日大の闇は晴れたのか。

<脱税の罪に問われた日本大学前理事長・田中英寿被告(75)の初公判が、午後2時から、東京地裁で行われた。法廷で田中被告は、裁判長から職業を問われると「無職です」と答えた。そして罪状認否では「起訴内容について争う気はありません」と述べて、起訴内容を認めた。

 起訴状などによると、田中被告は、日大の理事長を務めていた2018年と2020年に、日大と取引のあった建設会社などから、「祝い金」名目で受け取ったリベートなどおよそ1億2000万円を隠し、およそ5200万円を脱税した、所得税法違反の罪に問われている。 
 日大をめぐっては、付属病院を舞台とした背任事件で、東京地検特捜部が、2021年9月、強制捜査に着手。田中被告の側近だった日大の元理事・井ノ口忠男被告(64)と医療法人グループ前理事長の籔本雅巳被告(61)が逮捕・起訴された。背任事件で、日大が受けた損害額は、4億円以上にのぼった。 この捜査の過程で、田中被告の自宅から、およそ2億円の現金が見つかり、特捜部は、その後、日大の出入り業者からリベートなどを受け取っていたと認定。11月、田中被告を脱税容疑で逮捕した。 
 この事件では、田中被告の妻が資金管理を担当していたことが明らかになり、脱税への関与も浮上した。田中被告は、当初、逮捕容疑を否認していたが、妻が罪に問われかねないことが分かると、「申告しなければいけない金だった」と一転して認めた。 この点について検察側は、初公判の冒頭陳述で、田中被告が、「井ノ口被告らが日大関連で利益を受けていることへの謝礼の趣旨で、妻を介するなどして現金の供与を受けていた」と指摘した。 
 田中被告は日大相撲部出身で、大学卒業後は相撲部総監督に就任。2008年、日大理事長に就任すると、13年間に渡って、その座に君臨し、“日大のドン”と呼ばれるようになった。逮捕後、田中被告は理事長を辞任したが、日大は、田中被告に対して、損害賠償を請求する方針>(以上「FNNプライムオンライン」より引用)



 いかに私学とはいえ、大学が「金儲けの場」になっていたとは残念でならない。学長ではなく、理事長という経営者の立場とはいえ、企業経営者ですら経営者の立場を利用して私腹を肥やすことは許されない。ましてや学問の府で「私腹を肥やす」など言語道断だ。
 田中氏は大学の理事長という自覚が決定的に欠落していたのではないか。進学して来た日大制に対して、入学式や卒業式で田中前理事長はいかなる言葉をかけて来たのだろうか。適任とは言い難い人物が日本最大の私学の理事長に就任したのか、田中氏の理事長就任までの足取りを知りたくなる。

 私学振興会はペナルティーとして今年度の私学振興資金90億円の交付を取りやめるという。それにより大学生が支払う学費などが値上げされるとしたら本末転倒だ。ペナルティーは私学振興会が日大の「黒い噂」に気付かなかった不明にあるのではないだろうか。
 日大ラグビー部の他校学生に重傷を負わせる不祥事が起きた時に、私学振興会は「そうした体質」が日大にあるのではないか、と気づかなかった点で観察眼が鈍いと指摘されても仕方ないだろう。事件などが起きた際には「氷山の一角」という自覚を持って調査すべきが常識ではないだろうか。

 理事による異常事態に対して、日大で自浄作用が起きなかったのはなぜだろうか。いわば取締役や代表取締役が逮捕されるという異常事態が日大という学問の府で起きたことに文科省は衝撃を受けていないのだろうか。
 贈収賄や背任横領が日常的に日本の明日の人材を育成すべき「大学」で起きていた、という事実に対して日本政府は不感症になっているのだろうか。そして理事長が「脱税事件」に問われているが、「脱税事件」は結果でしかないのではないか。

 つまり「脱税事件」が起きたのは世間に公表できない「稼ぎ」があったのではないか。公表できない所得だから隠蔽し、結果として脱税になったのではないか。検察は公表できない所得があったことと、その「稼ぎ」が日大理事長としての「地位の利用」にならないかを捜査したのだろうか。
 日大病院建設に関する工事費水増しによる背任横領事件に田中氏は理事長として関与していないのだろうか。理事長が関与していないところで病院建設工事費の水増し事件を日大理事が勝手に起こせるものなのだろうか。まだまだ真相解明に程遠いと思うのは私だけだろうか。

このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。