マンション価格の暴落は。
<21世紀の現代、世界経済は緩やかにつながっている。お互いに、そこそこ影響し合っているのだ。不動産市場についても、そういった傾向がみられる。
約1年と少し前の2021年の後半、中国のマンション・バブルが崩壊し始めた。大手のデベロッパーがデフォルトに陥ったのだ。昨年は中国で「住宅ローンを支払っているのにマンションを引き渡してもらえない」という人々の、悲惨な状況を伝えるニュース記事を何度も見かけた。
実のところ、あの国では実際にどういう状況になっているのか、今ひとつよく分からない。報道規制や検閲があるのも大きな障壁だが、中国の地方政府が正確な情報をメディアはおろか中央政府にも報告していないと推測される。
だから、トップである習近平氏も正確な現況を把握していないのではないか。恐ろしいことである。
一説には「人口14億人の国で34億人分のマンション建設が計画された」とか、「誰も住んでいないマンションが1億戸ある」などという記事も、わりあいメジャーなサイトで見かける。要は、正確な統計データがないので、憶測記事が乱れ飛ぶのだ。
しかし、本来の実需に対して数倍以上のマンションが供給された、あるいは供給されようとしたのは事実のように思える。その結果、バブルが崩壊しているのだ。
約1年と少し前の2021年の後半、中国のマンション・バブルが崩壊し始めた。大手のデベロッパーがデフォルトに陥ったのだ。昨年は中国で「住宅ローンを支払っているのにマンションを引き渡してもらえない」という人々の、悲惨な状況を伝えるニュース記事を何度も見かけた。
実のところ、あの国では実際にどういう状況になっているのか、今ひとつよく分からない。報道規制や検閲があるのも大きな障壁だが、中国の地方政府が正確な情報をメディアはおろか中央政府にも報告していないと推測される。
だから、トップである習近平氏も正確な現況を把握していないのではないか。恐ろしいことである。
一説には「人口14億人の国で34億人分のマンション建設が計画された」とか、「誰も住んでいないマンションが1億戸ある」などという記事も、わりあいメジャーなサイトで見かける。要は、正確な統計データがないので、憶測記事が乱れ飛ぶのだ。
しかし、本来の実需に対して数倍以上のマンションが供給された、あるいは供給されようとしたのは事実のように思える。その結果、バブルが崩壊しているのだ。
お隣の韓国でもマンション・バブルが崩壊している様子が伝えられてきている。文在寅(ムン・ジェイン)前政権の失策続きで、ソウルのマンション価格が約2倍に高騰したらしい。しかし、今では下落に転じたとか。めいっぱいの借金で物件を購入した層が、金利上昇による返済負担増で苦境にあえいでいる様子が伝わってくる。今年は個人破産の激増がありそうだ。
ベトナムでは経済の高度成長下で不動産バブルが生じたらしい。ハノイやホーチミンでは、平均年収の20倍もするマンションが売り出されて、好調に売れていたという。だが、最近ではそれが崩壊して、値下がりが始まったとも聞く。
日本でも東京の湾岸エリアのタワーマンションは平均年収の20倍くらいの価格設定だが、それなりに好調な売れ行きが続いている。購入しているのは、値上がり狙いの「転売ヤー」さんたちと、世帯年収が1000万円を超えるパワーカップル。
今年は近隣諸国のマンション・バブル崩壊が、日本にも波及するかもしれない。この10年続いた東京都心とその周辺の緩やかなバブルも、いよいよ終わりを迎えそうだ。
黒田東彦(はるひこ)日銀総裁が始めた異次元金融緩和は、すでに10年。これが日本の局地的な急騰の原因で、ちょっと長すぎた。
1970年代のフォークソングではないが「長すぎた春」もそろそろ終わりを迎えるべきだろう。年収の10倍以上、場合によっては20倍もする物件が売れる市場は、どう考えても普通ではない>(以上「夕刊フジ」より引用)
ベトナムでは経済の高度成長下で不動産バブルが生じたらしい。ハノイやホーチミンでは、平均年収の20倍もするマンションが売り出されて、好調に売れていたという。だが、最近ではそれが崩壊して、値下がりが始まったとも聞く。
日本でも東京の湾岸エリアのタワーマンションは平均年収の20倍くらいの価格設定だが、それなりに好調な売れ行きが続いている。購入しているのは、値上がり狙いの「転売ヤー」さんたちと、世帯年収が1000万円を超えるパワーカップル。
