国会議員は「政権」という金魚のフンか。

<岸田総理大臣の会見で、反撃能力の保有を初めて明記し、16日に閣議決定された安全保障戦略の大転換となる“防衛関連3文書”について説明を行いました。この文書の閣議決定に至るまでには43兆円に増額される防衛費の財源を巡り、増税議論が混迷しました。岸田総理がここまで結論を急いだ背景には来年1月に控えた、ある人との約束があったことが分かりました。

 「防衛増税」を巡り、自民党内は揉めに揉めましたが…。
  岸田総理大臣:「与党の税制調査会において約1兆円強について法人税、所得税、たばこ税により確保する方針をお決め頂きました」
  結局は宮沢税調会長一任という形になり、16日に自公で2023年度税制改正大綱を決定しました。ただ、やはり納得のいっていない面々もいます。 
 自民党・和田政宗参院議員:「我々は最後まで増税なき防衛費増額のために戦っていく」  自民党・高鳥修一衆院議員:「安倍元総理がご存命であれば、岸田総理は安倍元総理に相談したはず。でも安倍元総理が亡くなったことで相談する、気兼ねするという必要性もなくなった」 
 高鳥衆議院議員など増税に対して“異論”や“不満”を表明していたなかには党内最大派閥・安倍派の所属だったり、安倍元総理と近かったりした議員も目立ちます。その反対のトーンを収めた“ある動き”があったといいます。
  ジャーナリスト、白鴎大学名誉教授・後藤謙次氏:「きのう決着しましたが、おとといの夜に大きな動きがあった。重要な会談があったと聞いている。この会談で、安倍派の動きが止まったと見ています」 
 その会談、誰と誰との会談だったのでしょうか。 
 ジャーナリスト、白鴎大学名誉教授・後藤謙次氏:「これはですね、首相動静等には全く出ていないんですが、おそらく夕方以降、岸田総理が公邸に引き上げた後に森喜朗元総理と会談をしている。これ確認取れていますから間違いないことなんですが、この森元総理が今、事実上97人の安倍派に強い影響力を持っている」
  安倍派のパーティーに参加した時の森元総理のあいさつです。
  森喜朗元総理:「正直申し上げて、これだけの数がそろった派閥は、ほとんど私が作ったんですから。それは間違いないんです」
  ジャーナリスト、白鴎大学名誉教授・後藤謙次氏:「(Q.頼ったのが森元総理だった?)多分そうだと思います。今回この税調議論を見てても麻生副総裁と茂木幹事長の影は非常に薄くて、あくまで脇役でしかなかった。森さんが11月に岸田さんと会合した時も、岸田政権を全力で支えるということを伝えてそれを実行に移したんだと思う。つまり安倍派の萩生田さん、世耕さん、西村経済産業大臣等々に、『岸田総理を支えていけよ』ということを伝えて、これまで振り上げた拳を、幹部クラスが徐々にトーンダウンしていって、あの集約に持ち込んだと。ただそこでも手ぶらで降りられないので、いつ実行するかについては来年決めましょうというところで妥協をしたという面はあると思います」 
 今回決定した大綱では、法人税は4%から4.5%を上乗せ。所得税は復興特別所得税を1%引き下げる代わりに防衛財源として1%を上乗せ。たばこ税は1本あたりの税額を3円引き上げるとしています。ただ、実施する時期は2024年以降の適切な時期として明記しませんでした。  自民党・柴山昌彦衆院議員:「それだったらなぜ、この年末の税制大綱に、そういった内容のものを何が何でも入れなければいけないのかということについては、私はやはり疑問符を付けざるを得ない」
  一体なぜ、岸田総理は年内にこだわったのでしょうか。 
 ジャーナリスト、白鴎大学名誉教授・後藤謙次氏:「取材から浮かび上がってくるのは明らかに締め切り時間がありました。つまり締め切りから逆算してこの年末には決着しなきゃいけないと。その締め切りは何なのかと言うと、1月に検討している訪米があると思います。今回の防衛力増強についても岸田さんが最初に口にしたのは今年の5月来日したバイデン大統領、この会談の後の記者会見だったんですね。そのお土産を持ってワシントンに行かねばならない」
 「防衛力増強」というアメリカへのお土産。岸田総理がそのための増税方針を表明したのは、わずか8日前のことです。なぜここまで唐突で、駆け込みのような形になったのでしょうか。 
 ジャーナリスト、白鴎大学名誉教授・後藤謙次氏:「臨時国会は旧統一教会問題があって、会期末の12月10日までギリギリ追いまくられてしまった。予習時間がないまま本番の試験が出てしまった。そこでポンと43兆円という規模を示して、その中身を詰める議論に入った」>(以上「テレビ朝日」より引用)




