日本の経済成長と防衛産業を潰す「亡国岸田自公政権」。

自民党政調を飛び越えて
 毎日のようにめまぐるしく状況が変化しているので、今回は防衛増税の経緯をまとめておこう。
 政府内では、9月30日、国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議が設置され、11月22日に報告書が出された。
 同報告書では《防衛力の抜本的強化のための財源は、今を生きる世代全体で分かち合っていくべきである。》とされ、《国債発行が前提となることがあってはならない。》とされている。
 先週の本コラムでは、防衛費増額の財源として、12月8日、岸田首相は与党に対し所得税を除く形で税制措置を検討するよう指示し、10日の記者会見で「国債でというのは、未来の世代に対する責任として採り得ない」と述べたことまで書いた。
《来年度からの国民の負担増は行わず、令和9年度に向けて複数年かけて段階的な実施を検討。》
《税制部分については与党税制調査会において税目、方式など、施行時期を含めて検討するようお願いする。》
 しかしこの手順はおかしい。自民党政調を飛び越えて、税調に検討させているからだ。それに危機感をもった萩生田政調会長が政調全体会議を開催した。そこではかなりの反対意見がでている。こうした議論は政府に伝えられ、それを踏まえて税調での議論となったはずだ。

まだ書かれていない「増税措置」

 13日からは税制小委員会が開催された。ここで防衛力強化基金の創設が政府から説明された。これについては、先週の本コラムで《こうした資金は、防衛費を区分経理するための常套手段であり、財源確保のために増税の一歩手前だ。》と書いた。
 この税制小委員会での政府資料では、《歳出改革、決算剰余金の活用、税外収入を活用した防衛力強化資金(仮称)の創設に必要な法制上の措置については、次期通常国会に提出予定の財源確保に係る法案に規定。》と書かれている。14日の政府資料でも同じ表現だ。
 16日には、自民・公明両党が2023年度税制改正大綱をまとめた。
その中で、
《6.防衛力強化に係る財源確保のための税制措置
わが国の防衛力の抜本的な強化を行うに当たり、歳出・歳入両面から安定的な財源を確保する。税制部分については、令和9年度に向けて複数年かけて段階的に実施することとし、令和9年度において、1兆円強を確保する。具体的には、法人税、所得税及びたばこ税について、以下の措置を講ずる。
(1) 法人税
法人税額に対し、税率4~4.5%の新たな付加税を課す。中小法人に配慮する観点から、課税標準となる法人税額から500万円を控除することとする。
(2) 所得税
所得税額に対し、当分の間、税率1%の新たな付加税を課す。現下の家計を取り巻く状況に配慮し、復興特別所得税の税率を1%引き下げるとともに、課税期間を延長する。延長期間は、復興事業の着実な実施に影響を与えないよう、復興財源の総額を確実に確保するために必要な長さとする。
 廃炉、特定復興再生拠点区域の整備、特定復興再生拠点区域外への帰還・居住に向けた具体的な取組みや福島国際研究教育機構の構築など息の長い取組みをしっかりと支援できるよう、東日本大震災からの復旧・復興に要する財源については、引き続き、責任を持って確実に確保することとする。
(3) たばこ税
3円/1本相当の引上げを、国産葉たばこ農家への影響に十分配慮しつつ、予見可能性を確保した上で、段階的に実施する。
以上の措置の施行時期は、令和6年以降の適切な時期とする。》
 とされている。
 さすがに、2023年度税制改正の具体的な内容に、これらの増税措置は書かれていない。また、小委員会で政府から説明された財源確保にかかわる法案についても書かれていない。

