政治は国家と国民のためにある。財務省や富裕層のためにあるのではない。
<「日本は2%台を維持している」──。物価高騰の抑制をアピールする岸田首相の意に反し、身の回りの品物はもっと上がっているとの実感を抱く人も多いはず。すでに「生活費」物価指数は4%台に上昇。消費税が生活苦に加勢している。
◇ ◇ ◇
4月の消費者物価指数(生鮮食品を除く)の上昇率は前年比2.1%。しかし、日経新聞が食料品(飲料含み酒類除く)と光熱費・家賃・住居費を合成した「生活費」物価指数を計算すると、4月は前年比4.4%増と15日付1面で報じていた。
4月時点で生活費の上昇率は、岸田首相が強調する「2%台」の2倍に達したわけだが、値上げラッシュはまだ序の口だ。
「4月まではウクライナ戦争前の原油高や資材価格の高騰を受けたもの。戦争の影響が末端価格に波及するのはこれからです。価格転嫁が進めば、秋以降には消費者物価指数の上昇率が10%台になってもおかしくありません」(経済ジャーナリスト・井上学氏)
加えて、厄介なのが消費税だ。岸田首相は消費減税を完全否定。税率を維持すれば、物価上昇率1%につき約2000億円も国民負担が増える計算だ。
89カ国が付加価値税減免
コロナ禍以降、各国は日本の消費税にあたる付加価値税の減税を進めてきた。ドイツは付加価値税の標準税率を19%から16%へ、軽減税率を7%から5%に引き下げ。英国も飲食や宿泊、娯楽産業の付加価値税を20%から5%と4分の1に下げた。中国や韓国も中小企業に対して付加価値税の納税減免を実施した。
13日の参院決算委員会で大門実紀史議員(共産)は、付加価値税の減税を実施・予定している国は、昨年3月の56カ国から89カ国に激増していることを指摘。物価高騰下の消費税率維持は、世界に逆行している。
「低所得者ほど負担が重くなる付加価値税は、コロナや戦争など“有事”には引き下げるのが世界の常識なのに、岸田政権はスルー。15日から年金の支給額が減額されましたが、諸外国は物価上昇に対応して増額しています。これほど弱者をいじめる政権は世界でも岸田政権くらいでしょう」(税理士で立正大法制研究所特別研究員の浦野広明氏=税法)
15日の会見で岸田首相は「有事の価格高騰」と口にしたが、物価対策の中身は空っぽ。大半が既存の仕組みで実現できる「平時」の対策だ。
参院選で自公を勝たせたら、国民生活はボロボロになる>(以上「日刊ゲンダイ」より引用)
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4月の消費者物価指数(生鮮食品を除く)の上昇率は前年比2.1%。しかし、日経新聞が食料品(飲料含み酒類除く)と光熱費・家賃・住居費を合成した「生活費」物価指数を計算すると、4月は前年比4.4%増と15日付1面で報じていた。
4月時点で生活費の上昇率は、岸田首相が強調する「2%台」の2倍に達したわけだが、値上げラッシュはまだ序の口だ。
「4月まではウクライナ戦争前の原油高や資材価格の高騰を受けたもの。戦争の影響が末端価格に波及するのはこれからです。価格転嫁が進めば、秋以降には消費者物価指数の上昇率が10%台になってもおかしくありません」(経済ジャーナリスト・井上学氏)
加えて、厄介なのが消費税だ。岸田首相は消費減税を完全否定。税率を維持すれば、物価上昇率1%につき約2000億円も国民負担が増える計算だ。
89カ国が付加価値税減免
コロナ禍以降、各国は日本の消費税にあたる付加価値税の減税を進めてきた。ドイツは付加価値税の標準税率を19%から16%へ、軽減税率を7%から5%に引き下げ。英国も飲食や宿泊、娯楽産業の付加価値税を20%から5%と4分の1に下げた。中国や韓国も中小企業に対して付加価値税の納税減免を実施した。
13日の参院決算委員会で大門実紀史議員(共産)は、付加価値税の減税を実施・予定している国は、昨年3月の56カ国から89カ国に激増していることを指摘。物価高騰下の消費税率維持は、世界に逆行している。
「低所得者ほど負担が重くなる付加価値税は、コロナや戦争など“有事”には引き下げるのが世界の常識なのに、岸田政権はスルー。15日から年金の支給額が減額されましたが、諸外国は物価上昇に対応して増額しています。これほど弱者をいじめる政権は世界でも岸田政権くらいでしょう」(税理士で立正大法制研究所特別研究員の浦野広明氏=税法)
