ドローンで挑発して何を手に入れるつもりなのか。

< 台湾軍は30日、中国の海岸に近い台湾領内の島付近を旋回していた中国の無人航空機(ドローン)に威嚇射撃を行った。軍の報道官が明らかにした。

こうした威嚇射撃が行われたのは初めて。
 金門防衛司令部の報道官によると、実弾は午後6時(日本時間午後7時)前、二胆島に接近したドローンに向け発射された。ドローンはその後、中国に戻ったという。
 ドローンへの威嚇射撃に先立ち、台湾の蔡英文総統は、台湾は「中国の挑発行為」に自制を示すものの、必要ならば「強力な対抗措置」を取ることもできると訴えていた>(以上「REUTERS」より引用)



 過日も中国は台湾領の金門島にドローンを飛ばして挑発行為を行った。その際、台湾守備隊はドローンに発砲せず、石を投げて追っ払った。
 そのドローンが撮影したと思われる映像がSNS上に拡散し、台湾守備隊の最新兵器は「投石だ」と台湾守備隊を嘲笑う書き込みが殺到していたという。

 性懲りもなく、中国はまたドローンを台湾領へ侵入させたようだ。それに対して台湾守備隊は実弾を威嚇発砲した。また一段階、中台軍事衝突へ近づいた。
 台湾領へ侵入したドローンは恐らく中国人民解放軍のものだろう。なぜなら対岸の福建省とは10㎞も離れていないが、10㎞の海を越えて飛来する高性能のドローンを民間人が所有しているとは思えないし、中国側からといえども金門島へドローンを飛ばすことが許されているとは思えないからだ。

 かつて中台対立の最前線として金門島は大陸と激しい砲撃戦を繰り返していた。改革開放が実施されて以来、金門島は中国人観光客が多く訪れる「観光地」として中国に門戸を開いて来た。2001年には廈門(アモイ)からの船便が解禁され、最初の年は951人だった中国人客が、2017年には35万人にまでになっていた。当時、台湾側で対中国政策を担当する閣僚として交渉に当たったのが、2016年に総統となった蔡英文氏だった。
 2018年8月には福建省側から金門島へ水を供給する海底送水管が開通して記念式典が開かれた。その後は電気の供給が期待され、金門島の中国依存は高まっていた。2019年には約250万人の旅行者が金門島を訪れ、そのうちの約41%が中国本土からの旅行者だった。そして、旅行者数は今後も増え続けると予想されていた。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、20年2月から両岸関係は一時中断しており、フェリーや飛行機の直行便も全て欠航し、今年20周年を迎える小三通(福建省と金門島3島の間では従来から「通航、通商、通信」の直接往来が認められているが、それを「小三通」と呼ぶ)に暗い影を落としている。

 習近平氏の中国は先人が台湾との窓口を開き、台湾の投資と産業の中国進出を積極的に受け容れてきた。現在でも最先端の半導体では台湾に大きく依存している。米国の対中制裁政策により台湾からの7nm半導体輸入が閉ざされ、Huaweiはスマホ製造を諦めざるをえくなった。
 それだけではない。おそらく中共政府は宇宙開発に不可欠なロケットや各種制御装置、さらにはミサイルなど精密兵器の製造に支障をきたしているだろう。習近平氏がTSMCを喉から手が出るほど欲しがっているのが理解できる。しかし、それならばこそ、中国は「戦狼外交」ではなく、もちろん韜光養晦(とうこうようかい)「才能を隠して、内に力を蓄える」という人を欺く政策ではなく、真に親善友好な国家になることが望まれる。

 戦争は何も生まない、ということがウクライナで日々実証されている。戦争で生まれるのは悲惨な現実と憎悪の念だけだ。
 中国が台湾を侵略したとして、中国は何を手にするだろうか。むしろ中国は台湾進攻に失敗して、多くの中国人の命を失い、国際社会での信頼を失い、世界で孤立するだけではないか。中国民はそうした中国の未来を望んでいるのだろうか。

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