人類の未来はAIなしでは語れない。
<「グループを挙げてAI革命、情報革命の先端を歩んでいく。私もめちゃくちゃ忙しくやっています」
6月21日に開催されたソフトバンクグループの株主総会。登壇した会長兼社長の孫正義氏が約1時間近く熱弁を振るったが、その内容は、ChatGPTなどの生成AI(人工知能)と半導体がほとんどを占めた。
2022年11月、米オープンAIがChatGPTを公開するや、利用者数はわずか2カ月で1億人を突破。プログラミング言語でしか扱えなかったAIと日常の言葉で会話できるとあって、世界中に大きな衝撃を与えた。
孫正義氏が超本気モード
孫氏もその虜(とりこ)となった。「私自身、毎日使っている。アイデアを投げかけ『君はどう思うんだ?』と知恵比べをしている」。
そして、生成AIへの熱狂は今や個人レベルを超えた。今、盛り上がっているのは法人だ。あらゆる業界が、この技術のビジネス活用に知恵を絞っている。
ソフトバンクグループでも、事業会社では5月から約2万人の全従業員が社内環境で生成AIを使えるようになった。3月には1000人規模の生成AI活用の新会社を設立。大規模言語モデルを自社で開発する計画もある。
生成AIの特徴は、金融や流通・小売り、製薬など、ITが本業ではない業界にも巨大な影響を及ぼすことだ。
チャットボットとして知らないことを聞いたり、アイデア出しに利用したりする事例は多いが、活用領域はもっと幅広い。これまで人間が手作業で行っていた資料の洗い出しや、定型書類の代筆などもできる。先行導入する企業の多くが、大幅な業務効率化の効果を実感する。人手不足の中、「人海戦術」型の事務仕事が多い業種ほど、活用メリットは大きい。
ボストン コンサルティング グループ(BCG)の試算によれば、生成AI市場は27年時点で1200億ドル(約17兆円)に達する。市場規模が最も大きくなると予想されるのが、金融だ。
メガバンク3行が一斉に導入
日本のメガバンク3行はすでに生成AIの利用環境を導入。例えば三菱UFJ銀行では、5月から一部の行員が稟議書作成や、行内手続きの照会などにChatGPTを使っている。BCG金融グループ日本リーダーの陳昭蓉氏は、「DXに保守的だった銀行も、今回ばかりはスピートが速い。他社に後れまいとの危機感が強いのだろう」と指摘する。
もっとも現状は、「目的なき活用」も目立つ。企業向けに生成AIの導入支援を行うある企業は困惑する。「具体的な計画の下で導入するケースは少なく、新規事業として上から『何かやれ』と言われているケースがまだまだ多い」。
法人はセキュリティ対策した導入が基本に
一方、活用に二の足を踏む企業の懸念は、セキュリティーだ。
ChatGPTをデフォルト設定のまま使えば、入力情報の漏洩リスクがある。NECジェネレーティブAIハブリーダーの千葉雄樹氏は、「生成AIの法人利用は、企業が対価を払い、安全な通信経路かつ学習データに使われない設定で社内システムに導入するのが基本になってきた」と話す。
社内の一般的な業務効率改善のために使うのか、あるいは自社のサービスに搭載して事業を創出するのに使うのか。それによって構築すべきモデルやセキュリティー対策、コストは異なってくる。
生成AIは汎用的に業務をこなすが、「万能AI」ではない。得意・不得意がある。どう使えば仕事効率化や自社の競争力向上につながるか。その「正解」を吟味する段階に入っている>(以上「東洋経済」より引用)
まだ産声を上げたばかりのAIという新人に戸惑っているのではないか、というのが引用記事を読んだ感想だ。なによりも「「ChatGPT」を一過性ブームと考えてはいけない訳「勝ち残る企業」「デキる個人」の必須ツールに」と題していることが、戸惑っている証拠だ。
もちろんAIは一過性のブームではないし、突然降って湧いた機能でもない。AIが身近になるだろうと予想されたのはPCを誰もが持つようになった当初からだ。なぜならPCは人知では及びもつかない能力を持っているからだ。その膨大なデータを瞬時に処理する「特殊能力」を活用すれば近未来に於いて、AIを実際に活用できるようになる、と誰にでも予想されていたからだ。
6月21日に開催されたソフトバンクグループの株主総会。登壇した会長兼社長の孫正義氏が約1時間近く熱弁を振るったが、その内容は、ChatGPTなどの生成AI(人工知能)と半導体がほとんどを占めた。
2022年11月、米オープンAIがChatGPTを公開するや、利用者数はわずか2カ月で1億人を突破。プログラミング言語でしか扱えなかったAIと日常の言葉で会話できるとあって、世界中に大きな衝撃を与えた。
孫正義氏が超本気モード
孫氏もその虜(とりこ)となった。「私自身、毎日使っている。アイデアを投げかけ『君はどう思うんだ?』と知恵比べをしている」。
そして、生成AIへの熱狂は今や個人レベルを超えた。今、盛り上がっているのは法人だ。あらゆる業界が、この技術のビジネス活用に知恵を絞っている。
ソフトバンクグループでも、事業会社では5月から約2万人の全従業員が社内環境で生成AIを使えるようになった。3月には1000人規模の生成AI活用の新会社を設立。大規模言語モデルを自社で開発する計画もある。
生成AIの特徴は、金融や流通・小売り、製薬など、ITが本業ではない業界にも巨大な影響を及ぼすことだ。
チャットボットとして知らないことを聞いたり、アイデア出しに利用したりする事例は多いが、活用領域はもっと幅広い。これまで人間が手作業で行っていた資料の洗い出しや、定型書類の代筆などもできる。先行導入する企業の多くが、大幅な業務効率化の効果を実感する。人手不足の中、「人海戦術」型の事務仕事が多い業種ほど、活用メリットは大きい。
