児童手当拡充の財源として「16~18歳の扶養控除」を見直すとは、本末転倒ではないか。
<まさに異次元の「少子化促進対策」と言っていいのではないか。ネット上でも《お願いだから、もう何もやらなくていい》《この案を言い出した政府、国会議員の人、この世代の子どもを持つ親の大変さを知っているのか?》などと、批判の投稿が飛び交っている。
岸田政権が掲げる「異次元の少子化対策」をめぐる児童手当の拡充について、22日付の毎日新聞が<18歳まで支給を延長した場合、現行制度で16~18歳に適用されている「扶養控除」を見直す案が政府内で浮上している>と報じたためだ。
現行制度では、16歳以上19歳未満の子どもを扶養する場合、所得額から「扶養控除」として1人当たり38万円が控除されている。記事によると、これを見直し、児童手当の財源の一部に充てる案らしい。「見直す」という言葉を使っているが、要するに「減らす」か「無くす」かのどちらかだろう。
いずれにしても、子育て世帯に与える影響は小さくない。内閣府の資料によると、幼稚園から大学までの子ども1人当たりの教育費は、1100万円台~1800万円台。特に「16~18歳」の子供を持つ世帯は出費が多いだけに打撃だ。
■「18~21歳」は「子育て費用がピーク」なのに…
内閣府が公表している「子どものいる世帯の年齢層別消費支出」を見ても、「15~17歳」は「子育て費用が大幅に増加」とあり、「消費支出は12~14歳の時期を大幅に上回り、同年代の子どものいない世帯の消費支出を大きく上回る」「光熱・水道費、食料費などで子どものいない世帯より支出が多く、また、12~14歳の時期に比べて交通・通信費(通学定期や携帯電話)、その他の消費支出(小遣い)などが増加」「教育費も12~14歳に時期に比べて増加(高校の授業料と学習塾の費用)」となっている。
さらに、「18~21歳」は「子育て費用がピークに」として、「消費支出は15~17歳の時期を大幅に上回り、同年代の子どものいない世帯より30%弱上回る」「住居費以外のすべての費目で子どものいない世帯の支出を上回る」「教育費も15~17歳の時期に迫る額となる(大学への進学率の上昇)」とあるから、批判的な意見が出るのも当然だろう。
《子育て世代を狙い撃ちしてどうする。何がしたいのか》
《少子化をさらに前進させる気なのか》
《国会議員の歳費、手当、天下り組織の見直し、法人税の引き上げ、宗教法人への課税…。見直すべきところはたくさんあるだろう》
SNSにあがるのは、悲鳴のような声ばかりだ>(以上「日刊ゲンダイ」より引用)
本当に何がしたいのか、岸田自公政権の目的が分からない。「子育て世代を狙い撃ち…児童手当拡充の財源「扶養控除の見直し」報道に批判殺到」と記事の見出しがあるが、岸田自公政権は児童手当拡充の財源として「16~18歳の扶養控除」を見直すとしている。
岸田政権が掲げる「異次元の少子化対策」をめぐる児童手当の拡充について、22日付の毎日新聞が<18歳まで支給を延長した場合、現行制度で16~18歳に適用されている「扶養控除」を見直す案が政府内で浮上している>と報じたためだ。
現行制度では、16歳以上19歳未満の子どもを扶養する場合、所得額から「扶養控除」として1人当たり38万円が控除されている。記事によると、これを見直し、児童手当の財源の一部に充てる案らしい。「見直す」という言葉を使っているが、要するに「減らす」か「無くす」かのどちらかだろう。
いずれにしても、子育て世帯に与える影響は小さくない。内閣府の資料によると、幼稚園から大学までの子ども1人当たりの教育費は、1100万円台~1800万円台。特に「16~18歳」の子供を持つ世帯は出費が多いだけに打撃だ。
■「18~21歳」は「子育て費用がピーク」なのに…
