NATOの会議に日本が参加した意義は大きい。

<北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議が28日夜、スペインの首都マドリードで開幕した。29日には、今後10年間の行動指針となる新たな「戦略概念」を採択し、ウクライナを侵略したロシアを事実上の敵国と認定した。中国についても欧米への「組織的な挑戦」を突きつけていると初めて明記し、NATOは冷戦後最大の転換点を迎えている。

 NATOの戦略概念の改訂は冷戦後4回目で、2010年以来となる。
 ロシアは破壊的な手段で直接的な支配の確立を試みているとして、米欧の安全保障への「最も重大で直接的な脅威」と位置づけた。現行の戦略概念では、ロシアを「戦略的パートナー」としており、NATOの危機管理の指針を大きく転換させた。ただ「NATOは対立を求めず、ロシアに脅威を与えることはない」として、防衛体制強化による抑止力を追求する方針を改めて示した。
 中国については「多岐にわたる政治的、経済的、軍事的な手段を使って、力を誇示しようとしている」と覇権的な行動のリスクに言及した。経済面でも「重要インフラや戦略物資を握ろうとしている」と強調した。欧州とインド太平洋の安全保障は不可分として、日本、韓国、豪州、ニュージーランドとの協力強化を推進する方針だ。
 29日午後~30日には具体的な戦略も協議される。欧州東部の防衛体制を大幅に見直し、強化を図る方針を打ち出す。安全保障上の危機が起きた際に出動する「即応部隊」を現在の4万人規模から30万人以上まで増員する考えだ。

 NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は29日の首脳会議で「ロシアや中国のような権威主義体制が、ルールに基づく国際秩序に挑戦している。NATOは組織を強化する」と訴えた。
 ウクライナ支援策には、長期の軍事支援を強調し、旧ソ連製が主流のウクライナ軍の兵器をNATO基準に近づけることを含めた「包括的支援」策も盛り込む。29日の会議には、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領がオンライン形式で出席し、追加支援を訴えた。
 スウェーデンとフィンランドのNATO新規加盟を巡っては、反対していたトルコが28日、北欧2国と首脳協議を開き、加盟を認める覚書に署名した。北欧2国は、トルコが求めるクルド人勢力らの引き渡しなどに応じる。これにより、29日の首脳会議では、北欧2国の加盟申請が全会一致で認められ、近く、加盟に向けた手続きが始まる>(以上「読売新聞」より引用)



 新聞に「NATOがロシアを敵国認定、中国の「組織的な挑戦」初明記…首脳会議で新たな「戦略概念」採択」との太字の見出しが躍っている。北大西洋条約機構(NATO)の首脳会議が28日夜、スペインの首都マドリードで開幕し、ウクライナを侵略したロシアを事実上の敵国と認定した。
 ソ連崩壊以後、NATOは事実上の開店休業状態だった。ロシアに対して、欧米各国は友好的な外交を展開し、ロシア経済が国際社会に復帰するのを援助した。実際に、ロシアへの外国投資や外国企業の進出は中国ほどではないにしても、ロシア経済の発展に資していた。

 しかしプーチン氏が全てをブチ壊した。NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長が指摘するように「ロシアや中国のような権威主義体制が、ルールに基づく国際秩序に挑戦している」ため「NATOは組織を強化」せざるを得なくなった。
 ソ連が崩壊して、対立から緊張緩和へと向かっていた世界を、プーチン氏が戦争の世紀へと逆戻りさせた。NATOが「ロシアは破壊的な手段で直接的な支配の確立を試みている」と規定するまでもなく、ウクライナでロシア軍が行っている破壊と殺戮を見れば明らかだ。米欧がロシアを安全保障への「最も重大で直接的な脅威」と位置づけるまでもない。

 そしてNATOが初めて中国に言及し、中国は「多岐にわたる政治的、経済的、軍事的な手段を使って、力を誇示しようとしている」と、覇権的な行動のリスクに言及したという。これは中国を除く東南アジア諸国にとって朗報だ。
 米国が中心となってインド・オーストラリア・日本が一致してアジア・インド洋の安全保障を担おうとしているが、欧州の自由主義諸国で構成されるNATOが加わればアジア・インド洋の安全保障はより効力を増すだろう。中国は経済協力できる「仲間」ではなく、中国は「多岐にわたる政治的、経済的、軍事的な手段を使って、力を誇示しようとしている」と覇権的な行動のリスクを欧州世界が認識したのは初めてた。そして経済面でも「重要インフラや戦略物資を握ろうとしている」と、中国の野心に気付いたのも大きい。ことにドイツは中国に強く肩入れし、中国のスポンサーと化していたため、ドイツが中国から手を引けばその経済的影響は大きいだろう。

 ロシアと中国は1mmずつ侵略を続けてきた。欧米世界が何処まで許容するのか、観測気球を放ってきた。ロシアは中央アジア諸国やジョージアからクリミア半島へと版図を広げてきた。中国は南シナ海から東シナ海、さらには日本の尖閣諸島へと触手を伸ばしてきた。
 しかしロシアがウクライナ全土の侵略を目的とする19万もの軍隊をウクライナへ侵攻させたことで、遂に虎の尾を踏んでしまった。ウクライナをロシアが軍事力で支配するのは欧州諸国にとって許されることではなかった。NATOを蹴散らすつもりが、逆にNATOを結束させ強化させてしまった。プーチン氏の世界戦略はこの時点で既に潰え去っている。

 ロシアの蛮行を手厳しく批判できなかった中国もまた、帝国主義的な手法で世界制覇を信奉する独裁専制主義国家だと先進自由主義諸国から明確に認識された。習近平氏にとって、最初の転機はトランプ氏の登場だったが、ロシアのウクライナ侵攻が先進自由主義諸国の対中策をハッキリと転換させた。
 トランプ氏とポンペイオ氏がタッグを組んで対中デカップリングを始めたが、それを仕上げたのは皮肉にもロシアのプーチン氏だった。日本にとってこれ以上の朗報はない。先進自由主義諸国が対中デカップリングで歩調を合わせれば、中国は「改革開放」以前の中国に逆戻りするしかない。いかに中国が「世界の工場」であったとしても、それは先進自由主義諸国あっての「世界の工場」だ。「張子の虎」経済の「張子の虎」の中身が空っぽだったことを世界はこれから知ることになる。日本のも雲霞の如くいた中国礼賛・経済学者たちも親中派の輩でしかなかったことに、日本国民も気づくだろう。欧米・日本との経済協力関係が絶たれれば、中国は経済力のない貧困国家へと逆戻りするしかない。その方が世界は安全なのだ、とやっと認識したようだ。未だ日本国内にいる親中派・経済人たちは一日も早く中国の出店を畳んで、国内へUターンさせることだ。

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