習近平氏は中東諸国に接近して日本イジメするのか。

中国ならやりかねない。習近平が描く日本の“息の根”を止める「最悪のシナリオ」
 犬猿の仲と言われてきたサウジアラビアとイランの国交正常化を仲介し、世界を驚かせた中国。その後パレスチナ問題の解決にも言及するなど、中東における中国の存在感は強まるばかりです。このような状況を危険視するのは、国際政治を熟知するアッズーリ氏。アッズーリ氏は今回、中東の覇権を手に入れた中国が我が国のエネルギー安保を脅かす可能性を指摘するとともに、彼らが描きかねない「日本にとって最悪なシナリオ」を紹介しています。

中東で影響力を強める中国、日中関係悪化で日本向けの石油輸出制限を中東諸国に要請か。脅かされる日本のエネルギー安全保障
 日本の関心は米中対立や台湾有事、ウクライナ侵攻に集まっているが、日本のエネルギー安全保障を脅かしかねない事態が刻々と進行している。中東における米国の存在力が低下するなか、最近、中国が中東で覇権活動を強化している。
 今年3月、驚くべきニュースが飛び込んできた。中東の大国であるサウジアラビアとイランが中国の仲裁で6年ぶりに国交を正常化させると発表したのだ。
 サウジアラビアが2016年にイスラム教シーア派の宗教指導者を処刑し、その後テヘランのサウジアラビア大使館が襲撃されたことを受け、サウジアラビアはイランと外交関係を断絶した。実に7年ぶりの国交回復となり、既にイランとサウジアラビアは相互の大使館業務を再開している。4月上旬にも、サウジアラビアのファイサル外相とイランのアブドラヒアン外相が北京で会談し、関係改善を進めていく方針を示した。
 そして、サウジアラビア政府は3月、中国やロシア、インドや中央アジア諸国によって2001年に結成された地域的協力枠組みである上海協力機構に対話パートナーとして参加する方針を決定した。今年にはイランが上海協力機構の正式な加盟国となるが、上海協力機構は中国やロシアが主導する政治フォーラムで、G7とは真っ向から対立するものだ。サウジアラビアが中国との関係を密にする背景には、バイデン政権への不満や経済の多角化を進めたい狙いがある。

人権問題に首を突っ込むバイデンと距離を置くサウジ
 人権重視のバイデン大統領は昨年10月にサウジアラビアを訪問したが、国内での石油価格高騰を抑える狙いでサウジアラビアに石油増産を打診したものの、その確約を得られなかった。サウジアラビアは国内の人権問題に首を突っ込むバイデン政権への不信感を持っており、バイデン政権以降両国の関係は極めて冷え込んでいる。
 そして、石油に依存しない経済の多角化を狙うサウジアラビアは、中国路線に舵を切っている。昨年、中国の習国家主席がサウジアラビアを訪問した際、その待遇はVIP待遇そのもので、ムハンマド皇太子は習国家主席を精一杯もてなし、様々な分野での経済協力を進めていくことで両者は一致した。
 中国主導によってイランと和解したサウジアラビアは、同国領土へ長年ミサイルやドローンを打ち込んできたイエメンの親イラン武装勢力フーシ派との関係改善にも動いている。サウジアラビア政府の代表団とイエメンの親イラン武装組織フーシ派の幹部が4月、イエメンで和平に向けて会談を行った。仮に和平が順調に進めば、サウジアラビアの安全保障にとって大きな進展となるだけでなく、長年続くイエメン内戦の終結に向けても大きな兆しとなる。

パレスチナ問題の仲介にまで乗り出した中国
 しかし、中国はサウジアラビアとイラン以外の国々にも接近を試みている。4月、中国の外相は断続的に続くイスラエルパレスチナ問題で双方の外相と個別に電話会談し、中国がサウジアラビアとイランの和平で主導的役割を果たしたことを強調する形で、中国がイスラエルパレスチナ問題の和平交渉再開で支援する用意があると双方に伝えた。
 これについてイスラエルの外相は、緊張緩和へ向けて取り組んでいるが問題の短期的な解決は難しいとの認識を示した一方、イランによる核兵器保有を阻止するため中国が積極的な役割を果たすことを期待すると中国側に伝えたという。
 こういった形で、中国は中東が抱える諸問題へ関与する姿勢を示すことにより、サウジアラビアやイラン、イスラエルやパレスチナなど中東諸国から信頼を得ようとしているのだ。そして、経済エネルギー分野で中国はイラク、イエメンなどにも最近接近する姿勢を示しており、今後中東で中国の影響力がよりいっそう強まる可能性がある。そして、これはこれまで中東で存在感を示してきた米国の衰退を示すものでもある。

