経済の素人が強権発動して中国経済を根底から崩壊させ、取り返しのつかない事態に追いやった。

<ポンペオ米前国務長官の中国政策首席顧問を務めた余茂春(マイルズ・ユー)氏は、中国経済は非国有企業の苦闘によって深刻な問題を抱えているため、米企業は中国への投資を再考すべきだと警鐘を鳴らした。

「中国はここ数か月間、対話に応じようとしなかった。しかし今、彼らは譲歩し、両国の経済にとって不可欠な問題について、米国の高官と話し合うことに同意した」「その理由は、中国経済が大きな問題を抱えているからだ。西側が中国を必要としている以上に、彼らは西側を必要としている。だから、今回は少し控え目になっている」
 現在米シンクタンクのハドソン研究所で上級研究員を務める余氏は、エポックタイムズの動画配信サイト「EPOCH TV」でこう語った。
 このインタビューは、イエレン米財務長官が北京を訪れ、習近平国家主席からコロナによる封鎖で打撃を受けた中国経済を復活させるよう命じられた李強首相と会談した際に行われた。

中国経済の現実
 米国と中国の経済モデルの大きな違いは、中国共産党が国家統制を確実にするために、例えそれが中国の経済成長の主要な原動力を停止させることを意味するとしても、非国有企業の取り締まりをいとわないというところにある。
「中国経済はかなり略奪的だ。国際的な自由貿易システムの恩恵を受けており、過去20~30年の経済成長はほとんどすべて非国有企業によるものだ」と余氏。「しかし今、中国の金融機関は崩壊しつつある。そのため中国政府、特に地方政府は非国有企業を圧迫し、ゼロコロナ政策などによって非国有企業を廃業に追い込もうとしている」
 コロナの蔓延を抑えるという名目で、中国当局は3年近くにわたり厳しい行動制限を強いる「ゼロコロナ」政策を実施し、町や都市を封鎖してきた。李強氏が首相に就任した今年3月に正式に解除されたものの、経済に深刻な影響を及ぼした。
「中国経済で最も活力があり、最も革新的な中国の非国有企業の多くは、現在大きな問題を抱えている。コロナでロックダウンされた3年間で、何百万もの中小企業が倒産した」
 ハイテク大手のアリババや謄訊(テンセント)といった中国経済を十数年にわたって大きくけん引してきた大手企業でさえも、規制当局の締め付けや景気減速により業績が低迷した。中国政府は各社から1%の株式を取得することで経営介入し、企業を実質的に支配下に置こうと画策していると報じられている。

不動産バブルの崩壊
 ゼロコロナ政策は解除されたものの、投資家は中国の経済発展方法に内在する深刻な問題を考慮する必要があると、余氏は言う。
「中国の発展モデルは、基本的に不良債権化したプロジェクト、特に住宅産業に対して膨大な融資を行うことだが、今や住宅市場は崩壊しつつある」と余氏は述べ、地方政府による急速な借り入れが繁栄の幻想を助長していると指摘した。
 中国では、都市部と農村部の土地はすべて、国か農業集団が所有している。企業や個人は実際に土地を購入するのではなく、政府から最長70年の土地使用権を購入する。こうした土地使用権販売が地方政府の最大の財源となってきたが、不動産販売の停滞によりデベロッパーの不動産投資にも影響を与え、地方政府も窮地に追い込まれてる。
「地方政府の財政支出の多くは、住宅産業からの搾取によってもたらされてきた。しかし今、住宅産業は崩壊し、そのようなことはできなくなった。事実上、中国のすべての省が莫大な赤字を抱えている」
「住宅産業が崩壊し、それらの融資が回収できなくなると、金融業界は大赤字となり、あらゆるレベルの政府が資金不足に陥る。なぜなら、中国の銀行は国家が所有しているからだ。金融業界が危機に陥ると、信用収縮が起こり、さらに廃業が増える」
「だからこそ中国は、崩壊しつつある経済を救うために、より多くの国際的な銀行機関の参入を望んでいる。世界の金融機関や銀行が、中国に大きな問題があることを見抜く賢さがあることを願っている」と余氏は述べた。

