対中デカップリングを急げ。

<「一帯一路構想」の一環である、中東欧諸国との経済協力枠組み「17+1」。スロバキアも抜ける可能性が浮上。長年、ロシアに苦しめられてきた国々にとって、ロシアの侵略行為を糾弾しない姿勢は受け入れがたい>

「17+1」は、中国が一帯一路構想の一環として10年前から主導してきた中東欧など17カ国との経済協力の枠組みだ。
 だがバルト海沿岸のエストニアとラトビアは8月11日、この枠組みからの離脱を発表。これによって昨年5月に離脱したリトアニアと合わせてバルト3国が全て不在となり、さらに中国に批判的なスロバキアなどの国々も後に続く可能性がある。
 こうした動きは、ロシアのウクライナ侵攻をめぐる中国の対応への不信感の表れだ。かつてロシアの帝国主義に苦しめられた中東欧諸国にとって、ロシアの侵略行為を糾弾せず、NATOに責任を押し付けようとする中国政府の姿勢は受け入れ難い。
 中国外交への逆風はそれだけではない。一帯一路では計画の不履行や参加国の「債務の罠」が大きな問題となっている。「17+1」でもハンガリーとセルビアを結ぶ鉄道や発電施設の建設が大幅に遅れており、中国離れの流れを変えるのは容易ではない>(以上「NEWS week」より引用)



 先進自由主義諸国の中国離れはロシアのウクライナ侵攻があったらではない。2021年3月に米国アラスカでブリンケン米国務長官と中国の外交担当トップ、楊潔篪(ヤン・ジエチー)共産党政治局員らが会談してからだ。
 その会談は冒頭から楊潔篪氏がブリンケン氏に噛みついて会談冒頭10分ほどの記者取りが喧々諤々の応酬が90分に及び、中国の「戦狼外交」が露わになってからだ。まさに非常識ともいえる中共政府の高飛車な態度に世界中が仰天した。

 それこそが中共政府の本性だ、と先進自由主義諸国が理解した。そして日米の骨折りでWTOに参加させ、日米欧の企業や投資家たちが中国に巨額な投資をして、中国経済発展に寄与してきたが、「自分たちは間違っていたかも知れない」と鬼っ子を育ててしまった過ちに気付いた。
 遅ればせながら、日本政府は対中ODAの廃止を決めた。それまで経済後進国の中国に日本政府は様々な援助をして来た。北京の地下鉄環状線や北京空港などから全国各地の社会インフラなど、日本は無償援助で建設してきた。そして現在でも日米が主要出資国のアジア開発銀行の最大融資国は中国だ。厚かましいにも程があるし、日本の財務省OBのアジア開発銀行総裁は何を根拠に中国に融資し続けていたのだろうか。親中派も好い加減にしないと、母屋まで奪われてしまいかねないではないか。

 中国がアジアやアフリカや中南米で推進して来た「一帯一路」が融資の罠だと、東南アジア諸国やアフリカ諸国が気付き始めた。「一帯一路」で港湾開発し、国家破綻したスリランカは中共への返済を中止してしまった。
 そして「一帯一路」と並ぶ中共政府の世界戦略の一翼を占める「新シルクロード」も引用記事にある通り頓挫している。中国の利益誘導策に釣られて、従順な中国の羊と化していた東欧諸国すら自主外交に目覚めて、中国の「新シルクロード」策と距離を置き出している。

 これもロシアによりウクライナ侵略戦争の効果というべきではないか。云うがままに中国の政策を受け容れていたら、旧ソ連の支配当時の恐怖が支配する社会が再来するのではないか、という悪夢が甦って来たのではないだろうか。
 ことにバルト三国が強く中国に反発している。彼らは強権的な態度には強く反発するようになっている。小国ゆえに、強く反発し戦う姿勢を見せなければ呑み込まれてしまう、という危機感がバルト三国には常にあるようだ。かくして、「戦狼外交」に転じた中国は東欧諸国や旧ソ連の衛星国から拒否されてしまった。それに対して、中国はそれなりに「制裁」を課すつもりだという。そんなことをさせてはならないし、横暴な中共政府を世界の大国としての振舞い方を躾けなければならない。そのために、先進自由諸国は中国経済を減速させ衰退させる対中デカップリングを急がなければならない。

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