攻勢に弾みがつくかに関心が集まっている。 

 ウクライナ国防省は28日、ソーシャルメディアの「X」(旧ツイッター)を通じて「本日ロボティネの解放が公式確認された」とし、先週この戦略的な地域にウクライナの国旗を掲げたと明らかにした。ウクライナ軍は、先週この集落を奪還したが、ロシア軍掃討作戦を終えこの地域に対する完全な統制権を確保した後、これを公開した。
 6月初旬に始まった反転攻勢で軍事的に意味のある成果を出せずにいるという指摘が続く中、南部戦線で際立つ成果を収めたことになる。ウクライナとロシアはこの2カ月間、ザポリージャ州南部の最前線都市オリヒウから南に約12キロ離れたこの集落をめぐって一進一退の攻防を続けてきた。 
 ウクライナ国防省はこの日、ロボティネで青と黄色のウクライナ国旗が翻る映像と共に、ザポリージャ戦闘で知られた第47機械化旅団の兵士たちのインタビューも公開した。今回の作戦を率いた匿名の司令官は、ロイター通信に「ウクライナが南部で最も厳しいロシア軍防衛線を突破したので、これからはもっと速く進撃できると信じている」と語った。 
 その言葉の通り、ロシアはこの地域に地雷と対戦車障害物で構成された三重の防衛線を張り、ウクライナ軍の攻勢を阻止してきた。このため外国メディアはロボティネ奪還を、ウクライナ軍がロシア軍の最初の防衛線を突破したかどうかを判断する基準としてきた。 
 ウクライナ軍の次の目標は、ロボティネから南西に20キロメートルほど離れた交通の要衝地トクマクだ。この都市は南部最大都市メリトポリやアゾフ海の主要な港湾都市ベルジャンシクと幹線道路でつながっている。ウクライナ軍が今回の反転攻勢の目標を達成するには、トクマクを奪還した後、南部の主要都市であるメリトポリやベルジャンシクを攻略しなければならない。ウクライナ軍がこの二つの都市を占領すれば、クリミア半島から東部ドンバス(ドネツク・ルハンシク州一帯)まで続くロシアの南部占領地の主要地を断つことになる。 
 ウクライナのハンナ・マリャル国防次官も同日、自身のテレグラムチャンネルを通じて、ウクライナ軍がオリヒウから南東に7キロ離れたマラトクマチカ村側への進撃にも成功していると明らかにした。マリャル次官は先週、東部ドネツク州の激戦地だったバフムトの南側から約1平方キロメートルにのぼる地域を奪還したと明らかにした。しかし東部戦線では、意味のある軍事的成果が確認された南部戦線とは異なり、依然として確固たる突破口を見出せずにいるものとみられる。 
 米シンクタンクの戦争研究所(ISW)は28日、ウクライナ国防省の発表は同所が確認しているウクライナ軍の攻勢と一致すると明らかにした。また、ロシアがウクライナに奪われたロボティネ近隣のロシア陣地を強化するために最精鋭空輸部隊(VDV)を配置したものとみられるとし、「今回の再配置は、ロシア軍が戦線の重要部門を強化するために相対的に精鋭化された部隊を活用することができることを示す」と評価した。だがロシア国防省は同日、ウクライナ国防省の発表については言及を避け、ロボティネとベルボベ付近で敵の攻撃を撃退したと主張した>(以上「yahooニュース」より引用)




 ウクライナ軍の反転攻勢が始まって以来、最大の要衝を確保したようだ。ウクライナ軍がロシアの占領していたロボティネを奪還したという。
 ロボティネはクリミア半島への陸路の要衝トクマクの近郊の村で、ロボティネを占領したことによりトクマクを通過するロシア軍のクリミア半島への兵站を直接叩けるようになった。

 9月になればウクライナ南部は雨の季節に入り、田畑が泥濘になるため舗装道路以外の通行は極めて困難になる。だからトクマクを通過する幹線道路をウクライナ軍が装備する精密兵器の射程内になるとクリミア半島への物資輸送が阻まれることになる。
 クリミア大橋からの補給はクリミア大橋が度々ドローン船による自爆攻撃にあっていることから、安定した補給路とは云えない状況になっている。海上輸送もウクライナ軍のミサイル攻撃などにより、多数の艦船を消耗しているため輸送体制を維持するのは困難だ。

 ウクライナはクリミア半島奪還に向けて、トクマク攻撃を可能にする地点まで前進することに主力部隊を集中していたようだ。ロボティネ奪還はロシア防衛線を突破したことになり、トクマクを制圧するまでもなく、クリミア半島の奪還作戦の大筋は見えてきたことになる。
 反対に、ロシア軍は三重の防衛線体制で防衛するとしていたが、最前線の防衛ラインに主力を注いでいたようで、二次三次の防衛ラインにはそれほどの兵員を配置していないという。ロシア軍が枯渇しているのは兵器や弾薬だけでなく、兵員も枯渇しているようだ。

 ロシア国内は次第に厭戦気分が蔓延しているようだ。ルーブルは下落し始め、国民は物資不足をヒシヒシと感じるようになった。確かに穀物と地下資源は自前で賄えるが、その地下資源も外国企業が掘削現場から撤退したため、生産量が次第に減少しているという。ロシアは豊富な埋蔵量を有しているが、地下資源は産油してこそ資源として利用できる。しかし掘削する技術を持っていたのは石油大手の外国企業だ。
 戦時体制を敷いて、自動車などの民生用製造を軍需品製造に切り替えたため、国民生活に影響が出ている。今はスーパーなどの棚に食料品などが陳列されているが、それがいつまで持つのか分からない。ロシア当局は中国へ石油などを売却して得た「元」を大量に売却してドルに換え、第三国を経由して生活物資を輸入しているようだ。しかし中国は「元」防衛の立場から、ロシアに「元」売りを控えるように苦言を呈している。「元」経済圏の創造は夢のまた夢のようだ。

 先進自由主義諸国から支援を受けているウクライナ軍も、1/3程度の兵員が損耗したため、いつまでも戦争を長引かせるわけにはいかない。それはロシアも同じだ。両国が「戦争疲れ」を覚え、いつか電撃的に停戦が実現するかも知れないし、それこそ突如としてロシア政変が起きて電撃的にプーチンが失脚するかも知れない。そうした不確定な状況になっている。だからこそ、ウクライナ軍は失地回復に全力投入しているのだ。

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