原発事故は稼働している限り必ずまた起きる。

<ドイツで15日、国内で稼働していた最後の原発3基が停止した。先進国で「脱原発」が実現したことについて、日本でも大きな反響が起きている。これに対して、2ちゃんねる開設者の「ひろゆき」こと西村博之氏が「『日本も原子力発電を無くせる!』とか言い出す頭の悪い人はどれくらい出るかな?」などと皮肉り、一方でジャーナリストの田原総一朗氏が「ドイツが出来てなぜ日本が出来ないのか」と反応するなど、議論が巻き起こっている。

 ドイツでは、2000年当時に全体の発電に占める原子力の割合は30%(ドイツ連邦エネルギー・水道事業連合会による)だったが、2011年に起きた日本の東京電力福島第1原子力発電所の事故を受けて方針転換。17基あった原発を順次停止し、2022年までに発電に占める割合を6%にまで減らし、代わりに再生可能エネルギーの割合を45%に引き上げた。昨年末までに原発を全廃止する予定だったが、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー危機によって延期。紆余曲折を経ながらも、15日に「脱原発」が完了した。
 このニュースは大きな話題になり、ネット上では「原発事故を起こした日本こそ早く脱原発をするべき」「逆行している日本が恥ずかしい」といった声が飛び交った。
 ひろゆき氏は16日付の自身のTwitterで、これを報じるCNNのネット記事を引用しながら「欧州は電力グリッドが繋がっているので、ドイツの電力が足りない時は、フランスの原子力発電の電力が買えるという保険があります」とドイツの電力事情を解説。続けて「日本は島国というのを知らずに『日本も原子力発電を無くせる!』とか言い出す頭の悪い人はどれくらい出るかな?」と皮肉った。
 さらに、ひろゆき氏は「ドイツは原発反対の緑の党が連立与党なので、原発を無くして石炭発電を増加。風力や太陽光発電は発電量管理が出来ないので余ると最安値でEU諸国に電力を売る。夜中や風がない時はフランスの原子力の電気を高い値段で買います。結果、先進国で2番目に電気代が高いドイツ」ともつづり、脱原発による電気代高騰を指摘した。実際、ドイツでは昨年のガス・電気料金が前年比1.5倍に高騰しており、コスト増を嫌った企業が生産拠点をエネルギー価格の安い国へ移してしまう懸念も高まっている。
 一方、田原総一朗氏は16日付の自身のTwitterで「ドイツは凄い。ドイツが出来てなぜ日本が出来ないのか。ドイツは白黒はっきりしていて、だから安全保障もNATOには加盟してない。第二次世界大戦への反省が極めてはっきりしている。この点が日本はグレーではっきり言えば安全保障でもエネルギーでも曖昧だ」とし、ドイツの判断を称賛すると共に日本の問題点を突いた。ある意味、ひろゆき氏の主張と対立するような発言といえそうだ。
 ただ、ドイツがNATOに加盟していないというのは事実誤認で、田原氏は後に「失礼致しました。1955年に加盟です」と訂正している。
 さまざまな視点からネット上でも議論が盛り上がっているが、先進国の中で「脱原発」に大きく舵を切ったのはドイツくらいで、大半の国ではエネルギー価格や脱炭素との兼ね合いから「原発回帰」の動きが目立っている。
 フランスは2050年までに新たな原子炉を少なくとも6基建設予定で、それとは別に2030年までに10億ユーロをかけて小型モジュール炉などの開発を目指す。イギリスは2030年までに最大8基の原子炉を新設する計画を発表し、電力の原発比率を25%に引き上げるという目標を掲げた。また、フィンランドでは今月16日に欧州最大級となるオルキルオト原子力発電所の3号機(出力160万キロワット)が本格稼働した。さらに、オランダでは2035年までに新たな原発2基を建設予定で、ポーランドは2033年までに同国初の原発の建設・稼働を計画している。
 日本でも電気代の高騰に国民が苦しみ、脱炭素が社会的命題になっている背景もあって、政府は原発の再稼働や運転期間延長を目指す動きを見せている。ひろゆき氏や田原氏の発言なども含め、その是非をめぐってこれから議論が活発化していきそうだ>(以上「 Business Journal 」より引用)



 「ドイツ「脱原発」完了で…ひろゆき氏「日本も原発をなくせると言い出す頭の悪い人どれくらい出るかな?」と皮肉」という見出しが気になって一読した。ドイツに「脱原発」が出来て日本になぜ脱原発が出来ない、と言い出すのは頭の悪い人だろうか。
 ひろゆき氏とは2chを創設して個人情報漏洩や名誉棄損などに問われて逮捕され、巨額損害賠償を民事に提訴された不運な人物だ。現在は欧州で暮らし、インフルエンサーとしてネット論壇に登場している。

 ひろゆき氏が「ドイツに出来て日本に脱原発が出来ない」というのは、ドイツは陸続きの国だから電力ネットワークで他国から電力供給が出来るから脱原発をしても問題ない、というのが最大の論拠のようだ。
 しかし他国からの買電で自国の不足した電力を賄うのはそれほど容易なことではない。だからドイツはロシアから大量の天然ガス供給を受けて、ガス発電をしていた。しかしそのロシアからの天然ガス供給もほとんど停止している。そうした環境下での脱原発を達成し、これからこうした電力供給体制でやっていく、と決断したドイツ政府に拍手を送るべきだ。

 他方、欧州諸国の国々はCO2排出ゼロを目指すため火力発電を停止して、原発建設に乗り出している。一番ひどいのがフランスで2050年までに少なくとも6基の原発建設を予定しているという。
 CO2は自然物質の循環を破壊しないが、原発は核分裂という自然の摂理の埒外のエネルギーだ。そのエネルギー生成時に出る放射能性物質は半減期10万年という凄まじいものだ。そして放射性廃棄物の最終処分場に関して、フランスは用地確保すらしていない。これほど無責任な政府はないだろう。

 日本でも岸田氏は原発再稼働どころか、新規原発建設に向かおうとすらしている。福一原発で多くの人たちに多大な迷惑をかけた事故を忘れたかのようだ。まだ12年しかたっていないというのに、岸田氏は痴呆症にでも罹ったのだろうか。
 政府は帰宅困難地域を次々と解除しているが、それらの地域から放射能のチリがすべて除染されたとでもいうのだろうか。放射能カウンターが鳴らなくなったとでもいうのだろうか。マスメディアもそうした事実を一切報道しなくなったが、それは放射能が綺麗にすべて除染されて全く問題が亡くなったからなのか、それとも時の権力者に忖度して「報道しない自由」を行使しているからなのか。

 ウクライナのチェルノブイリ原子力発電所事故は1986年4月26日だったが、40年近く経った現在も30㎞圏内は立ち入り禁止だ。翻って福一原発事故は僅か12年にして「安全宣言」をして、次々と住民を帰宅させ、帰宅しない人も含めて避難支援金の支払いを打ち切っている。これが日本政府のやり口だ。
 そして故意ともいえる手段で電気料金を値上げして「原発再稼働しないから電気代が上がった」との世論をマスメディアも動員して醸成し、岸田氏は原発再稼働を宣言した。ひろゆき氏は「電気がないなら原発を稼働すれば良いジャン」と嘯いているが、原発事故の怖さを全く考慮していないのだろう。人のやることは必ずミスをするし、事故は必ず起きる。そして想定外の自然災害は起きないと決めて掛かる方がどうかしている。

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