対中策に筋を通せ。

<対面では、およそ3年ぶりに行われた日中首脳会談は、笑顔で始まりました。握手と表情から見えてくる、習近平国家主席の本音を分析しました。
■岸田総理「相手の反応は申し上げない」
 日本時間17日午後8時40分すぎに開催された、日中首脳会談。

 習主席:「ニーハオ」
 岸田文雄総理大臣:「習主席、きょうは直接会談できますことを、大変うれしく思っています」
 習主席:「きょうは、ゆっくり話しましょう。きのう来たんですか。それとも、きょう、バリ島から来たのは」
 岸田総理:「そうですね、ええと、本日こちらに移動してきました」
 習主席:「私もです」
 中国の習主席は終始、柔らかい表情を見せていました。
 習主席:「私は岸田総理と対面で会談することができて、非常にうれしいです。新時代のニーズに合った中日関係を築きましょう」

 およそ45分間の会談を終えた岸田総理は、次のように話しました。
 岸田総理:「日中関係の大局的な方向性とともに、課題や懸案、協力の可能性について、率直かつ突っ込んだ議論ができたと感じています」
 しかし、記者団から習主席の発言や反応について問われると、会談の詳細について語ることを拒否しました。
 岸田総理:「(Q.習主席はロシアの核使用も反対との考えを示した?)先方の発言については、詳細を私から申し上げるのは控える。これは国際会議の常識であります」「(Q.尖閣諸島および台湾情勢について懸念を表明されたが、相手の反応は?)だから、相手の反応は申し上げません」

■習主席 公の場で…カナダ首相に“苦言”
 その背景には、この出来事があるのかもしれません。
 日本時間の16日に閉幕したG20サミットで、習主席がカナダ・トルドー首相に珍しく公の場で苦言を呈した場面です。
 習主席:「適切ではない」
 通訳:「会談内容が新聞に漏れています。不適切です」
 習主席:「会話の内容が違います」
 通訳:「会話の内容が違います」
 習主席:「誠意があるなら、我々は誠実に対話します。そうでなければ、結果は知りません」
 トルドー首相:「カナダは自由で率直な会話をしたいし、今後もそうしたい。建設的な努力は続けますが、見解が異なることもあります」
 習主席:「まずは条件。条件を整えなさい。それでは」

 実はこの2人は、前日におよそ10分間の非公式会談を行い、トルドー首相は中国がカナダの選挙に干渉した疑惑について、懸念を示したと報じられています。
 非公式会談は行われたことも公表されていませんが、複数のメディアが報道。これを受け、習主席はトルドー首相に抗議したとみられます。
 習主席は最後に握手をし、笑顔も見せましたが、明らかに表情は硬く、口調も強いものでした。

■専門家「中国のなかで日本の重要度上昇」
 一方、14日に行われた米中首脳会談では、バイデン大統領が両手で握手し、親密さをアピールすると、習主席も腰に手を添えて笑顔を見せていました。
 中国政治に詳しい専門家は、次のように話します。
 拓殖大学 海外事情研究所・富坂聰教授:「中国外交というのは、トップが笑うか笑わないというのも、習近平主席だけで決めているわけではないんですよね。ほぼアメリカと同じレベルで、笑っていましたので。日本の重要度が中国の認識のなかで、上がっている感じがしますね」>(以上「「グッド!モーニング」2022年11月18日放送分より」より引用)




 10月26日の全人代で中国共産党の完全掌握を確立し、習近平氏は三期目を確実にした。実に鄧小平時代に確立した主席は「二期十年まで」という原則を破った瞬間だった。
 さらに鄧小平氏が「改革開放」を百年は続けるように、と遺した言葉を習近平氏は三十年足らずで反故にした。そしてトップ・セブンを習近平氏の元部下や元秘書で固めたことにより、習近平氏は絶大な権力を手に入れた。

 しかし裏返せば、失政は一身に習近平氏の責に帰されることになる。誰のせいにすることも出来ないし、民衆からの批判はすべて習近平氏に集約される。独裁者の地位を固めて初めて、習近平氏はそうした事実に気付いたのだろう。それほどに、習近平氏は政治家としてポンコツだ。
 困難に直面している経済の統括を江沢民派か胡錦濤派に任せていれば、習近平氏は経済崩壊の責任を彼らに負わせることが出来たはずだ。しかし、すべて習近平氏のイエス・マンで固めてしまった。そのことを中国民も知っている。

 いくら習近平氏がポンコツだとしても、「改革開放」時代の中国の経済発展を否定することは出来ない。確かに外国投資と外国企業進出で中国経済は発展した。12億国民が飢えから解放されたのは鄧小平氏が始めた「改革開放」策の成果だ。
 習近平氏の2期十年間で「改革開放」時代に達成した経済力を濫費してしまった。鳴り物入りで設立したAIIBや「新シルクロード」や「一帯一路」政策はことごとく失敗した。さらに、米国に並ぶ軍事大国になるべくハリボテの兵器を大量に揃えた。カタログ性能では米軍を遥かに凌駕する軍事大国だが、実体は段ボールを固めたような空母や軍艦や航空機ばかりだ。そうした実態の欠片をウクライナに軍事侵攻したロシア軍のポンコツ兵器などから、習近平氏は悟ったのではないか。悟らないとしたらポンコツもここに極まれり、だ。

 現在の中国は最先端技術の粋たる半導体生産はもとより、軍艦を動かすディーゼルエンジンすらマトモなものすら造れない。だから中国の軍艦や空母は黒々とした煙を吐き、全力航行は数十分たりともできない。中国が誇る空母ですら航行距離は限られ、日本近海をウロウロしているだけだ。
 電磁カタパルトを装備した、と誇る空母に到っては未だに電磁カタパルトにカバーをしたままだ。原子力でない通常動力の空母で電磁カタパルトは運用できない、というのは常識だが、中国は原子力空母の建造が出来ない。

 「改革開放」策で中国が溜め込んだ経済力は習近平氏の10年間であらかた使い果たしてしまった。習近平氏は「改革開放」なき三期目を迎え、経済崩壊している中国に直面している。
 だから習近平氏は岸田氏に笑顔を見せるしかない。独裁体制を固めて初めて、自身のポンコツぶりと取り巻きたちのポンコツに気付いたのだろうか。「戦狼外交」で先進自由主義諸国の政府要人を相手に怒鳴り散らすしか能のなかった王毅氏がいかなる外交手腕を発揮するのか見ものだ。願わくば、対中策で筋を通す政治家が日本政府の中枢に欲しいが、何処を見渡してもハニトラ・ポンコツばかりでは心もとない。せめて習近平氏の気色悪い笑顔に騙されないでいて欲しいものだが。

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