民主主義を危うくするもの。

<北海道旭川市で3月、いじめを受けた疑いがある中学2年の広瀬爽彩さん(14)が凍死しているのが見つかった問題で、事実関係を調査している第三者委員会の副委員長を務める小児科医が、対象者の生徒と利害関係がある疑いで調査から外れたことが25日、関係者への取材で分かった。

 関係者によると、第三者委は副委員長が調査対象者と面識があることなどを把握していたが、利害関係には当たらないと判断していたという。遺族側の指摘を受け、今月12日に調査から外すことを決めた。臨時委員を務める弁護士も関係者と特別な接触がある疑いがあり、同日付で辞任した>(以上「共同通信」より引用)




 第三者委員会が第三者による委員会ではなかった、とは悪い冗談にもならない。しかも第三者委員に任命されたとされ小児科医が、臨時委員に任命された弁護士が加害者とされる生徒と利害関係者だったというから驚きだ。
 本来そうした社会的地位のある者なら、それ相当の分別があると思われるが、第三者委員会の委員や臨時委員に任命されて、それを辞退しなかった時点で人として失格だ。しかも第三者委員会は小児科医の「副委員長」が加害者の利害関係者にあると承知していたにも拘らず、問題ないとしていたとは呆れ果てる。他の委員も適性を疑わざるを得ない。

 こうした委員会や選挙で選ばれた議員で構成される議会が形骸化しているのではないかと思われる案件が多々ある。各地の庁舎建設でヒックリ返るほど高額な建設費を執行部が提案し、議会が賛成している事例が余りに多い。
 先日も京都市の市関係の建築で茶室を設け、賓客の接待のために利用すると建設目的が説明されたようだが、京都なら貸し出し茶室は幾らでもあるだろう。むしろ歴史的に由緒ある茶室を借りて接待する方が公式行事で賓客を持て成すのにふさわしいのではないだろうか。議会でそうした議論はなかったのだろうか。

 以前このブログで書いた石垣島市議会の庁舎建設で坪単価280万円以上というビックリ仰天の建設費を濫費していたが、その言い訳が石垣市の特産赤瓦を多用したから、というものだった。石垣島の赤瓦は「琉球赤瓦」と同じものだと思われるが、ネットで調べたところ石州瓦 桟瓦 唐草瓦 のし瓦と同様に一枚300円だった。決して高額な瓦ではない。
 石垣市議会で議員諸氏は新庁舎建設の積算根拠を質疑したのだろうか。他にも地方自治体の議会が化膿してないのではないか、と思われることが多い。同様に各地の教育委員会でも現場の学校を委員諸氏は見廻っているのだろうか、と疑問に感じる場合がある。各種委員は決して民主主義制度のお飾りではない。然るべき責務を負った存在のはずだ。

 旭川市のイジメ凍死事件の解明に当たるべき第三者委員会のあり様を巡る報道で、加害者とされる生徒側と利害関係のある者が委員を拝命していることに民主主義の形骸化と危機感を覚える。
 民主主義の本質は三権分立にある。加害者がいて被害者がいた場合、第三者委員会は厳密な中立でなければならない。その中立性が疑われるようなことが些少なりともあってはならない。それが民主主義の本質だということを旭川市の上に立つ者が疎かにしていたとすれば旭川市の見識が問われる。

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