スーツの規定は必要だが、規定を運用する規定も必要だ。

<ノルディックスキー・ジャンプの混合団体(7日)で高梨沙羅(25=クラレ)ら5人の女子選手がスーツの規定違反で失格となった問題の裏に、一部選手による〝不正行為〟の常態化があったと指摘されている。

 高梨らを失格させたポーランド人判定員のアガ・ボンチフスカ氏は失格の判断について正当性を主張しているが、日本をはじめ、失格者を出したドイツ、オーストリア、ノルウェーで猛批判にさらされている。 
 そんな中、ポーランドメディア「PAP」によると、長年国際スキー連盟(FIS)でジャッジを務めてきたジャンプスーツの専門家であるタデウス・ショスタク氏が「厳正な処分は五輪のずっと前からやるべきだった。以前は機材管理の責任者がこれほどまでに厳しくなかった」と実態を明かした。 
 同氏はこう続ける。「これまできちんとやっていれば、フェアプレー精神が特に重要な五輪でこんなに失格者を出すことはなかった。この種目では、いかにしてジャッジを〝だますか〟ということまで実践されているのは周知の事実。ジャンパーは特定のことを避ける方法を教えられている」と暴露。スーツ検査の際に選手が検査官を欺こうとする行為が散見されていたため、五輪の大舞台で〝綱紀粛正〟を図ったというわけだ。 
 そして「この流れを止めるのは判定する者の役目で、ジャンプを本当のスポーツに戻すことができる」。ルールを厳格に適用して選手を失格としたボンチフスカ氏の判断を支持した。 
 もちろん高梨ら日本勢がショスタク氏の指摘する違反行動を行っているわけではないだろうが、悪質な〝すり抜け〟が横行していた実態が今回の問題の背景にあるようだ>(以上「東京スポーツ」より引用)



 規定を厳しく適用するのに異論はない。もちろん「規定」に反すれば失格とすべきにも異論はない。
 ただし、規定を適用するのに「運用規定」が必要ではないか。さもなければ気紛れで、或いは狙い撃ちで特定の選手を失格にすることが出来ることになる。

 私が言及しているのは今回の混合ジャンプ競技で発生した強豪選手の集団失格騒動だ。高梨選手が失格となった責任は彼女にはない。責任は彼女が着るスーツを用意したスタッフと、規定を厳密に適用した判定員にある。
 規定があることは周知していても、それをどのように運用するかを判定員は事前に選手や選手団スタッフに通知してなかったようだ。しかも判定員は全員を平等に「判定」したのではなく、ランダムに選んで判定して失格にしたという。こんなバカな話はない。

 ダブダブのスーツを着るとムササビの飛膜と同様の働きをして、飛距離が伸びるという。しかし厳寒期に裸で飛ぶわけにはいかないし、競泳スーツで飛ぶわけにもいかない。上下一体のスーツを着れば股下に何センチかの「余裕」が必要となる。女性の場合は2~4センチまで認められるが、高梨氏の場合は2センチほど長かったという。
 しかし高梨氏の話によるとスーツの測定方法が従来のものとは異なっていたという。しかも下着の一部まで脱がされて測定したという。こんないい加減な測定により日本選手の名誉が傷つけられ、成績が取り消されるとは何たることだろうか。

 スーツの余裕に規定があるのは理解できる。しかし規定を測定するのは飛ぶ事前に全員等しく測定すべきだ。飛んだ後に測定する理由は何だろうか。しかもランダムに。
 スポーツマンシップは判定員にも求められる。「怪しい者」を事後に摘発するかのように測定して「失格」にするとは言語道断だ。判定員は飛ぶ前にスーツを測定して、違反していれば是正を求め、是正されたスーツで競技を行うように指導するのがスポーツマンシップのあり方ではないか。「失格」選手の烙印を押すことが、いかに重大なペナルティーになるか、判定員は知らないのだろうか。
 規定があるのは必要だが、規定をいかに運用するのか、運用規定も事前に定めて周知徹底しておくべきだ。北京五輪は多くの場面で「残念」な大会だ。ことに混合ジャンプは言語道断というしかない。

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