インド社会に鈍感な小池百合子氏

<今月初旬、世界38都市が加盟する「U20メイヤーズ・サミット」に出席するため、インドに出張した。気候変動や治水などを議題に、活発な議論が交わされた。

インドはいま、力強い「自信」に満ちあふれている。
 GDP(国内総生産)は世界5位の3兆ドルにも達する。人口は14億人超で中国を抜いた。平均年齢は28歳前後で、国が「若い」のだ。
 確かに、現地では「希望」「確信」に圧倒された。若者の目は輝き、将来を見据え、「世界をリードする」という力強い意気込みがあった。
 東京は首都としてインドの各都市と親交を深める。「日本も追い抜く」と邁進(まいしん)する〝インドパワー〟とタッグを組み共に未来を切り開くのだ。
 サミットが開かれたグジャラート州はインド独立の父であるマハトマ・ガンジー氏、そして、ナレンドラ・モディ首相の故郷だ。街角の至る所で見かける2人の肖像が、根強い人気を物語っていた。
 グローバルサウスの盟主を自負し、G20(20カ国・地域)ホスト国もつとめるインドのトップとして存在感を高めるモディ氏だが、日本と米国、インド、オーストラリアによる戦略的枠組み「QUAD(クアッド)」により、日本でも顔を広く知られる。
 思えば、クアッドの根底である「自由で開かれたインド太平洋」の理念は、安倍晋三首相が構想を練ったものだ。
 2度の政権で通算3188日の首相在任の日々のなか、「地球儀を俯瞰する外交」で日本の存在感を高め、安全保障を強化した働きは出色だ。
 インドを自由主義諸国のクアッドに引き込んだ成果も、モディ氏と信頼関係で結ばれた安倍氏の取り組みが大きかった。一周忌を迎え、改めて偉大な足跡に思いをはせた。

 帰国すると、日本はインドよりも暑く感じた。猛暑は自然災害でもある。さまざまな災害への備えに、国を挙げて取り組む時代を迎えている。
 間もなく9月1日。関東大震災から今年で100年だ。地震に強い街づくりもまた、都市に課された使命だ。
 100年が経過し、東京の姿は変わった。科学は進歩し生活は便利になったが、文明の利器の多くは、大災害では途絶のリスクにさらされる。
 住居の形も変わった。東京の人口1400万人のうち、実に900万人が、マンションなど共同住宅の住人だ。オートロックなどで周辺自治会と疎遠になりがちで、核家族化などもあいまって地域と隔絶する傾向がある。高層マンションでは、エレベーターが止まれば、移動さえ困難になる。
 国防も、防災も、防犯も、規模にかかわらず同じ「安全保障」だ。国民一人一人が団結し、「自助」「共助」「公助」の精神で戦略を練り、立ち向かう。東京もその一員として、奮起していくのだ>(以上「東京都知事・小池百合子」より引用)




 「圧倒された「インドパワー」に飛躍の予感 関東大震災から100年、地震に強い街づくりを」と題する「手記」を小池百合子氏が発表した。一読したが、小池氏が何を言いたいのかさっぱり分からなかった。
 2023「U20メイヤーズ・サミット」は、G20議長国インドのアーメダバード市が議長都市として、第6回U20メイヤーズ・サミットが7月7日~8日まで、グジャラート州ガンディナガルで開催された。「U20メイヤーズ・サミット」とは多都市間都市外交|国際戦略の推進を目的とする「国際会議」で、オブザーバー年まで含めると105都市に達するという。日本からは東京と大阪が参加しおブザーバーとして福岡が名を連ねている。
 U20のコミュニケとして採択された項目は全部で6分野18項目にわたる。以下人事項目だけを列挙しよう(詳細は東京都のホームページ「U20メイヤーズ・サミット」を参照されたし)
「環境に配慮した責任ある行動」
1. グローバルな持続可能性計画の地域化
2. 誰もが取り残されない持続可能で公正な移行のための枠組みの創出
3. 環境に配慮した責任ある行動に向けた社会全体の行動変化を可能にする
「水の安全確保」
4. 持続可能な水管理手法の主流化
5. 水生態系の保護と活性化
6. 効率的な水ガバナンスの強化
気候資金の加速」
7. 都市における気候行動を後押しするため、 開発資金を徹底的に見直す
8. 都市への気候資金の流れを可能にする環境を創出する
9. 気候資金に向けた都市の即応力の強化
地域文化と経済の擁護」
10. 地と広域の経済発展と地域のウェルビーイングを促進する
11. 拠り所となる地域づくり
12. 伝統的な知識とフルーガル・イノベーションを活用する
「都市ガバナンスの枠組みの再構築」
13. 新たに出現しつつある様々な都市の形態における計画策定やガバナンスのための枠組みを促進する
14. 戦略的な計画策定の枠組みへ転換する
15. 既存エリアにおける公正で持続可能な都市再開発を促進する
「デジタル都市の加速」
16. デジタル経済からの恩恵の普遍的共有の確保
17. データに基づく意思決定の促進
18. デジタルイノベーションの促進

 以上6分野18項目のコミュニケが「多都市間都市外交|国際戦略の推進」を目的とした首長会議(メイヤーズ・サミット)の成果だそうだが、何のことはない、CO2温暖化説のプロパガンダの確認と、排出権「利権」をいかにして都市計画に取り込むかという知恵の出し合いではないか。
 私の暮らす地方都市では平成の大合併をする以前から「中心市街地の活性化」という事業が40年以上も営々と継続している。その間に徳山駅前(そこが「地方都市の中心市街地」だそうだ)からダイエーが撤退し、ニチイが撤退し、そして私鉄系のデパートが撤退した。最後の私鉄系デパートの撤退は平成の大合併後15年も経ってからだ。つまり中心市街地の活性化事業は失政を営々と持続し、平成の大合併後も人口は減少し続けて中心市街地の「売上総額」は劇的に減少し続けている。インドは20年以上前もから「経済躍進する」と期待されているが、なかなか経済躍進できないでいる。その原因はインドの社会そのものにあるのではないだろうか。

 小池氏は「インドを自由主義諸国のクアッドに引き込んだ成果も、モディ氏と信頼関係で結ばれた安倍氏の取り組みが大きかった。一周忌を迎え、改めて偉大な足跡に思いをはせた」と安倍氏を絶賛しているが、日本はいつから戦争が出来る国になったのか。そもそもクアッドとは中国封じ込めだが、世界38都市が加盟する「U20メイヤーズ・サミット」に人口2154万人を擁する北京も、人口1198万人を擁するモスクワも加盟していないのは何故だろうか。
 地球規模で都市間会議を行い、なおかつ地球汚染に関しての議題が中心であれば最も地球環境を汚染している中国を代表する首都・北京が加盟していないのはオカシイし、モスクワも加盟していないのには恣意的なものを感じぜざるを得ない。

 先進民主主義国間サミットなら中国やロシアが排除されてもおかしくはないが、市民が暮らす都市問題に国家体制や先進諸国の経済制裁など関係ないはずだ。しかも国家であろうと都市であろうと人間社会なら、普遍的に遵守されるべき「人権」が一切コミュニケに登場しないのは何故だろうか。
 それとも人権よりも「水」や「CO2」や「環境資金」の方が優先される、とでもいうのか。小池氏は会議のためにインドを訪れて経済発展するインド社会にいたく感心したようだが、その陰で眼前と存在するカースト制と男尊女卑の慣習に気付かなかったのだろうか。鈍感といえばこれほど鈍感な政治家に日本の首都の首長を任せて良いのだろうか。

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