内閣府が公表している「子どものいる世帯の年齢層別消費支出」を見ても、「15~17歳」は「子育て費用が大幅に増加」とあり、「消費支出は12~14歳の時期を大幅に上回り、同年代の子どものいない世帯の消費支出を大きく上回る」「光熱・水道費、食料費などで子どものいない世帯より支出が多く、また、12~14歳の時期に比べて交通・通信費(通学定期や携帯電話)、その他の消費支出(小遣い)などが増加」「教育費も12~14歳に時期に比べて増加(高校の授業料と学習塾の費用)」となっている。
さらに、「18~21歳」は「子育て費用がピークに」として、「消費支出は15~17歳の時期を大幅に上回り、同年代の子どものいない世帯より30%弱上回る」「住居費以外のすべての費目で子どものいない世帯の支出を上回る」「教育費も15~17歳の時期に迫る額となる(大学への進学率の上昇)」とあるから、批判的な意見が出るのも当然だろう。
《子育て世代を狙い撃ちしてどうする。何がしたいのか》
《少子化をさらに前進させる気なのか》
《国会議員の歳費、手当、天下り組織の見直し、法人税の引き上げ、宗教法人への課税…。見直すべきところはたくさんあるだろう》
SNSにあがるのは、悲鳴のような声ばかりだ>(以上「日刊ゲンダイ」より引用)
本当に何がしたいのか、岸田自公政権の目的が分からない。「子育て世代を狙い撃ち…児童手当拡充の財源「扶養控除の見直し」報道に批判殺到」と記事の見出しがあるが、岸田自公政権は児童手当拡充の財源として「16~18歳の扶養控除」を見直すとしている。
見直すとは「扶養控除」を減額するかはいしするかしかない。つまり「16~18歳」の子供の扶養者の所得課税を強化しようという話だ。しかし、それでは本末転倒ではないか。児童手当は支給するが、所得税課税を強化する、というのでは「子育て支援」にはならない。
児童手当を拡充すれば「こども家庭庁」の予算が10兆円になるという。だから財源として子育て国債を発行し、同時に「16~18歳の扶養控除」の見直しを行って財源を確保するという。
ただ、こうした弥縫策を次から次へと重ねていく政治は限界を超えているのではないだろうか。一つ政策を提起する都度、新たな財源・負担を国民に求めて税制や負担金が積み上がって行くため、すべてがゴチャゴチャとして本来の目的税や税の名目がどうであったのかが分からなくなっている。しかし毎年のように国民負担は確実に増えて、「生活コスト」が年々高くなっている実感だけが積みあがっている。
コストプッシュ型のインフレが僅かな春闘の賃上げを帳消しにして、さらに日本の労働者実質所得はマイナスになっている。国民は貧困化しているにも拘らず、財務省は国民負担増や増税だけを押し続けてきている。
そもそも増税や国民負担を決めるのは国会であって、財務省の官僚ではない。財務省がプライマリー・バランスを唱えているのは「省益」のためであって「国益」のためではない。経済成長すればGDP規模が拡大し、減税しない限り税収は自然と増加する。そうした経済成長策を財源とする発想を国会議員が持たない限り、国民は負担増という「デフレ政策」を強要されて貧困化するばかりだ。
なぜ根本的な経済成長策に政治を転換しないのだろうか。GDPが拡大しなければ同じパイを政府と国民が奪い合うだけではないか。政府が多く奪えば、国民の取り分は少なくなり貧困化するのは当たり前ではないか。なぜ簡単な算数を国会議員もマスメディアも理解しないのだろうか。
岸田氏は総裁選に登場した瞬間だけ「所得倍増計画」を提唱した。しかし瞬時にして看板を書き換えて「資産倍増」へと政策を転換した。勘違いするようなものではなく「所得倍増」と「資産倍増」はまったく別の政策だ。「所得倍増」は経済成長政策を実行しない限り実現不可能だが、「資産倍増」は小手先の投資減税などで実施可能だ。しかも資産を持っている「富裕層」には有利に働くが、「資産」を持たない若者などには関係ないばかりか回り回って負担増をもたらし効果しかない。
根本的な政治転換を図らない限り、日本国民は貧困から脱出できない。そして貧困は格差拡大をもたらし、少子化はますます進行するだけだ。