除染土を首都圏にばら撒いてはならない。

<東京電力福島第一原発事故後に福島県内の除染で出た汚染土の再利用に向けた実証事業が首都圏3カ所で計画されている問題。事業主体の環境省は既に2カ所で住民説明会を開催したが、参加者からは「周知が不十分」などと不満の声が相次いだ。対象を近隣住民に限定したことにも批判が集まる。そもそも必要性が疑問視される事業だけに「住民の理解」が欠かせないはずだが、最初のプロセスでつまずいた。(加藤益丈、梅野光春、鈴鹿雄大、小川慎一)

 汚染土の再利用 福島県内の除染で回収された汚染土は、東京電力福島第一原発周辺の中間貯蔵施設(大熊町、双葉町)に約1336万立方メートルが保管されている。国は土壌の放射性セシウム濃度が1キロ当たり8000ベクレル以下の土を公共工事などで再利用する方針で、総量の4分の3を占める。実証事業では花壇や芝生広場、駐車場などに利用し、覆土して露出しないようにする。汚染度の高い残りの土は2045年までに県外の最終処分場に搬出する方針だが、場所は未定。
「周知の方法で十分でなかった部分もあるかなと認識している」。21日夜、実証事業の候補地の一つである新宿御苑(東京都新宿区)の説明会後、現地で取材に応じた環境省の新井田浩参事官は反省を口にした。
 定員50人の説明会の参加者は28人。汚染土を埋める予定の花壇に近い新宿1、2丁目の住民(約550世帯)に対象を限定した。環境省は区を通じて地元自治会長に相談し、説明会のチラシを70枚ほど渡すなどしたという。
新宿区環境対策課の小野川哲史課長は「まずは直近の住民に説明すべきだと環境省に伝え、今回の形になった。1回で終わりとは思っていない」と明かす。
 もう一つの候補地、環境調査研修所がある埼玉県所沢市では、16日に説明会があった。環境省はここでも対象を近隣住民(約1200世帯)に限り、自治会の掲示板での告知やチラシ配布で周知を図った。定員50人は超えたものの、参加者は56人。所沢市環境対策課の担当者は「希望すれば参加できるような、開かれた形で説明してほしい」と、追加の説明会を環境省に要望したという。
 とはいえ、いずれの説明会でも地元自治体の影は薄い。新宿区と所沢市は7月までに環境省から事業の説明を受けたが、候補地となったことは公表しなかった。新宿区の小野川課長は「事業実施が決まったわけでないので考えなかった。区では事業内容を説明できない。環境省が責任を持ってやることだ」と区の対応に理解を求めた。



 こうした現状を環境省はどう受け止めているのか。西村明宏環境相は23日の閣議後会見で「追加の説明会を含め、自治体と相談しながら今後の検討をする」と追加の説明会の開催に前向きな姿勢を示した。事業開始の前提となる「住民の理解」を得たかどうかは、「環境省として丁寧な説明をする中で判断していく」とした。
 今回の実証事業は、膨大な汚染土を福島県外でも再利用することで減らし、最終処分場の確保につなげるためのステップ。西村氏は「実証事業は、再生利用を本格化する上で重要」と強調する。しかし、必要性を問う声は根強い。新宿の説明会に参加した男性(77)は「安全性に問題がなく後ろめたくないなら、多くの人に説明する場を改めて設けるべきだ」と訴える。
 住民の理解を得るプロセスで慎重さを欠けば、再利用の計画自体が揺らぐ。実証事業の3候補地は国立環境研究所(茨城県つくば市)を含めて全て同省所管の施設の敷地内で「他でも検討しているが、まだ決まっていない」としている>(以上「東京新聞」より引用)




 除染土の処分が問題化している。国は「東京電力福島第一原発周辺の中間貯蔵施設(大熊町、双葉町)に約1336万立方メートルが保管されている。国は土壌の放射性セシウム濃度が1キロ当たり8000ベクレル以下の土を公共工事などで再利用する」方針を決めたという。その具体的な処分方法として「花壇や芝生広場、駐車場などに利用し、覆土して露出しないようにする」というのだ。
 何処へ移すのかが具体的に示され、その場所として上げられ三ヶ所のうち、新宿御苑が問題化している。なぜなら「事業主体の環境省は既に2カ所で住民説明会を開催したが、参加者からは「周知が不十分」など」と不満の声が寄せられているからだ。

 国や地方自治体は「通達行政」と云われ、一通の「書類」で行政を進めている。だから住民に対しても掲示板等に「通達」文を掲示して告知すれば済む、と考えていたのだろうか。しかし住民は一片の通達文で理解できない。
 ましてや除染土を生活圏内へ運び込まれる者にしたなら、通達の告知で済まされては敵わない。放射能は健康に被害を与えないのか。除染土の上を厚さ30センチほど土で覆えば放射線は遮断できると説明しているが、それは本当なのか。どの程度の放射能なら30センチの土で遮断できるのか。そうした線量と具体的な遮断率の説明もなく「安全だ」というのでは納得できない。

 そもそも「安全」だというのなら、東電が福一原発から拡散した放射性物質だから、東電の敷地内で埋設保管すべきではないか。それなら汚染土が処分されていることを知らないで、誰かが地面を掘り返すといった最悪の事態は避けられるだろう。
 本来ならば東電の各施設へ移すのでもなく、福一原発構内に保管して最終処分地が見つかるまで管理すべきだ。環境省の施設へ移すのも納得出来ない。環境省と原発と何の関係があるというのか。それともCO2を出さない原発が出した大量の放射性物質なら環境省が引き受ける、というのだろうか。

 またぞろ岸田氏は原発の再稼働と再建設を発言した。「喉元過ぎれば熱さ忘れる」とはこのことだろうか。ニワトリ程度の記憶力しか持たないのだろうか、この男は。福一原発の水素爆発で、どれほどの住民が苦しみ、そして今も苦しんでいるか、10年経過しただけで忘れ去ったのだろうか。
 福一原発の溶解して底の抜けた原子炉から1gもデブリは回収されていない。未だに水中で溶解した核燃料は固まることなく高熱と殺人放射線を発している。とても人間が制御できる代物ではない。さらに放射性廃棄物の最終処分場(ただの「保管・管理場」をそう呼んでいる)すら決定していない。原発がトイレのない高級マンションと呼ばれている所以だ。

 福一原発内の構内に巨大なコンクリートのピラミッドを建設して、すべての除染土をその中に保管したらどうだろうか。そうすれば遠方からでもピラミッドが見えるだろう。「あれが除染土の山だよ」と人々は眺めて、原発の恐ろしい記憶を忘れないようにしてはどうだろうか。

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