中国の「国富」が米国を抜いたという笑い話。

土地や住宅などの資産から負債を引いた中国の正味資産(国富)が米国を追い抜いていたことが、米研究機関の調査でわかった。マンションバブルで資産の評価額が膨らんだためで、世界全体の23%を占めた。1990年に米国を上回った日本は、バブル崩壊で国富が減った。中国政府も不動産バブルが金融リスクを膨らませていると警戒する。

米マッキンゼー・グローバル・インスティチュートがこのほど、主要国の国富に関する調査報告書を発表した。世界の国民所得の6割を占める10カ国(オーストラリア、カナダ、中国、フランス、ドイツ、日本、メキシコ、スウェーデン、英国、米国)が対象だ。70年以降の毎年の各国の純資産をはじき出した。

2020年の世界全体の純資産は510兆ドル(約5京7630兆円)で、2000年(160兆ドル)の約3倍に膨らんだ。国別では中国は120兆ドルと同17倍に拡大した。シェアは中国が首位の23%で、米国の17%(89兆ドル)、日本の7%(35兆ドル)と続いた。中国の国富は13年に初めて米国を抜き、20年には米国の1.3倍に達した。

中国の純資産が大きく増えたのは、不動産市場の過熱が背景にある。不動産シンクタンクの易居不動産研究院によると、主要50都市の住宅価格は20年に平均年収の13倍となり、15年の10倍から高まった。広東省深圳市は40倍、上海市は26倍など大都市ではもはや市民の手に届きにくい。

新型コロナウイルス対応の金融緩和であふれた投機マネーがマンション価格をつり上げた。中国は全国統一の固定資産税や相続税がない。所有コストが低く中古市場に物件が出にくいことも価格を押し上げてきた。

調査対象の10カ国平均でみても、住宅価格は2000年の3倍に上昇した。なかでも「不動産は値崩れしない」という神話が根強く残る中国は同5倍に達した。地方財政が国有地の使用権を不動産開発業者に売って得る収入への依存度を高めるといったいびつな構図も生み出した。

報告書によると、純資産額が米国を上回ったのは中国とバブル経済で沸いた1990年代前半の日本のみだ。90年の日本のシェアは23%で、米国を1ポイント上回った。「東京都心部の土地価格で米国全土が買える」といわれた時代だ。

純資産額の国内総生産(GDP)比も近い。日本は90年のピークに8.3倍となり、中国は20年に8.2倍に達した。8倍を超えたのも日中のみだ。投機の主な対象が日本は商業用不動産で、中国は住宅という違いはあるが、不動産高騰が国全体の資産規模を膨らませたという構図は同じだ。

中国都市部の生活コストを高めるマンション価格の高騰に、市民は不満を募らせてきた。習近平(シー・ジンピン)指導部は「共同富裕(ともに豊かになる)」を旗印に、不動産投機の抑制を優先課題の一つに挙げる。

住宅ローンなど不動産金融の総量規制を課すなど規制を強めてきた。金融リスクの拡大を防ぐとともに、マンションの所有をめぐる格差を縮め、社会不安の芽を摘む思惑もありそうだ。

急激な締め付けは、不動産価格の急落を通じて金融システムを動揺させ、経済の長期停滞を招きかねない。日本は旧大蔵省が90年に導入した不動産融資の総量規制が、バブル崩壊の引き金の一つとなった。不動産向け融資の抑制を金融機関に求めた結果、貸し渋りや貸しはがしが起きた。

中国も規制強化が中国恒大集団など不動産大手の経営危機に発展した。主要都市でも新築住宅の価格が下落に転じ、地方財政も不動産収入の減少に直面する。中国共産党は6日の中央政治局会議で不動産規制を修正する方針を示した。投機の抑制は続けつつも、減速感を強める経済にも配慮する姿勢だ。不動産問題の軟着陸が中国政府の重い課題となっている>(以上「日経新聞」より引用)




 中国の総資産が米国を抜いた、という笑い話が日経新聞に出ていた。なぜ笑い話かというと、その手の話には意味がない、ということはかつてのバブル当時に「東京都の土地価格が米国全土の土地価格を上回った」という愚かな評論家が騒ぎ立てたのと同じだからだ。
 中国の資産が高騰しているのは不動産価格が高騰しているからだ。今年初めから中国の不動産価格は下落しているが中共政府が強硬に規制して値下がりを防いでいる。それにしても中国の土地は「国有」のはずだ。実際に土地取引と称しているモノは「70年(あるいは50年)の地上権」でしかない。

 だから中国のマンションに「管理組合」などはない。50年ないし70年経てば土地そのものを国に返さなければならないからだ。マンションなどの建物は取り壊して更地にするのが原則だ。
 記事に「日本は90年のピークに8.3倍となり、中国は20年に8.2倍に達した。8倍を超えたのも日中のみだ。投機の主な対象が日本は商業用不動産で、中国は住宅という違いはあるが、不動産高騰が国全体の資産規模を膨らませたという構図は同じだ」とあるが、中国の不動産価格は明らかに異常だ。地上権にそれだけの価値があるのか、という根本的な問題を全く議論していない。

 もちろん日本の税法でも地上権はその期間によって評価割合は異なっている。50年以上の地上権は土地価格の90%の評価額を有するが、経過年ごとに地上権を減価償却しなければならない。中国の統計はそうした「地上権の減価償却」を減額しているのだろうか。
 もちろんマンションも減価償却すべきだ。そうすれば高騰した不動産価格が「国富」として米国の総資産を上回ったと、中共政府の欣喜雀躍が理解できない。むしろ眼前に広がる果てしない「投資の成れの果て」の摩天楼に慨嘆すべきではないか。

 世界一速いスピードで中国全土に敷設した高速鉄道も30年後には大改修期を迎え、50年後には高架部分などの更新をしなければならない。中共政府は目先のGDP拡大のツケとして膨大な「費用の塊」を抱え込んだ。
 個人消費拡大によるGDPの拡大、といった最も安定的な国家発展を目指して、スピードは遅くても国民のための政策を推進して、国民所得の増大を着実に図るべきだった。マネーゲームに明け暮れた「博奕国家」は、その博奕にふさわしいツケを支払う時に来ている。バブル崩壊と金融崩壊は自由主義社会であろうと、共産主義社会であろうと関係ない。それは貨幣にまつわる金融政策の失敗であり、社会主義国のソ連だって経験したではないか。

 中南海は余りに多くを国民からピンハネし過ぎた。国民もマンション購入に身の丈も考えずに借金漬けになった。何の価値も産まない軍隊や兵器に湯水のようにカネを注ぎ込んだ結果が現在の中国だ。
 そして挙句の果てに彼らが軍事基地に揃えている膨大な兵器はポンコツ揃いだ。それらも中抜きやピンハネし過ぎた結果だ。今年になって中国が打ち上げたロケットがなぜ失敗だらけか、お解りだろうか。トランプ氏が始めた貿易制裁が効いているからだ。対中デカップリングにより最新チップが入らなくなって、中国の最新科学技術の底が知れ始めたからだ。それが偽らざる中共政府の中国の実力だ。

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