「地元の自治会連合が花火大会に反対決議」

<29日、4年ぶりに開催された「隅田川花火大会」。過去最多の103万人が訪れました。これは秋田県や香川県の人口を上回る数です。
 花火会場最寄りの「浅草駅」の構内は、人でごった返し、出口を出られない状態になっていました。
 打ち上げ開始の2時間半前。地上では…
(菅野富美リポート)
「午後5時の浅草駅前なのですが、すでに多くの人で歩くの誤困難ですね。なかなか前に進まない状況です」
 俯瞰で見るとこの大混雑。
(仁科健吾リポート)
「歩道が人でごった返しています。全く動けていません。気札感が誘導していますが、ほとんど前へ進みません」

 日本全国のみならず世界から観覧客が駆けつけました。
■熾烈な“場所取り”争い
 打ち上げ開始1時間前。歩道にはレジャーシートを持った大勢の人が何かを待っています。
(仁科健吾リポート)
「あ、え、いま一斉に場所取りに向かいました!警察官が合図は出してないのですが、観客の方は一斉に場所取りに向かいました。警察官が一度戻しています」
 午後6時、交通規制がかかるのに合わせ、車道に場所取りをしようと観覧客が殺到。“フライング”した観覧客が戻される様子も。そして…
(仁科健吾リポート)
「警察官の合図とともに皆さん一斉に走って場所取り。一気に道路が埋め尽くされました。試し打ちの花火とともに一斉に埋まりました」
 予定より、15分ほど遅れて、車の通行が規制されました。非常用通路にあふれた人も。

 このころ、浅草駅前も人でごった返していました。コンビニは入場規制です。
(仁科健吾リポート)
「この行列なんですけどずっと奥のほうまで続いてまして、100メートル以上並んでいます」
■交通規制守らず「破壊行為」も
 4年ぶりの開催とあって警備も厳戒態勢。
 過去には、兵庫県明石市の花火大会での雑踏事故や、去年、150人以上が亡くなった、ソウル・梨泰院の事故もありました。
 会場には“DJポリス”も出動。外国人観光客が多い浅草が最寄りのため、電光掲示板には英語の呼びかけも。
 人件費高騰や物価高の影響で、大会運営費は4年前の1.5倍に膨れ上がっています。
 都心の真ん中でひらかれる隅田川花火大会。大混雑は必至のため、“歩きながら花火を見ること”が推奨されていて、一方通行の道が多く設定されています。
 ところが、交通規制を無視して、続々と柵を飛び越えていく人の姿が。手前のフェンスを壊し、流れ込む人もいました。
(群衆)
「いけいけ!いけいけいけ!突破しろ!突破しろ!」
(警察官)
「止まってください!押さないでください!」
■「浅草寺に行きたいのに…」交通規制に翻弄
 交通規制に翻弄される人も。
(警察官)
「人が多すぎて通れません、浅草寺に向かう方は駒形橋へ迂回をお願いします」
(浅草寺に行きたい人)
「雷門 どう行く?教えてください…遠回りしないとたどり着けないんだ」
 雷門に行くための、目の前の横断歩道が通行止めになり、ぐるっと迂回しなければいけない状態に。
■帰宅ラッシュ「浅草駅に入れない」
 そして花火大会終了後。
(仁科健吾リポート)
「浅草駅前ですが駅から人が溢れています。帰宅する人が駅に入れません」
 帰宅ラッシュは危険を感じるほど大混雑になっていました。

 さらに、こんな問題も…。
(庄賀由花リポート)
「道の真ん中にはペットボトルなど大量のごみが捨てられています」
 道路にはレジャーシートや空き缶など大量のごみが放置されていました。
■「災害級の暑さ」救急搬送も
 そして、観覧客を苦しめたのが「災害級の暑さ」です。
(仁科健吾リポート)
「今救急車が到着して女性が一人横になっています。なにがあったんでしょうか」
(島田直樹リポート)
「うずくまっている人がいます。体調壊したんでしょうか」
 花火開始後も、物々しい雰囲気になっていました。
(庄賀由花リポート)
「救急車が一台、花火会場を出ていきます」

■専門家警鐘「人熱れ」とは?
 花火大会での熱中症リスクについて、専門家は警鐘を鳴らします。
(横浜鶴見リハビリテーション病院 吉田勝明院長)
「人が集まって、一般的には『人熱れ(ひといきれ)』状態に。熱中症のリスクとしては3倍、4倍、5倍」
「人熱れ」とは、人が密集することで、体から発する熱などにより周辺の温度が上昇することです。
(横浜鶴見リハビリテーション病院 吉田勝明院長)
「皮膚表面からの過熱に加えて吐く息、人混みによる風通しの悪さというのはやはり温度・湿度を上昇させてしまう」
 人の表面温度は32〜33℃というかなりの熱源になることに加え、呼気や、密集による風通しの悪化などにより、周辺の温度は40度近くになることもあるといいます。さらに、混雑のため飲み物を買いに出ずらいことや、トイレの行列を避けるため、水分補給を控えてしまうなど水分不足になりやすいといいます>(以上「テレ朝」より引用)


「地元の自治会連合が花火大会に反対決議」
<約1万発の花火が大津市の琵琶湖岸から打ち上げられる「びわ湖大花火大会」。4年ぶりの開催となる8月8日を前に地元の中央学区自治連合会(52自治会、自治会員計2074世帯)が「今回の開催には反対します」との異例の決議文を21日、大会実行委員会に提出した。実行委は今回は「予定通り実施したい」としているが、来年以降は検討するという。いったい何があったのか。 

