「一帯一路」や「新シルクロード」といった白昼夢は消え去り、習近平政権に迫る不良債権の山。

<中国国家統計局によると、2021年の全国1人当たりの平均可処分所得は前年比9.1%増の3万5,128元(約63万3,000円)だった。物価変動の影響を除いた実質ベースの伸び幅は8.1%。うち都市部は8.2%増の4万7,412元、農村部は10.5%増の1万8,931元で、実質ベースはそれぞれ7.1%、9.7%伸びた。都市部と農村部の平均可処分所得の差は2.50倍となり、前年の2.56倍から縮まった。 

 全国1人当たりの平均消費支出は13.6%増の2万4,100元。実質ベースの伸び幅は12.6%。消費内訳は、◇食品・たばこ・酒:12.2%増の7,178元◇住居:8.2%増の5,641元◇交通・通信:14.3%増の3,156元◇教育・文化・娯楽:27.9%増の2,599元◇医療・保健:14.8%増の2,115元◇生活用品・サービス:13.0%増の1,423元◇衣類:14.6%増の1,419元◇その他用品・サービス:23.2%増の569元――。  都市部の平均消費支出は12.2%増の3万307元、農村部は16.1%増の1万5,916元で、実質ベースはそれぞれ11.1%、15.3%伸びた。  

■出生率が50年以降で最低 
 全国31省・自治区・直轄市の総人口(外国籍者など含まず)は21年末時点で14億1,260万人となり、前年末から48万人増加した。第一財経日報(電子版)によると、人口の1年間の純増数は1962年以来59年ぶりの少なさ。
  出生者数は1,062万人で、前年から138万人減少。死亡者数は1,014万人となり、初めて年間1,000万人を超えた。 
 人口1,000人当たりの出生数を示す出生率は7.52となり、前年(8.52)を下回った。出生率が10(1%)を割り込むのは2年連続で、21年は1949年の建国以来、最低を記録した。21~35歳の女性が1年間で約300万人減った上、結婚観の変化や新型コロナウイルスのまん延も出生率の低下を招いた。  21年末時点の都市部常住人口は9億1,425万人で、前年末から1,205万人増加。農村部は4億9,835万人となり、1,157万人減った。都市部人口が総人口に占める割合(都市化率)は64.72%。前年末から0.83ポイント上がった>(以上「共同通信」より引用)



 世界中で中共政府の国家統計局が発表する統計数字を信用する経済専門家が何人いるだろうか。習近平独裁政権により民間企業潰しが着々と進み、テレビショッピングのMCたちインフルエンサー(強い影響力を持つ者たち)が弾圧を受けて次々と表舞台から姿を消した。
 そうした中で外国企業の中国からの撤退が止まらず、有名な邦人企業だけでもブリヂストンやキャノンなどが撤退した。そしてユニクロも撤退の動きを見せている。

 2021年を改革開放から「文化革命」へと画期的な年にしたのは教育関係に対する「改革」だ。習近平独裁政権は英語教育を必修から外し、すべての学習塾を禁止した。それにより中国全土に1000万社あったといわれる学習塾が閉鎖となり、学習塾経営者や塾講師たちが失業した。
 そして習近平独裁政権は大学のカリキュラムにも切り込み、中国共産党の学習を義務付けた。科学技術の推進を図り、文科系の講座を削減した。

 不動産民間企業の崩壊は止まらず、国営企業が民間企業が保有している不動産商品を買い取るように勧め、不動産産業の国営化を推し進めている。それにより習近平独裁政権は不動産バブル崩壊とハードランディングを止めようとしているようだが、それは国営銀行の不良資産を膨らますだけだ。
 しかも習近平独裁政権は国庫の逼迫解消から不動産税と称する固定資産税の導入を試みている。2025年から全国で実施する予定で、試行として上海など一部の都市で今年から実施するようだ。少なくとも不動産行政を見る限りでも、既に習近平独裁政権は常軌を逸している。民間市場を活性化しないで不動産取引が活性化するわけがないし、不良資産化した不動産を処分するのに民間企業に代わって国営企業に不動産を付け替えるのでは政府が直接介入するのに近い。乱脈経営をした民間不動産企業が倒産するのは当然の報いだが、その不良債権化した不動産を国営企業が買い取るのは民間企業が抱える不良資産を不動産市場に再投入する手段として間違っている。

 ハードランディングは避けられないし、避けるべきでもない。不動産バブル崩壊が金融バブル崩壊を惹起するのは日本のバブル崩壊から学んだはずだ。その金融機関から「泥棒に追い銭」の国営企業に民間不動産を買い取る資金を貸し付けることは金融バブルを膨らますだけだ。しかも不動産税の導入により、国民が投資目的で保有している第二、第三の不動産住居に重税が課されるため、不動産税の支払いに耐えられなくなった国民が保有する第二第三の住居を「投げ売り」するのは目に見えている。
 いずれにせよ、国民の人口を上回る住居を建設してしまった不動産投資こそが常軌を逸していた。それを可能にした地方政府の不動産開発と投資に依存した財政運営こそが不動産バブルの元凶だった。地方政府が土地(厳密には50~70年の地上権だが)を民間不動産企業に売却するのが地方政府の主な財源であったことも異常で、社会主義国の体をなしていない。

 中国の国営企業は既に国際競争力を失っている。確かに中国に進出した外国企業から製造技術や製品のノウハウなどを奪ったが、それらを中国の国営企業に移植したところで「汎用製品」技術でしかない。外国企業も先端技術を中国へ持ち込むといった愚を犯さないからだ。
 しかも中国は中国へ進出して来た外国企業から「盗れるものを盗った」後はポイ捨てするかのように法令を改めて冷遇し、外国企業が儲けた利益を本社へ送金するのを妨げた。それだけではない、武漢肺炎が世界で蔓延した当初には外国企業が製造しているマスクなどの医療製品の工場からの出荷を禁止し、それらを中共政府が奪って戦略物質として利用した。こんな不誠実な独裁政権にいつまでも付き合う外国企業があるとは考えられない。トランプ氏が対中デカップリングを掲げたが、はしなくも中共政府が自らを世界からデカップリングしてしまった。

 中国の経済発展は「改革開放」という外資と外国企業進出によって「世界の工場」になることだった。つまり外国との交易を通してのみ実現可能な政策だった。しかし習近平独裁政権は勘違いした。自分たちは工業国として充分に世界的な製造技術と基礎科学を習得した、と思い込んだ。
 それで「韜光養晦(とうこうようかい)」策を廃して「戦狼外交」策に転じて、世界各国に咬みつき吠え立てた。欧米先進諸国ですら中国が吼えれば尻尾を巻くと考えた。しかし、それは余りにも傲岸不遜な想像でしかなかった。「一寸の虫にも五分の魂」という。小国リトアニアですら中共政府の恫喝を無視して台湾と交誼を結んだ。これにより習近平独裁政権が思い描いた「一帯一路」や「新シルクロード」構想は白昼夢として消え去った。習近平氏に残されたのは夥しい不良債権の山だ。

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