デカップリングは起きている
 米中経済の「デカップリング」については、どの国も戦略の一環として公式にそれを採用していないが、「すでに始まっている」と余氏は答えた。
「企業レベルでは、すべての大企業は、中国への投資が安全または健全かどうか、国営企業や助成金を受けた中国企業によって抑圧されるリスクがあるかどうかを評価する必要がある」
 米ゴールドマン・サックスは5日、中国農業銀行の投資判断を「中立」から「売り」に、中国工商銀行を「買い」から「売り」に引き下げたと発表した。
「中国に多額の投資をしている大手企業のほとんどが、中国への投資を見直し、中国からの撤退を考えている。中国の投資環境に関する多くの政策レポートや、ゴールドマン・サックスが指摘するような中国経済の不振を理由に、米国の多くの大手企業は(中国からの撤退を)再考している」と余氏は述べた>(以上「大紀元新聞」より引用)




 米国民の多くがホワイトハウス高官の対中「朝貢外交」に怒りを禁じえなくなっている。北京空港に降り立ったアントニー・ブリンケン国務長官が下りるタラップには赤絨毯が敷かれてなかった。さらにブリンケン氏に対する中共政府の態度は酷いもので、あからさまに米国を中国の格下扱いした。
 その後に中国を訪問したイエレン財務長官に対しても、タラップに赤絨毯はなかったのは指摘するまでもなく、中国に「おねだり」に訪れたかのようにイエレン氏は中共政府の面会相手に何度もお辞儀を繰り返した。驚いた秘書が四度目のお辞儀をしようとしたイエレン氏を慌てて制したほどだ。

 これでは米中のどちらが経済好調な国で、どちらの国の経済が崩壊しているのか判らない。両国の公定歩合を比較しても、明らかに米国経済が好調で、中国経済は金利を引き下げて拡大策を採っていることからしても、そうと知れるだろう。
 しかし米国政府高官が訪問したにも拘らず、同格の高官が応接に出るのは当然としても、米国の高官の態度は余りに酷くないだろうか。米国内でも、私と同様な「土下座外交」に怒りを禁じえない米国民がいるという。

 ポンペオ米前国務長官の中国政策首席顧問を務めた余茂春氏は対中デカップリング策を推進した人物だ。余氏の経歴を簡単に紹介すると、彼は米国に留学する中国人学生の中で米国国務省の対中政策の中核に加わった最初の人物で、米国海軍兵学校の東アジアおよび軍事史の教授、ワシントン・タイムズの元コラムニストだった。現在はハドソン研究所の中国センター所長であり、フーバー研究所の客員研究員でもある。
 だから余氏は中共政府の実態を熟知しており、中共政府の外交姿勢は「弱いものには強く、強いものには弱い」という本質を見抜いている。対中政策には忖度や宥恕といったものは無駄なばかりでなく、却って増長させるだけだということを知っている。だから対中デカップリング、という「世界の工場」を取り上げたら何も残らない、という中国の本質を鋭く突く政策をトランプ政権に進言した。

 余氏は中国経済のアキレスけんは金融にある、と看破した。彼は引用論評で指摘している「住宅産業が崩壊し、それらの融資が回収できなくなると、金融業界は大赤字となり、あらゆるレベルの政府が資金不足に陥る。なぜなら、中国の銀行は国家が所有しているからだ。金融業界が危機に陥ると、信用収縮が起こり、さらに廃業が増える」
 「だからこそ中国は、崩壊しつつある経済を救うために、より多くの国際的な銀行機関の参入を望んでいる。世界の金融機関や銀行が、中国に大きな問題があることを見抜く賢さがあることを願っている」とウォールストリートが対中投資を煽るのを牽制した。既に中国という泥船は浸水し沈没しようとしている。いかなる援助も沈没する泥船を救うことは出来ないし、投資などすべきでない、と。

 習近平氏は三期目の態勢固めとして、李克強氏などの経済専門家を側近から遠ざけた。習近平政権は経済の素人集団だから、習近平氏が発する経済政策は支離滅裂だ。せっかく植林して緑なす山にしたものを皆伐して農地に転換せよと命令した。大学卒業生に地方へ行って農地を耕せ、とも命じた。
 その一方でアリババなどの巨大化したIT民間資本を羨んで解体し、国営化することで民間資本の蓄積を阻止するどころか接収してしまった。資本主義の芽をすべて摘み取ろうとして、産業基盤まで破壊した。もはや「世界の工場」どころか、中国民を雇用する企業まで潰してしまった。経済の素人が強権発動して中国経済を根底から崩壊させ、取り返しのつかない事態に追いやった。その責任はすべて習近平氏にある。

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