今年は近隣諸国のマンション・バブル崩壊が、日本にも波及するかもしれない。この10年続いた東京都心とその周辺の緩やかなバブルも、いよいよ終わりを迎えそうだ。
黒田東彦(はるひこ)日銀総裁が始めた異次元金融緩和は、すでに10年。これが日本の局地的な急騰の原因で、ちょっと長すぎた。
1970年代のフォークソングではないが「長すぎた春」もそろそろ終わりを迎えるべきだろう。年収の10倍以上、場合によっては20倍もする物件が売れる市場は、どう考えても普通ではない>(以上「夕刊フジ」より引用)
世界中の不動産バブルが崩壊とはいわないが、マンションを中心に弾けそうだ。それを記事にしたのは榊淳司氏(住宅ジャーナリスト)だ。
ここ二十年間ばかり、世界的に金融緩和策が採られていた。しかもグローバル化により先進自由主義諸国の企業が海外展開して、アジアに不動産バブルの下地を作った。その中心は中国だったが、今ではベトナムやタイなどの東南アジアへシフトしている。
だが、それら不動産バブルの中心はマンションだ。日本でも東京でバブルさながらに価格が高騰しているのは東京首都圏だ。一戸建の人気はあるものの、既に手の届かない価格になってしまったのか、不動産バブルの中心はマンションだ。
しかしマンションにそれほど高い価値があるのだろうか、という疑問が絶えずある。なぜなら東京の土地が高騰したといっても、タワーマンションなら坪単価が数百万円しようが高層階の階数で割り算すれば一坪当たりの価格はせいぜい数十万円にしかならない。
さらにコンクリートの値段は全国どこでも大して変わらない。高層マンションだからといって異なるのは高性能コンクリートと鋼材の価格くらいだ。普通の生コンと高性能コンクリートとの価格差は倍近くするが、目玉が飛び出るほどのものではない。(普通の生コンが1㎥16,700~19,300円なのに対して、高性能コンクリートは19,00~27,300円 2016年調査)
確かに基礎工事は通常のマンションよりも費用が掛かるし、免震構造にする必要からダンパーの設置などにも建設費用が嵩む。だがそれにしても、すべてを積算しても億ションと称するほどの高価格にはならない。そうするとマンション業者にとってタワーマンションは儲かる宝の山ということになる。ただし、すべて完売すればの話だ。
しかも建てたマンションは、いつかは解体しなければならない。その費用は誰が負担するのか。いや建て替える前に大規模修繕が発生する。ことにタワーマンションでは共同溝ならぬ共同管に各種配管が詰め込まれているし、高速エレベータの改善修理も必要となる。
様々な理由から、マンションが現在のような高額商品になっているのは「投資」目的が多分にあるからではないかと思わざるを得ない。そうするとマンション価格は一種の投機商品としての価格を含めたものになっているのではないか。恰も「乗り物」としての価格よりも、「乗る自分」としてのステータス価値が加わった高級外車の価格のように。そうだとすれば、マンション価格が一夜にして暴落することもあり得るのではないか。
「住む空間」として「家」を捉えるなら、マンションは必ずしも快適とはいえない。利便性を求める対価として安全性や快適性に目を瞑っている。安全性に関しては「火事」を例にとれば、家屋が火事になる%はある程度見込まれるだろう。そうだとするなら一戸建ての家が何層にも重なった集合住宅の方が火事になる確率が高くなるだろう。快適性に関しても自分の家の上や下や両隣に別の家屋が壁や天井などのコンクリート板一枚で接しているから、家屋の構造上接している家屋の生活音を全く遮断するのは困難だ。
コンクリート板一枚で接している隣人の生活音が気になりだしたら、決して快適とはいえないだろう。さらに近年流行りのDIYリフォームを趣味にする人にとってマンションは絶望的だ。第一壁一枚にしても、簡単に撤去することは出来ない。構造体の梁や柱を弄れないのは一戸建ても同じだが、少なくとも「絶対に無理」ではない。いわばデジタルとアナログに似た相違がマンションと一戸建てにはある。その違いに気づいた時、マンション価格は暴落するだろう。少なくとも、気付いた本人の価値観では。