岸田総理“防衛増税”急いだワケ…突然止まった「安倍派の反発」」という記事があった。読物としては面白いし、そうした理由から年末に殆ど国会で真偽も何もしない「防衛増税」を決めたのだろうが、ジャーナリストを自称する者が「読物」を提供して終わりでは情けない。
 むしろ国民不在で増税を決める政権を批判すべきではないか。10年間43兆円という防衛費増を決めて、それで現物を吟味すらしないで来月にも米国へ兵器を爆買いしに行く、というのでは余りに節操がないではないか。

 日本の防衛を預かる防衛省から防衛大綱に明記した防衛戦略上必要不可欠な装備の購入計画が上がって来て、それに基づいて防衛予算増の規模を決めた、というのなら話は理解できる。しかし唐突に「防衛予算増43兆円」と岸田氏が言い出したのには違和感しかない。
 彼は43兆円で装備する兵器の全体計画と、その戦略上の位置づけを理解しているのだろうか。彼は国会で防衛官僚の助けなしに答弁できるのだろうか。バイデン氏との会談の土産代わりに「兵器爆買い手形」を持参するために国民にさらなる税負担を求め、復興予算の半分を防衛費に回すというのだろうか。

 岸田氏は「防衛は国民の責任だ」という認識をお持ちのようだ。その真意がバレて、慌てて自民党のホームページを訂正させたという。もとより「国防」は防衛省や政府が責任を持つべきであって、そのために国民主権の権利を国会議員に付託しているのだ。
 敵基地攻撃とは国際的な認識では先制攻撃だ。日本は敵を先制攻撃できる国になる、というハードルをいつ乗り越えたのだろうか。そうした議論を選挙前に提起して、国民の審判を仰いだだろうか。

 しかも防衛費をGDP2%に倍増するというが、自衛隊定数の倍増なき防衛予算の倍増は装備費予算の数倍増を意味する。その詳細は「防衛倍増予算の使途の内訳を出す方が先ではないか?」の中で記述している。
 「丁寧な議論」も「丁寧な説明」もなく、唐突に国民負担を伴う「強引な決定」を自民党内の内輪の議論と都合でしてしまった。こんな低俗な政党が日本の巨大与党だというからお先真っ暗だ。そもそも国会議員は国会で議論するのが主たる仕事ではないのか。

 五輪疑惑塗れの元国会議員が統率する「安倍派」が自民党の第一派閥だというから情けない。メダカはとかく群れたがる、というが国会議員諸氏はメダカ以下に成り果てている。なぜ国会議員として、岸田政権から国会の平場で議論すべき、と注文の一つ付けないのだろうか。
 いま国会議員が急ぐべき課題は消費者物価高騰から電気などの公共料金再々引き上げ、という経済成長なきインフレ対策ではないのか。そのためにこそ汗を流すべき国会議員が防衛費とはいえ増税議論にかまけているとは。増税は景気の足を引っ張る、という政治のイロハすら理解していないのだろうか。経済的に見ても、民間に回るべきカネを政府が徴税として奪い取るのだからコロナ禍から府経済復興しようとしている人々の足を引っ張ることになる。そうした簡単な事すら忘れて、この年末の繁忙期に岸田氏の渡米土産を用意してやるとは。呆れるのを通り越して涙が出る。

このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。