中国は米国を「競争相手」とは見ていない。

<米議会の超党派諮問機関「米中経済安全保障調査委員会」は17日、2021年に創立100年を迎えた中国共産党が覇権を目指す行動を強めており、台湾海峡をめぐる「危険な不確実性の時代」に突入したと強い懸念を示す年次報告書を公表した。半導体生産が集中する台湾と中国が軍事衝突すれば「世界経済に混乱を招きかねない」と警鐘を鳴らした。

 バイデン米政権や同盟国をはじめとする外国の制裁に対抗する「反外国制裁法」導入など、中国が国際規範やルールに縛られずに影響力を拡大しつつあると訴える内容。報告書は歴代米政権や議会の対中政策の指針となっており、米国に根付く対中不信の強さを改めて浮き彫りにした。
 安全保障面では、中国の軍備増強に警戒感を示した上で「中国軍は高リスクな台湾上陸作戦に必要となる初期能力を手中にしたか、それに近づいている」と分析。台湾統一に対する野心が武力行使のリスクを上回れば「米国の抑止力が機能しない恐れがある」として、多数の対艦ミサイルをインド太平洋地域に配備するなどの対策を講じる必要性も訴えた。
 中国の台湾侵攻がもたらすリスクとして「半導体サプライチェーン(供給網)の混乱」を挙げた。台湾積体電路製造(TSMC)などの台湾メーカーが最先端半導体生産の9割を独占しており、工場の稼働が1年間停止すれば、世界の家電市場だけで4900億ドル(約56兆円)の損失が発生するとの試算を紹介した。

 経済をめぐる競争では、中国が「軍事近代化に向けて国有・民間企業、研究機関、投資ファンドの連携を強めている」と批判。軍産複合体が巨額の政府補助金を使い、米国など外国産の半導体や新興技術の獲得に動いていると断じた。中国人民銀行(中央銀行)が近く導入する「デジタル人民元」についても、「長期的に基軸通貨・米ドルの地位と米金融制裁の効果を損なう可能性がある」と警告を発した>(以上「時事通信」より引用)



 記事によると「米国議会の超党派議員による「米中経済安全保障調査委員会」は中国共産党が覇権を目指す行動を強めており、台湾海峡をめぐる「危険な不確実性の時代」に突入したと強い懸念を示す年次報告書を公表した」という。極めて現実的で正しい認識だと歓迎する。
 それに引き換え、バイデン氏の能天気な「競争」という対中認識には恐怖すら覚える。決して中共政府の中国は競争相手ではなく、身近に迫った軍事的脅威だ。それともバイデン氏は直接中共製のミサイルが米国本土を標的にしてはいないなどといったお花畑の住民になってしまったのだろうか。

 台湾が中共政府の軍事侵攻によって占領されたなら、米国を盟主とした自由主義諸国は対中関係で具体的な対応を迫られる。つまり中国と敵対するのか、それとも中国の軍事力に屈するのか。
 引用記事ではTSMCの半導体がどうなるのか、といった側面を強く主張しているが、中国が台湾進攻の決意表明を繰り返しているのは、紛れもない自由主義諸国に対する独裁専制政治の挑戦だ。それを許したなら、独裁専制政治家はかつてのヒトラーになるだろう。チェコ・スロバキア北部ズデーデン地方の次はポーランドへ、と領土拡張の野望はとどまることを知らなくなったように、習近平もなるだろう。習近平氏こそ現代のヒトラーだ。

 米国は強固な決意で中共政府の中国と対峙すべきだ。マイク・ポンペイオ氏はTwitterに「中国は米国のことを競争相手とは見ていない。自分たちの敵だと見ているのだ。我々も同じようにすべきである」と投稿している。元米国務長官の判断は正しい。
 「米中経済安全保障調査委員会」が「(習近平氏の)台湾統一に対する野心が武力行使のリスクを上回れば「米国の抑止力が機能しない恐れがある」として、多数の対艦ミサイルをインド太平洋地域に配備するなどの対策を講じる必要性も訴え」ている。

 習近平氏は繰り返し「台湾を軍事侵攻する」と明言している。当初は単なるスローガンでしかなかっただろうが、繰り返し発言しているうちに、それが具体的な実態を伴っていると勘違いしてくる。無謀な言葉を繰りかえし発しているうちに一種の自己陶酔状態に陥るが、自己陶酔は適切な判断力を奪う。
 独裁体制の最大の欠陥は自己陶酔に陥った独裁者を窘める者がいないことだ。ヒトラーがそうであったように、習近平氏も無謀な世界大戦も厭わない、という誇大妄想に憑りつかれかねない。

 千機以上のポンコツ戦闘機を飛ばし、数百ものポンコツ艦船を台湾海峡に集結させ、腹ペコの人民解放軍を台湾の対岸に大動員させて習近平氏が侵攻の号令を発したなら、一大地獄絵図が台湾海峡で繰り広げられる。多くの兵士が命を落とし、多くの都市や町や村が破壊されるだろう。
 バイデン氏がそうした事態を望まないなら、早急に対中デカップリングを再始動させることだ。それとも戦争こそ最大の投機チャンスだと見るハゲ鷹たちのために「戦争も必要だ」という腹積りなのだろうか。

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