国は不動産登記簿上の所有権者と現実の所有権者との一致を急げ。

<法務省は、所有者不明土地の相続人調査を拡大する方針を固めた。公共事業を行う民間事業者の要望に応じ、相続人調査に協力する。政府が来年の通常国会に提出を予定している所有者不明土地対策特別措置法の改正案に盛り込む方向で検討している。

 所有者不明土地を巡っては、公共事業を実施する際、事業候補地内に所有者不明土地があると、土地の取得や利用ができないことが問題となっている。このため、2018年に成立した同法で、公共事業をする国や地方公共団体の要望により、同省の法務局(8か所)や地方法務局(42か所)の登記官が所有者不明土地の登記名義人や法定相続人を特定し、情報提供する制度を新設した。
 同省民事局によると、今年8月末現在、全国で登記名義人約6万9000人分の相続人特定につながっている。
 ただ、同省が協力するのは、公共事業の実施主体が国や地方公共団体の場合に限られていることから、民間事業者が公共事業を行う場合についても調査対象にしてほしいという声が出ていた。
 このため、公共事業の実施主体の民間事業者は、事業を認可する都道府県や市町村を通じて、調査を要望できるようにする。
 また、調査対象とする候補地について、現在は登記名義人の死亡後30年以上経過していることを要件としているが、死亡後10年以上までに緩和し、調査対象を拡大する>(以上「読売新聞」より引用)



 日本全国で所有者不明の土地は410万haあるといわれている。九州の面積が367.5万haだから、九州よりも広い土地が所有者不明のまま放置されていることになる。このまま放置すれば2040年には720万haになるといわれている。
 日本は歴史的に「土地」を最も重要な経済的資産としてきた。封建制度の領地安堵を支配手段として来ただけでなく、明治には「地租改正」により土地の所有権が俸給の基礎とされた。だから1899年に明治32年に「不動産登記法」を制定するにあたって土地登記を義務付けるまでもなく、土地所有者となった者が土地登記を怠る事態を想定していなかった。

 しかし現実に登記簿上の所有権者が明治以降一度も書き換えられていない土地が全国にゴマンとある。さらに戦後嫡子相続が廃されて相続分が制定されて以来、複雑な土地所有権を巡る相続争いが起きるようになり、「未分割相続」土地が放置されるようになった。すべての相続人が遺産分割協議書に署名捺印しない限り、登記簿の所有権者は変更できないから、所有権者が死亡したまま放置され、そのままの状態で数十年から百年以上も経っている土地も珍しくない。
 今般不動産登記法の改正により「不動産の登記名義人が亡くなったときは、当該相続により不動産を取得した者は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、その不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に、相続登記等(相続又は遺贈による所有権移転登記)をしなければならない」とされ、2024年から実施されることとなった。これにより新規に相続が発生した不動産が未登記のまま放置されることはなくなるだろうが、以前から放置されたままの不動産に関して、この改正法を及ぼすことは不可能だ。

 法務局が放置されている土地所有権者の特定するのは地方自治体などの事業実施の際に障害となる場合から、今般は民間企業で地方自治体などに届け出た事業遂行上支障の出るものにまで範囲が拡大されるが、それでもまだ不十分だ。
 地方自治体や民間で工事をする場合に「土地収用法」や「買収」を実施するまでもない地上権の利用などもある。その場合は「登記官が所有者不明土地の登記名義人や法定相続人を特定し、情報提供する制度」の適用外となるのだろうか。

 個人情報の管理が厳しくなっているため、民間人が相続財産の移転相続をする場合でさえ、戸籍法から始まり数々の面倒な手続きが求められ、余りに面倒なため相続を放置することがある。
 法務省で戸籍の一元管理がなされるようになったが、遺産相続されないままや未分割のまま放置されている不動産は全国にゴマンとある。一日も早く登記簿上の所有権者と現実の所有権者と一致させなければ、所有者不明の土地が増加する一方だ。法務省の努力は評価するが、まだ相続の手続きに関して「相続放棄」の期間すら知らない人が大半だ。国民への告知努力が十分とはいえないのが現実であることを政治家や官僚たちは認識すべきだ。

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