「骨太の方針」とは、国家滅亡計画そのものではないか。

<政府が16日に閣議決定した「骨太の方針」では、低成長が続く日本経済の再生に向けた改革の方向性が打ち出された。改革が進めば一つの会社で長く働き続けるといった、これまでの日本の〝常識〟も大きく変わり、国民の暮らしにも影響が及ぶことになりそうだ。 

 最も力点が置かれたのが、労働市場改革だ。終身雇用や年功序列など日本型雇用は、成長分野への労働移動を妨げるといった弊害が顕在化。その結果、世界をリードする新たな企業は誕生せず、賃金も伸び悩むといった現状を生み出している。 
 そこで骨太方針では、「人への投資」の抜本強化を掲げ、労働者のリスキリング(学び直し)を後押しする。従来のリスキリングは主に企業が学びの機会を提供してきたが、労働者が主体的に取り組めるよう「個人への直接支援を拡充する」とした。労働者にとっては自分の意思で新たな能力を身に付け、仕事も選ぶことができるようになる。 
 企業間で人材の奪い合いが生じることで、賃金の持続的な引き上げにもつなげたい考え。同じ会社に長く勤めるほど退職金の税負担が軽くなる退職所得課税についても見直しを行う。
 また、今の賃上げの流れを非正規社員も含めたものにするため、最低賃金の全国加重平均を令和4年度の時給961円から1千円とする方向性も示した。 深刻な少子化対策として、子育て世帯に支給する児童手当の拡充も明記。来年10月分から支給対象を「高校生年代まで」に広げ、所得制限も撤廃する。ただ手当拡充に合わせ、16~18歳の子供がいる世帯の税負担を軽減する扶養控除の見直しを求める意見もある。
 今後の検討課題とされたが、高所得世帯では実質的に負担増となる可能性もある。 男性中心の働き方も見直しが進む。女性活躍の促進へ、12年までに女性役員比率を30%以上とする目標を明記。性別を理由に、不当に昇進が阻まれてきた女性にとっては朗報だ。男性育休の取得を促進し、夫婦が協力して子育てを行える環境整備も進む見通しだ。(蕎麦谷里志)>(以上「産経新聞」より引用)




 「骨太の方針」はいよいよシッチャカ、メッチャカな政策だ。労働に女性参画を推進するが同時に子育ても行い、終身雇用制度を撤廃して「自由な労働市場」へ移行する、とは構造改革路線そのものではないか。
 既に自公政権下で推進して来た「構造改革」により労働所得は減少し、婚姻率の低下から少子化が深刻化したという因果関係は明確になっている。それにも拘らず、岸田自公政権は「構造改革」を骨太の方針と称して推進するという。狂気の沙汰というしかないが、政府広報機関に堕した日本のマスメディアには政府批判する気力も能力もないようだ。

 日本はバブル崩壊後の失われた30年から脱却できていない。新しい「失われた年」に突入している。そう断言するのは岸田自公政権もデフレ政策から決別できないからだ。いや、むしろデフレ政策を加速しているといわざるを得ない。
 日本のGDPの増加や経済成長が見られないにも拘らず、防衛費倍増と称し或いは少子化対策と称して増税や税負担を国民に強いるのは国民から可処分所得を奪うデフレ化政策そのものだ。景気が過熱してインフレに見舞われているのならデフレ化政策を進めるべきだが、国民が貧困化している現状で、さらに国民を貧困化させる政策を加速させるのは国家衰亡を招くだけだ。

 最大の少子化対策は経済成長だ。GDPの増加により国民所得を増加させ、若者たちの経済力をつけなければ婚姻や家庭を営み子育てをしようとする気力すら涵養できないだろう。そして「骨太の方針」で終身雇用制度を徹底的に破壊しようとするのは日本の高度経済成長時代の労働構造を徹底的に破壊することでしかない。
 政府や財界が推奨する「働き方改革」とは正規労働者を排斥し、非正規・不定期・派遣労働者を増やすことでしかない。それを以て労働市場の流動性が確保されるとするのは勘違いも甚だしい。日本のような「新卒」を偏重する労働環境にあって、非正規や派遣労働者に切り替えることは、すべての労働者を労働工数化して経営者による「都合の良い」労働力の提供環境を整えるだけでしかない。

 それでは決して経済成長しない。なぜなら経営者にとって都合の良い労働環境とはいつでも調節可能な(馘首できる労働者)を労働市場が用意している状態ではないか。それでは経営者が英知を集めて生産性向上を図ろうとはしないで、労働力の安価な国へ生産工場を移転させることで企業利益の最大化を図る経営戦略で推移するだけだ。そして外国で企業利益を上げても、株所有者を除いて日本国民とはほとんど無縁だ。
 「構造改革」政策で推進された企業の海外進出により、日本の労働者は必然的に安価な外国の労働者と賃金競争させられた。それが失われた30年の主因だが、そのことに財界もマスメディアも殆ど言及しない。そしてグローバル社会だとか国際分業だとかという装飾語に惑わされている。実態は日本労働者の賃金カットでしかない、という現実から意図して国民の目をそらし続けている。

 世界も日本も、今世紀中に第三の産業革命を迎える。第一の産業革命が蒸気機関という動力による製造業の大転換で、第二の産業革命がフォードが発明した流れ作業だったとすれば私たちが迎えるのはAIによる事務スピードと省力化が労働環境を劇的に変える第三の産業革命だ。その流れから私たちは誰一人として無縁でいることは出来ない。
 「骨太の方針」で30年も失い続けた歳月をそのまま延長させるだけの政策しか打ち出せない無能・無策な政権をいつまで日本国民は支持するつもりだろうか。「構造改革」路線は日本経済をトコトンまで衰亡させた。それからの大転換と「所得倍増」政策こそが日本にとって最も重要な喫緊の政策ではないか。そのためには労働政策を旧に復して、経営者たちに厳しく、労働者にとって安心な労働環境に戻さなければならない。そして無能な経営者たちこそ淘汰すべきではないか。現代に合わなくなった紙媒体のマスメディアにしがみ付く無能なマスメディアの経営者たちも淘汰されるべきだろう。それが嫌なら紙媒体企業が配下にしているテレビ会社と合併して、企業体質の改善を図るべきではないか。

 今世紀中に世界は否応なくAIによる劇的な産業革命を迎える。その利便性と革新性は誰でもChatGPTで手軽に経験できる。その何十倍も革新的なAIが誰にでも提供されるとしたら、それが働き方を含めて、産業に広範な革命をもたらさないと考える方がどうかしている。
 岸田政権の「骨太の方針」は未だに前世紀的発想のまま、女性差別だけを事大主義的に取り上げているだけだ。AIが進化すれば派遣業者など無用の長物と化すだろう。労働者は自身を直接労働市場に効率的に売り出すことが出来るようになる。そうした未来が見えない連中が集まってグダグダとやっているのが岸田自公政権だ。このままでは日本は衰亡して滅びるだけだ。

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