中国が描きかねない日本にとって最悪のシナリオ
 しかし、中国が主導する中東は、石油の9割を中東に依存する日本にとって極めて危険な環境だ。米中対立が深まり、今後台湾有事が到来しようとするなか、日中関係は間違いなく亀裂が長期的に深まる。そうなれば、中国はあらゆる手段で日本に対抗措置を取ってくることから、1つに日本の心臓部分に攻撃を加えてくる恐れがある。すなわち、それは日本向けの石油輸出制限を中東諸国に要請するシナリオである。
 石油輸出停止という手段だとあまりに露骨過ぎ、諸外国から中国批判が出る可能性もあるので、現実問題としては、日本が買う価格以上の値段で中国が買い取り、それによって日本向けの輸出量を減らすなどが考えられるが、中国が覇権を握る中東は、日本のエネルギー安全保障にとって新たな問題となろう>(以上「MAG2」より引用)




 MAG2に掲載されたアッズーリ氏の論評だ。実はアッズーリ氏が何者なのか、私は知らない。履歴を見ると「専門分野は政治思想、国際政治経済、安全保障、国際文化など。現在は様々な国際、社会問題を専門とし、大学などで教え、過去には外務省や国連機関でも経験がある」とある。
 そのアッズーリ氏の誇大妄想狂的な発想の産物が上記の引用論評だろう。中国がわざわざサウジアラビアに働きかけて日本へ「禁油」を実施するという。そんなことなど決してあり得ない。なぜなら日本はサウジアラビアをはじめ、原油をスポット買いしているわけではなく、長期契約に従って購入しているからだ。

 米国が痴呆症に悩むバイデン大統領の登場により、突然CO2地球温暖化という欧州発のプロパガンダに乗ってシェールオイルの新規開発を禁じてしまった。もちろんアラスカ天然ガスを米国へ送るパイプラインの工事も中断してしまった。狂気の沙汰としか思えないが、世界一の原油産出国がアッサリとその地位を投げ捨てた。
 米国の原油生産量が低下すれば、国際的な米国の発言力も低下するのは明らかだ。なぜなら先進諸国の殆どは原油輸入国だから「万が一の米国頼み」があったが、その米国が1日当たり786万バレルもの原油を他国から輸入している。原油輸入国に成り下がったのだから米国の影響力が低下するのも当然だ。

 中国はロシア原油を大量に安く買い入れて、国内消費の剰余分をスポット市場に売り出して利ザヤを稼いでいる。いわばサウジアラビアにとって商売仇だ。
 もちろん米国はサウジアラビアの皇太子がジャーナリストを殺害して死体を薬剤で溶かして捨てた事件を忘れてはいない。そのような独裁専制国家を許しては、中国のウィグル人ジェノサイド批判が出来なくなる。バイデン氏がサウジアラビアと距離を置かなければならないのは必然だ。そこに付け込んだのが習近平氏だが、中国の手許にある切札は同じ「独裁者としての規範」だけだ。

 今回の原油高騰を招いたのはウクライナ戦争もあるが、その前から石油は高騰していた。石油高騰は愚かなバイデン政権の新規原油採掘禁止措置によるものだ。中東に石油需要が殺到したため、原油が高騰し中東諸国の発言力が増した。そこに中国も目を付けただけだ。なにも中国に特別な世界戦略があって中東に介入しているのではない。
 独裁者の国の外交方針は気儘な独裁者が決定するため朝令暮改が通例だ。昨日の友が今日の敵になることも珍しくない。独裁者の利害関係と気分によって、外交方針などクルクルと変わる。戦後世界はそうした中東諸国の独裁者に振り回されてきた。

 しかし間もなく、石油資源を背景とした独裁者たちの気儘な政治に気兼ねする必要などなくなる。それはe-fuelの研究開発が成果を生み出そうとしているからだ。しかもe-fuelの原価が著しく低く製造できる可能性が高い。CO2とHとの光合成反応を自然エネルギーを使って行う日本企業のプラントで行えば、かなり安くe-fuelが生成できるという。
 世界は今世紀にe-duelとAIによって劇的な変化を遂げるだろう。原油資源を背景に古代ローマ時代かと目を疑う王族支配や中世さながらの宗教者による支配政権など一蹴されるだろう。世界はエネルギー資源を切り札とした独裁者の我儘に付き合う必要などなくなる。民主主義が世界へ敷衍するのも時間の問題になるだろう。

 アッズーリ氏が論評で指摘した習近平氏による日本イジメなどありえないし、今後ともない。それよりも習近平氏は崩壊する中国経済の下、中国民の不満が沸騰店に達しないように政治の舵取りをしなければならないが、その手腕は習近平氏本人にも彼の側近たちにもないようだ。中南海はクレムリンに劣らない権力の激動期に入るだろう。

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