Bloombergの中国経済見通しはファンタジーに過ぎない。

グローバル貿易停滞へ、31年まで世界経済下回る伸びと予測
9年間の世界貿易平均増加率2.3%、世界GDP成長率2.5%と推定
ウクライナでの戦争で国際貿易の流れ変化-勝者は東南アジアか

 世界貿易の伸びは向こう9年間のほとんどの期間、世界経済の成長率を下回る見通しだ。ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が最新のリポートで予測した。ウクライナでの戦争が戦略的提携を一変させ、国際貿易の流れが変化していることが背景にあると説明した。
 同リポートによると、世界貿易は2031年までの年平均増加率が2.3%と、同期間の世界国内総生産(GDP)の年平均成長率2.5%を下回る見込み。

 新型コロナウイルス禍に先立つ10年間は貿易と世界GDPの伸びがほぼ一致していた。このため、同リポートは約四半世紀前の世界貿易機関(WTO)設立以降でグローバル化が最も停滞する9年間を予測していることになる。
 同リポートを共同執筆したBCGのマネジングディレクター、ニコラウス・ラング氏は「比較的安定した貿易環境が30年近く続いた後、現在は米国と欧州連合(EU)が主導するコミュニティーと中国・ロシアのコミュニティーに加え、非同盟諸国の第3のグループが台頭する可能性がある新たな東西対立のダイナミズムのさなかにある」と説明した。
 BCGが指摘した向こう9年間の貿易環境の変化で予想される勝者と敗者は以下の通り。EUの対米貿易は3380億ドル(約43兆5000億円)増加する見込み。米国からのエネルギー輸出が主なけん引役で、東南アジア諸国連合(ASEAN)やアフリカ、中東、インドとの合計貿易額も伸びるとされた

米中貿易は630億ドル減少する見通し
 EUと中国の貿易は720億ドルの増加にとどまり、伸びが鈍化すると予想。「過去に比べて緩やかな増加」になるとBCG
 ロシアの対中国貿易は900億ドル増、対インド貿易は200億ドル増の見通し
 最も貿易額を伸ばす見通しなのは東南アジアで、中国や日本、米国、EUを中心に計1兆ドル増と予想
 ASEANの対中貿易は4380億ドル増と、地域間の伸びとしては最大となる見通し>(以上「Bloomberg」より引用)




 世界経済予測では強気一本だったBloombergが引用記事で弱気を見せた。グローバル貿易が今後9年間は世界経済成長を下回る、というのだ。これまでウォールストリートに巣食う米国のハゲ鷹投機家たちは中国のグローバル貿易取引と、その関係企業に投資することで利益を上げてきた。だが、その局面が変わる、と初めて予測した。
 だが、中国のグローバル貿易の成長は2020年を以て終焉していた。云うまでもなく、武漢肺炎の世界的な大流行と、それに対処するために「世界の工場」で製造していたマスクや防護服などの医療物資を先進自由主義諸国が輸入しようとしたが、中共政府によって邪魔された。

 挙句の果てが高騰したマスクや医療品を自国企業が製造する中国から高値で輸入する、という事態に見舞われた。これで中共政府の正体を先進自由主義諸国が知ることになった。同時に、それが「中国リスク」だと認識した。
 グローバル世界では国家間の信頼関係は欠かせない。そのことを武漢肺炎の世界的な蔓延で、世界諸国は強く認識しリスク回避の行動に出た。2020年以前から中国人労働者賃金の上昇により、中国から撤退する企業はあったが、2020年の武漢肺炎の蔓延が先進自由主義諸国の中国離れが決定的となった。

 Bloombergでは2023年の中国の貿易見通しを
「EUと中国の貿易は720億ドルの増加にとどまり、伸びが鈍化すると予想。「過去に比べて緩やかな増加」になるとBCG
 ロシアの対中国貿易は900億ドル増、対インド貿易は200億ドル増の見通し
 最も貿易額を伸ばす見通しなのは東南アジアで、中国や日本、米国、EUを中心に計1兆ドル増と予想
 ASEANの対中貿易は4380億ドル増と、地域間の伸びとしては最大となる見通し」
 と予想しているが、果たしてそれほど伸びるだろうか。その通りになれば中国の対米貿易630億ドルのマイナスを補って余りあることになる。つまり2023年の中国貿易額は増加に転じる、と予測していることになる。

 確かにロシア・インドとの貿易額は増加するだろうが、予測しているほどの増加を見せるだろうか。むしろロシアの対中貿易額は2022年がピークであって、2023年は先進自由主義諸国の経済制裁を恐れて、中国はロシアとの貿易取引を縮小せざるを得なくなるのではないだろうか。
 そしてEU諸国の主要企業も生産拠点を中国から東南アジアにシフトさせているから、2023年の対中貿易額は増加から減少に転じるのではないだろうか。
 中国の貿易額第一位の米国に次ぐ貿易相手国・日本との貿易額も確実に減少している。2023年は中共政府の日本国民へのビザ発給停止も相俟って、2022年よりも減少するのは確実だと思われる。それのみならず、損切りしてでも中国から日本企業が撤退する流れが強くなると思われる。なぜなら突然のビザ発給停止措置が日本企業に与えた「中国リスク」ショックは予想以上に大きいからだ。

 Bloombergの「ASEANの対中貿易は4380億ドル増と、地域間の伸びとしては最大となる見通し」という見通しの根拠は何だろうか。確かにオーストラリアに対中関係改善の動きが見られ、対中石炭輸出が再開されるかも知れないが、それも以前の規模に戻るかは疑わしい。
 アジア諸国が対中貿易額を増加させる動機は何だろうか。中國から撤退したグローバル企業がアジア諸国にシフトしているが、それらの輸出相手国の多くは先進自由主義諸国だ。中国は依然として所得の中間層を形成すべき富裕層形成は遅々として進まず、ゼロコロナ策の3年間で中国民は貧困化した。そして中国の富裕層は国外へ脱出している。中国共産党幹部たちも子弟の多くを米国や先進自由主義諸国に住まわしている。彼らは沈みゆく中国に見切りをつけたのではないか。いかに中共政府当局が強気の経済指標を発表し強気の見通しを騙ろうと、彼らは中国経済の本当の姿を知っている。民間企業を潰している習近平氏が国家主席である限り、中国経済に明るい未来などない。

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