15日の会見で岸田首相は「有事の価格高騰」と口にしたが、物価対策の中身は空っぽ。大半が既存の仕組みで実現できる「平時」の対策だ。
参院選で自公を勝たせたら、国民生活はボロボロになる>(以上「日刊ゲンダイ」より引用)
先日支給の年金が減額された。原油価格高騰と円安というダブルのインフレ要因に見舞われ、日本は景気後退期のインフレという最悪の事態を迎えようとしている。それにも拘らず岸田自公政権は消費税停止どころか減税にすら応じようとしない。
欧州諸国をはじめ世界ではインフレに対応して85ヶ国が付加価値税の減税を実施している。「税」とは何か、という根本的な考え方が日本政府は狂っている。日本政府は「税」とは財務省の「歳入」を支える財源だ、という考え方で固まっている。もちろん政府収入の財源に違いないが、むしろ「税」は景気動向やインフレ・デフレに応じて機動的に政府がハンドリングできる「政策」だ。
「政策」であれば、国民生活がインフレに見舞われているのなら消費税率をインフレ率と同率下げれば消費者が支払う物価上昇は±ゼロとなる。それが「税」本来のあり方だ。
岸田自公政権の硬直的な消費税のあり方にはウンザリする。どうして政権与党の政治家はこれほどのバカ揃いなのか。政治は国家と国民のためにあるのであって、財務省のプライマリーバランスのためにあるのではない。
失策実支給の年金が引き下げられたが、モーニングショーに登場していたコメンテータ達は異口同音に「若者に対する高齢者の年金負担を少しでも減らすためにはやむを得ない」と述べていた。彼らは一回出演すると大卒初任給ほどのギャラを手にする恵まれた人たちだ。その恵まれたポストをフイにしないために、テレビ局に不都合な発言など決してしない。
かくして、テレビをはじめとするマスメディアは財務省が発表する「その手」の説明を垂れ流し、「見識」を有すると思われるコメンテータたちのバカげた見解により「そうた゜ったのか」と国民は洗脳されている。年金支給は若者が納付する保険料が財源だ、というのは飛んでもない詭弁だが、それが堂々と罷り通っている。
そもそも「税」は年金支給などの社会保障のために徴収している。タックス・インカムは年老いて働くことが出来なくなった人たちの老後を支えるための制度だ。しかし元々国民年金などはなかったし、厚生年金などもなかった。あったのは薄給の公務員に報いるために退職後の「恩給」制度があっただけだった。
「恩給」は一時期「共済年金」と呼ばれていた。現在では厚生年金会計に統合されたが、公務員に対する特別待遇の三階建ての仕組みは温存されたままだ。年金が社会保障であるなら、社会保障の大原則「負担は応能、支給は一律」に徹すべきだ。年金格差が国民年金と厚生年金とで三倍以上も格差があるのは社会保障とは言い難い。
日刊ゲンダイが「「弱者いじめ」の岸田政権!世界でも稀にみる“スカスカ”物価高対策、消費減税スルー&年金減額の愚」という見出しの記事を掲載した。他の新聞にこうした見出しを見かけることはない。すべては岸田政権と財務省の広報誌と化している。
しかし政治は国家と国民のためにある。決して財務省のためにあるのではないし、ましてや富裕層のためにあるのではない。世界的な問題は富裕層の肥大と格差拡大だ。世界の富豪1%が世界の富の82%を占めている。つまり世界の99%の人たちが残り18%の富を奪い合っているという極端な格差社会になっているのが問題だ。幸いなことに日本では世界のように極端なことになってはいないが、富の偏在は看過できない問題になっている。そして岸田自公政権は富の偏在を是正するのではなく、「投資促進」と称して富裕層への優遇税制となっている配当所得減税を廃止しようとはしない。歪なガソリン税もトリガー条項を発動しようともしないで、石油元売り大企業に補助金を支出したと誤魔化している。こんな政権が続いては国民は格差拡大し、貧困層はますます貧困化するだけだ。断っておくが貧困層とは人生の敗者とは限らず、若い女性も含まれていて彼女たちの自殺が増大していることを忘れてはならない。