 ■何のため… 決議文では開催反対の理由として3点あげている。 
<交通渋滞や混雑が激しいこと>
 大会当日は午後から深夜まで、交通渋滞が発生し、駐車場の不足など安全安心な住環境が脅かされる。 
<住環境への悪い影響>
 4年ぶりで見物人の増加が見込まれ、ごみの投棄など環境に悪影響が出る。また、深夜まで騒音が続く。 
<高く長い有料観覧席と約4メートルのシートによる壁の増設>
 有料観覧席設置のための多額の費用は税金や寄付金の無駄遣い。また、壁で視界が妨げられ、周囲の景色や花火を見ることができず、地元住民の不快感が増大する。

  自治連合会では今年6月の定例会で、大会実行委事務局のびわこビジターズビューローから説明を受けた。それに対し、「何のための花火大会だ」「地域住民が花火を楽しめない高い壁とは」など不満の意見が相次いだ。そして、今月20日の定例会で、再度、びわこビジターズビューローの説明を受けた後、開催反対の決議文提出を自治会長で採決。賛成多数(37票)で承認したという。 

■目隠しフェンス 
「中央学区自治連合会では毎年のように大会実行委に対し、要請文を出すなど要望してきた。しかし、ないがしろにされてきた」 自治連合会の青木正博会長(72)はいう。 
 今回、決議文提出に至った背景については、「4メートルのシートで花火を見えなくすることで、住民の拒否感が一気に増大したように感じた。生で見て『いいな~』となるはずの地元住民が、テレビで観覧しろといわれたようなもの。シガリズムなど観光も大切だが、地元も大切にしていただきたいという各自治会長の思いだろう」と説明。感情的なものもあったという。 
 大会実行委は、今回の花火大会で、有料観覧席の範囲をこれまでの大津港マリーナ(大津市浜大津)~びわ湖ホール(同打出浜)間の湖岸約1・5キロから約500メートル延長。席数も令和元年の3万8730席から5万席と大幅に増やした。 
 有料観覧席と道路の境界には一般観覧者の滞留防止のため、高さ約4メートルの目隠しフェンスを設置。下半分は仕切り板で、上半分は黒いネットで道路からの視界を防ぐという。 

■子供も危ない 
 決議文を受け取った大会実行委会長の川戸良幸・びわこビジターズビューロー会長は、「地域住民の理解を得ることができず大変残念であり、重く受け止めている。今年の大会は日も迫っているので、安全対策や地域への迷惑防止に万全を期して、予定通り8月8日に実施したい」とコメントした。 
 ただ、来年以降については、「決議を真摯(しんし)に受け止め、今回の花火の結果も踏まえつつ、地域住民をはじめ関係機関の意見を聞き、どのようにするか検討したい」と含みを持たせた。 自治連合会の青木会長は、「オーバーツーリズムという問題でもある。今の混雑状況のままでは小さい子供や高齢者は危ない。誰もが楽しめる花火大会実現のため、規模縮小なども含めもっと研究すべきではないか」と話していた。
(野瀬吉信)
  びわ湖大花火大会の初回開催は昭和59年。前身は地元住民のために浜大津観光協会が開催していた「浜大津花火大会」。打ち上げ場所は大津市浜大津の大津港沖の水面一帯で、今年は8月8日午後7時半~同8時半に1万発の花火が打ち上げられる。
 有料観覧席は大津港マリーナ(大津市浜大津)~堂の川(同市におの浜2)までの約2キロに5万席を設置する(前回令和元年は3万8730席)。有料観覧席の料金は最も数の多い普通席が6千円、リクライニングシートで飲み放題付き・エリア専用トイレ設置のエグゼクティブシートが2万5千円など>(以上「産経新聞」より引用)




 花火大会は夏の風物詩だ。そもそも打ち上げ花火は1733年、江戸時代に隅田川で開催された水上祭がはじまりとされている。 飢饉や疫病で多くの死者が出ていたその当時、死者を弔うために打ち上げられたのが、花火大会の起源。 その後、江戸の川開きの定番行事として、花火大会は広く行われるようになった。
 天に上った死者に美しい花火を近くで見せるために打ち上げたのが、日本の打ち上げ花火の由来だ。全国の花火大会の元祖が隅田川の川開きだ。一千万人都市の東京で花火大会を開けば大勢の人が押し寄せるのは予想されるところだが、昨今はそれに外国人観光客が加わるようになった。そのため混雑ぶりは想像を絶する。

 花火大会に関する二つの記事を引用して掲げた。テレ朝の記事は隅田川花火大会が想像を絶する観衆が殺到したことをレポートしている。なぜイベントを遠くから静かに見守ろうとしないで現地へと殺到するのだろうか。
 それは河岸だけでなく、川にレジャーボートを繰り出して、水上も危険なほどの混雑ぶりだ。なぜ人は人混みに群がるのだろうか。遠巻きに眺める、という理性は働かないのだろうか。

 そして「びわ湖大花火大会」に対する地元連合自治会の「反対決議」は花火大会の実行に関して真摯に再考すべきではないか。何が何でも花火大会を実行して、その観客から観覧料を取る、という「花火大会」を商売にするのは如何なものだろうか。
 もちろん花火大会そのものを「興行」とするには収支が割に合わないだろうが、それなら「有料観覧席」など設置しない方が良い。有料観覧料金を取らないで出来る範囲に縮小すれば良いだけだ。なにも派手に花火の大輪を続けざまに打ち上げるのが花火大会の醍醐味ではない。花火の光とそれに続く爆発音の大音量と、それらが消え去った夏の夜の静寂に死生観を感じるのも花火大会の醍醐味ではないか。本来、花火大会とはそうしたものではなかったのか。

 大混雑と大量の放置ゴミに汚れた道路。それが花火大会の「宴の後」だとすれば、なんと罰当たりだろうか。花火大会は死者を弔う行事だったことを、生者の私たちは心静かに考えるべきではないだろうか。

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