自己責任ではなく、社会保障制度が崩壊した「日本」の現実。

「各地の炊き出しには大勢の人が並んでいる。新型コロナが広がってから1年9か月。感染は収束したようにみえますが、コロナによる困窮はまったく収束をみせず、さらに深刻化しています」
 こう語るのは「反貧困ネットワーク」の瀬戸大作さんだ。
「昨年よりも、かなり厳しい状況です。僕のところにSOSの連絡をしてくるのは、全体の6割が20代から30代の若者です。コロナ禍に仕事を失い、春、夏の間は公園で野宿して過ごしていた若い人たちが、ここにきて寒さに耐えられなくなって電話してくるんです」
 もう、外で寝られる季節ではない。

2021年は、過去最高人数が炊き出しに並んだ年
 炊き出しで食料支援をしている「特定非営利活動法人 TENOHASHI」代表の清野賢司さんは、
「先月、11月27日の炊き出しには、史上最高の472人が並びました。2019年の同時期は145人、昨年が293人。今年に入って、並ぶ人は右肩上がりに増え続けています。3分の1が、ホームレスの状態にある人で、あとの3分の2は『住む家はあるけれど、お金がない、仕事を失った』という人です。
 先日の相談会にきた男性は28歳で、失業手当がまもなく切れる、貯金も底を尽きたと言います。『仕事が見つかるまで、なんとか生きるために並んでいます』と。あちこちの炊き出しを回って食費を節約しているんです。これまで、かろうじて踏みとどまっていた人がその綱渡りから転落していく、それが今の状況です」
「医療相談会にも過去最多の人が訪れました。風邪や腰痛といった体の不調だけでなく、心の相談が増えている。住まいのない方のためのワクチン接種も進めています」(認定NPO法人 世界の医療団·武石晶子さん)
 民間の支援団体が、公園などを会場に行なっている「相談会」は、どこも利用者が増え続けているのだ。行政に繋がり、生活保護などの支援に辿りつける人ばかりではない。
「精神的な困難を抱えて、野宿生活をしている人がいます。そして今、女性の野宿者が増えているんです。この寒いなか、なんでこんなに多くの人が、公園で野宿しなければならないのか…」(瀬戸さん)

「いつも不況だった」女性の苦しみが炙り出された2021年
 女性のための相談会を行なっている実行委員会のひとり「一般社団法人 エープラス」の吉祥眞佐緒さんは、きっぱりと言う。
「コロナで、女性不況という言葉が言われています。けれども、女性は今までだってずっと『不況』だったんです。それが、コロナ禍に顕在化しただけ。DVの相談も増えています。

 ある日突然、夫から『家を出ていってくれ』と言われるんです。子どもを連れて追い出される。かと思えばある日突然、夫が出ていった、というケースも。どちらにしても、収入のない専業主婦の妻は途方にくれます。相談窓口にたどりついても、交渉ごとに慣れていない女性は支援を諦めてしまう。そんな現状をみて『女性のための相談会』を行なっています。相談を受けるのも、ボランティアも全員女性です」
 女性にとって、相談会に出向き、個人的なことを話すのは「ハードルが高い」と、吉祥さんは言う。12月25日、26日の2日間、新宿区の大久保公園で「女性による女性のための相談会」が実施される。ここでは、生活相談、医療相談を受け付け、食料や生活用品の用意もあるという。
「屋外の会場ですが、温かいお茶を用意しています。困っていることがある人は、どうか相談会にいらしてください」(同実行委員会)

寒い路上で寝る人がいないように
 コロナ禍にあって、民間の支援団体の活動は根気強く進められているが、「そろそろ限界に近づいている」という。年末年始、住まいのない人のための支援を東京都に要望した。
「役所が休暇に入る期間、路上の人、困っている人の行き場がなくならないように、年末年始は各団体が支援の場を開設します。隙間なく相談会などを行うことで、誰ひとり取りこぼさないようにしたい」(瀬戸さん)
 東京都内では「年越し大人食堂」(12/30、1/3開催)、「年越し支援コロナ・被害相談村」(12/31、1/1)、「TENOHASHI」(12/29、31、1/2)など、いくつかの民間団体が、日程、時間をずらして相談会を実施する。
「この間まで『普通に働き、普通に暮らしていた』人が、困窮しているんです。コロナ収束後の地獄です。寒空の下、公園で眠る人がいてはいけない。このままでは、国が潰れてしまう。これはもう、ひとごとではないと感じています」(瀬戸さん)
 一見「落ち着いた」ように見える今。聞こえてくる悲鳴に、われわれの社会はどう答えるべきだろうか>(以上「FRIDAY」より引用)



 写真週刊誌だからこそ掲載されている写真に現実が写り込んでいる。何処にでもいそうな若者たちや女性が一列に並んで炊き出しの食事を頂いている姿は哀しいものがある。
 岸田首相は経団連の会合にノコノコと出掛けて「賃上げをよろしく」とやっている。もちろん賃上げも必要だが、それは経営者と労働者の力関係で決まることであって、時の首相が経団連の会合に出て頭を下げることではない。政治家なら経済政策で賃金が上がるような政治を行うべきではないか。

 しかも経団連に入っている企業が雇用している労働者は全体の数%にも満たない。政治家であるなら経済政策により日本経済を成長させて人手不足が深刻になり、必然的に労働賃金が上がるようにすべきだ。
 外国人労働移民策を実施していて賃金が上がるはずなどないではないか。しかも世の中には34歳までの「引籠り」が62万人もいて、35歳から60歳までも「引籠り」も含めると120万人以上もいるという。なぜ彼らを現場復帰させるべく法整備や支援制度を充実させようとしないのだろうか。「50-80」問題が深刻さを増しているが、親の介護のために離職せざるを得なくなった人たちが、親の死後「引籠り」になっている現実があることに、日本の社会保障制度の欠陥を見る思いがしないのだろうか。

 日本は「新卒神話」が根強い。一度転職したなら「中途採用」として「差別」が生涯付きまとう社会だ。そうした意味のない「新卒神話」こそ打ち破るべきではないか。そして「派遣業法」を元に戻して、体の良いピンハネ業者を社会にのさばらせないようにしなければならない。
 職安は何のためにあるのか。彼らこそもっと真摯に雇用を求める人々の救済窓口になるべきではないか。「引籠り」の多くがコミュニケーション障碍者だという。それなら外国人労働者に日本語を教えるくらいなら、コミ障者に対人恐怖症治療や会話術などを教える方が先ではないか。

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