「明日の希望」を国民に示せない野党に存在意義はない。

せっかくひと肌ぬいで
 立憲民主党の小沢一郎衆院議員(79)は3月12日の講演で、党執行部を真っ向から批判する発言を展開した。昨年の衆院選で敗北した責任を取って辞任した枝野幸男前代表(57)の後任を決める代表選では、泉健太氏(47)の支持に回り代表就任への流れを作った。いわば現体制の生みの親である小沢氏が批判に転じたワケとは?

 2月27日、東京都内のホテルで行われた立憲の党大会に小沢氏の姿はなかった。一兵卒を自認する小沢氏ならこの年に1度のお祭り的な催しに顔を出してもよさそうなものだが……。あるいは、「自分ほどの大ベテランが顔を出すこともない」と高をくくっていたのだろうか。
「スネていたという人もいますし、泉はダメだと小沢さんが見限ったからだという人もいます。“せっかくひと肌脱いで(泉氏を)代表にしてやったのに、その後は手のひらを返すように(小沢さんの)意にそわないことを重ねている”と思っているようですね」
 と、政治部デスク。泉氏は昨年、代表就任のあいさつで、「47歳の新しい船長に就任をいたしました」と述べたうえで、同じ年のころに枝野氏が官房長官、小沢氏が自民党幹事長として活躍していたことにあえて触れ、「若すぎるということはございません」と語っていた。

小沢氏と泉氏との約束
「小沢さんの力や支援なしには泉氏は代表になれなかったわけだから、小沢さんたちのグループを処遇するのが当然なのに、それがほとんど見えないんですね。『男女同数』の執行部を謳って幹事長に西村智奈美参院議員を起用しましたが、小沢さんにとって彼女が機能しているようには見えない。強いパイプのある共産党との共闘にも前向きではないどころか後ろ向きですし」(先のデスク)
 2016年にスタートした共産との共闘(野党統一候補)をめぐっては、昨年10月の衆院選において217小選挙区で一本化したものの、62勝155敗の結果に。立憲最大の支持母体・連合会長からも明確な「NO」を突きつけられており、泉氏にとっても共産との共闘は悩ましいテーマなのだ。
 もっとも、別の記者が「小沢さんは泉さんが約束を反故(ほご)にした件で怒っており、面会も拒否しているようです」と言うから穏やかではない。
「どうも、小沢さんが代表選で泉さんを支援する代わりに、夏の参院選に向けた総合選挙対策本部での要職への起用を求め、泉さんもそれを了承していたようなのですが、党内で様々な反対にあってなかなか決断できないまま時が過ぎ、結局、総合選挙対策本部に小沢さんの名前はありませんでした」(同)

ジェンダー平等とか多様化とか
 先に触れた2月27日の党大会は、総合選挙対策本部の幹部らのお披露目の場でもあった。
「小沢さんとしてはプライドを傷つけられた格好で、そこに出かけて行く気にはならなかったのでしょう。その後は表立って執行部批判をするようになっています」(前出・記者)
 その1つが冒頭の講演でのひと幕だ。ざっとこんなことを訴えたという。
《立憲民主党が主張するジェンダー平等とか多様化とか、それがどういうことなのか、ほとんどの国民が答えられない。わからないようなことを政治家が言っても仕方がない》
《かつて民主党は「国民の生活が第一」を旗印にしていた。国民の皆さんには非常にわかりやすいテーマだ。自分だけわかったつもりで言っても、聞いている人が全然理解できないのでは意味がない》
《国民の期待が立憲民主党にないのはなぜか。それは国民の胸に響く主張、訴えをしないから。そういう意味で、その時々の流行に乗るべきではない》。
 前出・記者によると、
「厳しい批判の言葉が続きましたし、何より小沢さんが大事にして折に触れて使ったり、自身が代表を務める政党名に使ったりした『国民の生活第一』という言葉が出たのには驚きました」

参院選敗北をすでに見据えて
 小沢氏の狙いとは何なのか?
「党内で最大勢力の旧社会党系のグループにアプローチしているという話もありますし、夏の参院選後に泉執行部の退陣を迫る腹づもりかもしれませんね。岸田政権はパッとしませんが、野党の体たらくはそれ以上で、参院選で自公が負けるシナリオはなかなか想定できません。選挙敗北となれば泉氏らはその責任を問われることでしょう」(先のデスク)
 もっとも、小沢氏自身、昨年の衆院選では小選挙区で落選し、重複立候補していた比例に救われた身だ。
「そんな小沢さんに、党内政局を支配する力があるのかといぶかる声も少なくありません」(同)
 権力闘争が極まれば、お家芸の分裂となりかねない>(以上「ディリー新潮」より引用)



