キャンプで冬の寒さを舐めてはいけない。
<兵庫県警宍粟署は28日、同県宍粟市波賀町戸倉の氷ノ山(1510メートル)でキャンプをしていたとみられる30~70代の男性5人組が行方不明になったと発表した。
地元の西はりま消防本部によると、うち1人が意識不明とみられる。警察と消防が合同で午前9時から捜索している。 県警によると、5人は大阪府や奈良県の会社員らのグループ。25日午後、キャンプのため氷ノ山に入ったとみられるが、帰宅予定だった27日になっても帰らないのを心配した家族の1人が同日午前10時半ごろに110番。宍粟署が午後から10人態勢で捜索したが見つからず、28日午前、約40人態勢で捜索を再開した。
消防によると、27日深夜までは電話連絡が取れていた。一帯は26日から大雪に見舞われ、28日朝の時点で宍粟市波賀町の登山道入り口付近で1・5メートル程度の積雪があるという>(以上「産経新聞」より引用)
厳冬期の寒さは命にかかわる。冬のキャンプで「快適」に過ごせる、などと思ってはならない。ましてや「冬山」では死と背中合わせだということを忘れてはならない。
冬の寒さを決して舐めてはならない。冬用のダウンシュラフを持参していたとしても、耐えられる温度は精々0℃までだ。マイナスに突入すれば自分の体温だけの暖房では凍死するのも覚悟しなければならない。
私はキャンプが趣味だが、厳冬期のキャンプ泊は避けている。それは命にかかわるからだ。いかに冬用のダウンシュラフを用意していても、マイナスの世界には耐えられない。昨今のバッテリーを用意して、電気毛布を使用するのなら厳冬期のキャンプ泊もアリだ。
そうでない限り、テントに泊まるのは無謀だ。気温が0℃前後まで下がる、と分かっていれば、私は冬用のダウンシュラフの中にインナーシュラフを用いる。カタログ性能では-10℃まで「快適温度」だとあれば、耐えられる最低温度が0℃くらいまでで、それ以下ではシュラフの重ね着をお勧めする。
さらにソロ・キャンであっても、仲間二人以上とキャンプすべきだ。自然を相手にするキャンプでは何が起きても不思議ではない。宿営地がスマホなどの圏外であることも珍しくないため、一人が体に異常をきたしても、二人以上で野営していれば他の人が救助を呼べる。
ソロ・キャンではわが身を守るのは自分しかいない。天候が荒れ模様の場合はキャンプを中止する勇気を持つべきだし、風が強ければ車中泊を選択する方が賢明だ。冬のキャンプは凍死という最悪の事態も想定して行動すべきだ。自然の脅威に対して、謙虚でなければならない。