ボストン コンサルティング グループ(BCG)の試算によれば、生成AI市場は27年時点で1200億ドル(約17兆円)に達する。市場規模が最も大きくなると予想されるのが、金融だ。
メガバンク3行が一斉に導入
日本のメガバンク3行はすでに生成AIの利用環境を導入。例えば三菱UFJ銀行では、5月から一部の行員が稟議書作成や、行内手続きの照会などにChatGPTを使っている。BCG金融グループ日本リーダーの陳昭蓉氏は、「DXに保守的だった銀行も、今回ばかりはスピートが速い。他社に後れまいとの危機感が強いのだろう」と指摘する。
もっとも現状は、「目的なき活用」も目立つ。企業向けに生成AIの導入支援を行うある企業は困惑する。「具体的な計画の下で導入するケースは少なく、新規事業として上から『何かやれ』と言われているケースがまだまだ多い」。
法人はセキュリティ対策した導入が基本に
一方、活用に二の足を踏む企業の懸念は、セキュリティーだ。
ChatGPTをデフォルト設定のまま使えば、入力情報の漏洩リスクがある。NECジェネレーティブAIハブリーダーの千葉雄樹氏は、「生成AIの法人利用は、企業が対価を払い、安全な通信経路かつ学習データに使われない設定で社内システムに導入するのが基本になってきた」と話す。
社内の一般的な業務効率改善のために使うのか、あるいは自社のサービスに搭載して事業を創出するのに使うのか。それによって構築すべきモデルやセキュリティー対策、コストは異なってくる。
生成AIは汎用的に業務をこなすが、「万能AI」ではない。得意・不得意がある。どう使えば仕事効率化や自社の競争力向上につながるか。その「正解」を吟味する段階に入っている>(以上「東洋経済」より引用)
まだ産声を上げたばかりのAIという新人に戸惑っているのではないか、というのが引用記事を読んだ感想だ。なによりも「「ChatGPT」を一過性ブームと考えてはいけない訳「勝ち残る企業」「デキる個人」の必須ツールに」と題していることが、戸惑っている証拠だ。
もちろんAIは一過性のブームではないし、突然降って湧いた機能でもない。AIが身近になるだろうと予想されたのはPCを誰もが持つようになった当初からだ。なぜならPCは人知では及びもつかない能力を持っているからだ。その膨大なデータを瞬時に処理する「特殊能力」を活用すれば近未来に於いて、AIを実際に活用できるようになる、と誰にでも予想されていたからだ。
AIはChatGPTだけではない。googleも「試作段階」と断っているがbardを一般的に開放している。他にもamazinもtwitterもAIに参入すると公言している。現在のところまだまだ未完成だから無料で開放している(一部ChatGPTは有料化している)が、将来完成度が高くなると各企業とも有料化するだろう。
それだけでも大きな産業分野が形成されることになる。その新産業をたとえば第四次産業と命名されるほど大きな産業分野が形成され、新産業が展開されることになるだろう。従来の企業はその第四次産業を利用することによって、各企業の一般管理部門はスリム化するだろう。それは多くのホワイトカラーが仕事をAIに横取りされることを意味するが、だからといってAIに仕事を奪われたホワイトカラーが大量失業することはあり得ない。
なぜなら16世紀の産業革命によって生産手段が蒸気機関によって自動化され、生産労働者の多くが自動化された機械に職を奪われたが、巷に失業者の群れで溢れていない。土木工事も銃器などの機械化によって、土方の仕事の多くが奪われたが、それで「土方」という職種が絶滅したわけではない。
彼らは過酷な肉体労働から解放され、重機のオペレーターとして存続している。結果として生産性が向上して労働者の所得が増加した。AIの可能性は現代に産業革命を確実にもたらすほど巨大だ。今後期待されるAIの機能は文章生成能力や資料整理能力だけではない、AIが科学研究や化学の基礎知識を用いて、新素材研究や化学合成の分子式などを論理的に生成する能力を獲得することではないだろうか。
そうするとAIが「地球はCO2などのガスにより温暖化する」という馬鹿げた文章を生成しないようになる。大気中のブランケット効果ガスの1%ほどしかないCO2が僅か10%程度増加しただけで大騒ぎするほどの気候変動が起きるはずがない、ということをAIが科学的な資料やデータを膨大な各種データベースから引用して説明するようになるだろう。
AIが物理の原理・原則を学習すれば、打ち上げるロケットや宇宙線の能力などから月への最適な軌道をAIが瞬時に計算するようになるだろう。それは自動車の自動運転開発にも極めて有効ではないだろうか。道路状況と自動車のスピードと他の自動車などを総合的に判断して、最も安全な運転を選択して目的地へと「自動運転」するようになるだろう。
AIは警戒すべき技術ではない。AIに「公序良俗」を教えれば、社会モラルに反する変な絵やCGの生成は行えなくなる。もちろん航空機の離陸から着陸まで自動運転できるようになる日まで、それほど時間はかからないだろう。空港や鉄道駅などで不審な動きをしている者がいれば、警備担当に通報することだって可能だし、顔認証システムと連動させれば特定の人物を雑踏の中から探し出すことも困難ではない。
AIはあらゆるところで活用されるようになる技術だ。その可能性の芽を摘んではならない。早くもAIを警戒するような国際会議が開かれたようだが、人類の未来はAIによって大きく開かれることを期待すべきではないだろうか。