一縷の望み

 さて、防衛増税は決まったかといえば、筆者の感覚では「ほぼ決まり」だ。筆者は、17日大阪朝日放送「正義のミカタ」にリモート出演したが、次のようなフリップを出した。
 これまでは財務省の完勝であり、このままで増税が決まりだ。下段に書いた「大逆転?!」は、はっきりいえば単なる願望にすぎない。
 一縷の望みは、財源確保にかかわる法案の扱いだ。その法案について、政府(岸田政権)は次期通常国会に提出予定としている。実施時期は確定しないが、この法案に増税措置が盛り込まれるはずで、次期通常国会の提出が決まれば、防衛増税は確定する。
問題は、同法案がどのような政治プロセスで扱われるのか、だ。
 つまり、年末の予算などともに閣議決定されるが、その前に与党プロセスがどうなるか。政調・総務会の了承を得るのが通例であるが、今回のやり方は通常でないほど強引だった。
 政調でどこまで審議できるか。かつての自民党であれば、全議員参加の「平場」でしっかり議論されるはずだが、どうなるだろうか。
 防衛費増について、岸田政権でも一部認めた建設国債対象経費をさらに拡大できるかどうか、先週の本コラムでも指摘した一般会計に計上されている債務償還費(2022年度15.6兆円)を含め特別会計の埋蔵金をさらに出せるか──それで増税は必要なくなるはずだが──そうした議論が自民党内でまともにできるかどうか、岸田政権が問われている>(以上「現代ビジネス」より引用)



 髙橋 洋一(評論家)が「財務省が完勝した防衛増税、こうすれば「大逆転」でひっくり返る」と題する論評を掲載した。元大蔵官僚だった高橋氏には財務省の増税戦略が読めるのだろうか。それにしても自公政権は日本を衰亡させようとしているとしか思えない。
 なぜなら経済成長を始めようとすると、その足を引っ張って日本を30年間もゼロ成長の国にして来たが、岸田自公政権も先輩諸氏に倣って日本を衰亡させようとしている。恰もそうすることが使命でもあるかのように。

 もとより増税は経済成長の減速策だ。外国から大量の武器購入することは国内の防衛産業潰しでしかない。物事にはそうした「表裏」の裏の部分があることを忘れてはならない。
 ことに所得増税や消費増税は貧困層を直撃する。政府は富裕層増税、と称して年収30億円以上の高額所得者に増税措置を講じるという。日本に年収30億円を超える対象者は200~300人いるという。しかし、なぜ途方もない高額所得者への増税なのだろうか。せめて年収1億円以上に課税範囲を広げてはどうだろうか。あるいは1億円以上にすると増税措置が政権内部や高級官僚に及ぶから、30億円以上としたのだろうか。

 安倍自公政権が多用した「閣議決定」を岸田自公政権も防衛費倍増と増税に関して利用したようだ。国会審議もなく、自民党内の議論もなく、政府で勝手に決めるというのは如何なものだろうか。
 さらに、増税がもたらすデフレ効果に関して、経済政策の専門家たちの意見を聞いたのだろうか。専門家からなる「諮問委員会」に諮ったというが、メンバーを見れば複数のマスメディア代表者と御用学者の集まりでしかない。日本の主要マスメディアは「再販制度」と「電波法」により、すっかり懐柔されている。国民から顔を背けて財務省にゴマを擦ってばかりで、少しも恥ずかしくないのだろうか。

 これから日本経済を再生するために、コロナ禍から脱却して成長路線を歩まなければならないが、岸田自公政権は安倍自公政権と同様に増税議論で消費マインドに冷や水を浴びせた。そして防衛産業に「お前たちを相手にしていていない」と明確なシグナルを送った。これほど愚かな政権があるだろうか。
 既に国内で100社以上が防衛事業から撤退したという。永遠に米国の「下駄の雪」になるのならそれでも良いかも知れないが、先の大戦の教訓を忘れたのだろうか。一国に深入りすると碌なことはない、という教訓だ。食糧自給という「食糧防衛」と同様に防衛産業の育成という「装備防衛」も忘れてはならない。それが日本の経済成長の一翼を担うカギであることを忘れてはならない。

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