 今更、という感が深い。立憲党は衆議院選で深刻な敗戦を期し、いかように党を立て直すのかが問われている。しかし泉代表は相変わらずの党バランスに腐心している。
 その最たるものが連合に忖度して共産党と距離を置こうしていることだ。バカバカしいにもほどがある。連合あっての立憲党ではなく、立憲党あっての連合でなければならない。組織率が正規労働者の17%でしかない連合に鼻面を引き摺り回されいてどうするのか。

 さらに流行言葉の「ジェンダー平等とか多様化とか」という言葉に振り回されては党として情けない。役員の○○%を女性にする、などという発言自体が女性差別だ。実力があれば男女など無関係だ、と胸を張っていれば良い。世間と迎合していては政治は出来ない。
 なによりも泉氏に足りないのは「明日への希望」ではないか。野党が国民に呼びかけるべきは「明日への希望」でなければならない。チマチマとした政策など政治理念さえしっかりと語れば自然と出て来る。

 小沢氏が「国民の生活が第一」とは政治理念としてこれ以上のものはない。国民は自公政権下で長く続くデフレ経済下で貧困と格差拡大に喘いできた。だからこそ「国民の生活が第一」というスローガンは国民の胸を打つ。
 そのために何をすべきか。「国民の生活が第一」がスローガンなら、やるべき事は確かな経済成長を実現して、GDPを拡大し人手不足の危機感をすべての企業経営者が抱くようにすることだ。そうすれば企業経営者は労働者の待遇を改善して「非正規」ではなく、「正規」労働者として雇用するだろうし、賃上げも行うだろうし、何よりも生産性向上に必死で努力するだろう。

 人手不足こそが生産性向上の契機となる。そして生産性の向上なくして経済成長はあり得ない。先の衆院選では「分配」が先か「利益」が先かというバカバカしい議論に大の大人が熱中していた。経済成長なくして賃上げはないし、経済成長のためには「人手不足」が必要だ。高度経済成長期は一貫して人手不足だった。
 連合の鼻面を引き摺り回されるなど愚の骨頂だ。正規労働者の17%ほどしか組織していない連合などを当てにしないで、立憲党がすべての労働者の拠り所となる「ナショナルセンター」を創設すればよい。非正規労働者も連合も共産系の労働組合も、すべてを包含する組織作りに乗り出す度量なくして政権交代など出来ない。その際に旗振り役を任せられるのは小沢一郎氏以外にはない。立憲党は「働く者の政党」になるべきだ。すべての「働く者」のために全力を尽くす政党として国民にアピールすべきだ。

 この夏の参議院選でいずれかの野党が自公政権に取って代わるほどの議席獲得は一切期待できない。政権交代を現在の野党に託すのも困難だ。維新や立民は自公政権に擦り寄り、現政権の補完政党に成り果てている。
 立憲や共産は「自己満足」政党と化している。野党間で連携して自公政権と対峙しようとする、野党として最低限の活動すらしないで、もっぱら言いたい放題を主張して自己満足に終始している。野党連合や野党連携を成すには自己満足政党から脱皮して、国家と国民のための政治を目指さなければならないが、野党にそうした政治家として期待できるのは小沢一郎氏を措いて他にないが、当の小沢一郎氏に働く場すら用意できない立憲党では如何ともし難い。

 「国民の生活が第一」というスローガンでは小沢色が強い、というのなら「国民所得倍増」でも良い。根底に経済成長なくして安保なし、経済成長なくして貧困からの脱却なし、という政治理念さえ確立していれば良い。
 いずれにせよ、野党は国民に「明日の希望」を示せなければ存在意義はない。また「明日の希望」のためなら、すべての野党は連帯して自公政権と戦える。自公政権は30年近くもデフレ経済で終始し、無能な経営者と無能な労働組合のための政治を行ってきた。貧困層に転落した国民の我慢もそろそろ限界に近付いている。この夏以後の総選挙を目指して、小沢一郎氏の許に野党再編が起きるのを期待する。

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