少子化の主たる原因は非正規労働者の存在だ。

<統一地方選は知事選に続き、26日大阪市など6政令市長選が告示された。そんな中、選挙対策がミエミエとはいえ、自民党幹部の口から出てくる少子化対策メニューのショボいこと。ある意味、異次元すぎる。

 自民党の茂木幹事長は25日、東京都内で街頭演説し、「出世払い型の奨学金制度を新たに拡充していきたい」と訴えた。政府が今月末にとりまとめるたたき台に盛り込まれる見通しだという。
「出世払い型の奨学金」とは、在学中は授業料を支払わず、大学卒業後や大学院修了後に所得に応じて返済する制度。茂木幹事長は演説で「大学が終わって会社に勤めて、ある程度の収入になってから返し始めればいい」とメリットを強調したが、返済額や時期に猶予が設けられるとはいえ、“借金”であることには変わりない。

 大学は学費が無償か、給付型奨学金を幅広く受けられるというのが世界標準。出世払い型の奨学金の拡充ではお粗末だ。
 さらに茂木幹事長は、公営住宅の活用にも言及。「公営住宅に新婚世帯や子どもの多い若者世帯に入居してもらうことで住宅費は圧倒的に削減できる」とアピールした。これは、自民党の萩生田政調会長がしきりに訴えている案。SNSでは「今どき公営住宅に住みたい若者いるの?」「ズレてる」などと総スカンなのに、そのまま採用か?
 政府のたたき台には、児童手当の所得制限撤廃などとともに、子どもの医療費を助成する自治体独自の取り組みを後押しする方針も盛り込まれる方向。実は、小学生以上を対象に医療費を無償化する自治体が増えているが、現状、国はそうした自治体に対し、医療費抑制などを理由に補助金を減額している。そこで、今後は補助金を減額せず、自治体を後押しする、ということらしい。
 これには、先進的な子育て政策で名を上げた泉房穂明石市長がこうツイート。
<地方への“嫌がらせ”をやめるだけで何の後押しでもない。「子ども医療費の18歳までの所得制限なしでの完全無料化」ぐらい、国が全国一律ですぐやればいいのに…>

■理念なく並べ、財源は後回し

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)が言う。
「少子化対策は自治体や収入などの区別なく、誰もが享受できるユニバーサルなものであるべきです。小出しにエサをばらまくような選挙対策は、一番やってはいけないこと。国民が甘く見られています」
 ショボい対策を、あれやこれやと理念なく並べるだけ。それでいて財源は後回し。無責任ぶりも異次元だ>(以上「日刊ゲンダイ」より引用)




 茂木氏が提起している政策は「少子化対策」ではなく、「子育て支援策」ではないだろうか。もちろん「子育て支援策」も日本は後進国並みだが、「少子化対策」に到っては、与党国会議員諸氏に「少子化対策」とは何かすら解ってないようだ。
 少子化対策とは若者たちの婚姻問題だ。若者たちが婚姻しない限り、まずは子供が誕生すらしない。生まれた子供の育成に国家として支援するのは当たり前だが、その前に若者たちの婚姻が可能となる雇用と所得を政府は用意すべきだ。

 ちなみにAIに「少子化対策とは」と訊いてみた。
<回答>
 少子化対策の要点は、以下のようなものがあります。
①出産や子育ての支援:出産や子育てにかかる費用や負担を減らすための支援を行うことが大切です。例えば、育児休暇の制度拡充や育児をサポートする施設の整備などがあります。
②働き方改革:労働環境を整備し、女性や若者が働きやすい環境を整えることで、出産や子育てと仕事を両立しやすくすることが大切です。
③移民政策:人口減少に対する解決策として、外国人労働者の受け入れを促進することが考えられます。ただし、移民政策は社会的な問題を引き起こすこともあるため、適切な制度設計が求められます。
④結婚・出産への意識改革:結婚や出産に対する意識改革を促進することで、少子化を防止することができます。具体的には、晩婚化や未婚率の低下などが挙げられます。
⑤子育て支援以外の施策:少子化を防止するためには、子育て支援以外にも、教育制度の改革や若者の就労支援など、幅広い施策が必要です。

 と回答されたが、AIは少子化対策が何で、子育て支援策が何で、さらに人口問題が何かが解ってないようだ。すべては少子化対策というキーワードで語られている文章をビッグ・データの中から拾い出して最大公約数的にまとめたもののようだ。
 「移民政策」は明らかに少子化対策とは異なる労働人口問題だから意地悪く再質問してみた。少子化対策にはまず出産がなければ少子化対策も何も始まらないからだ。

 そこで「移民は少子化対策ではないですね。少子化対策の肝は若者が結婚することではないでしょうか」と訊いた。
<回答>
 ご指摘ありがとうございます。移民が必ずしも少子化対策とは言えないという点についてはごもっともであり、私の回答に誤りがありました。移民政策は人口問題を解決するための一つの施策であり、少子化対策とは異なるものです。また、若者が結婚することが少子化対策の肝であるという点については、ご指摘通りであり、私の回答には不十分な部分がありました。若者が結婚し、子育てをしやすい環境を整えることが、少子化対策の重要な要素の一つとなります。再度、ご指摘いただき、ありがとうございました。
 との回答を得た。

 若者たちが婚姻しなくなった、或いは婚姻が晩婚化しているのは若者の所得が減少しているからだ。また安定的な「雇用」ではなく、約40%以上の若者たちが非正規・派遣として働いているため、人生設計を立てにくい環境にあることがあげられる。
 そして地方と都会では地方の方が婚姻率が高く、都会の方が低い。地方から流出した若者たちが集う都会で婚姻率が低いのは由々しき問題だ。
 なぜ都会の婚姻率が低いのか、その特徴を見ると都会では年収800万円以上の女性と、年収350万円以下の男性の婚姻率が低い「ミスマッチ」が特徴としてあげられている。

 婚姻率の低下は間違いなく労働所得の低下や非正規雇用と関係している。子育てを行うには人生の先行きが安定的でなければならない。「行き当たりばったり」で良いではないか、という考えを持つ人もいるだろうが、子供にとっては迷惑千万だろう。少なくとも子供は親を選べないし、親にすがって生きるしかない。「行き当たりばったり」の生活が「自由」だと考えるのは自由だが、「自由」とはそんなものではないだろう。それは社会の枠外に身を置いている「不自由」さの一端でしかない。
 少なくとも多くの若者たちは先行きを見据えて婚姻や子育てを考えている。だから「行き当たりばったり」の生活を送っていては婚姻を躊躇するしかない。

 自公政権が推進した「構造改革」が日本に深刻な少子化社会をもたらした。茂木氏は真摯に自公政権が仕出かした「働き方改革」と称する労働者の貧困化政策を反省して旧に復すように政策転換すべきだ。
 口入れ稼業をしてピンハネするのは良くない、として公共職業安定所が設置されたのではないか。それはヤクザのタコ部屋を無くすための政策だったが、派遣業法の相次ぐ緩和により派遣会社というヤクザがあらゆる分野の業界にのさばってしまった。東京五輪まで派遣業者によって毒されていた実態を政治家は真摯に国会で検証・審議すべきではないか。あるいは政治家諸氏までも現代のヤクザ・派遣業者のお仲間なのか。

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