習近平氏の台湾進攻警告は中国民向けの危険なパフォーマンスだ。

マスコミは「台湾有事」で空騒ぎするなかれ
 報道しているマスコミ自身が驚くかも知れませんが、台湾をめぐる中国の軍事的動向は家庭の主婦の間でも危機感を持って受け止められているようです。最近は、新聞・テレビだけでなくネットの情報も家庭に入り込んでいます。それを見て、友人の娘さんなどが私に「大丈夫でしょうか」と心配顔で聞いてくることもあります。
 それはそうでしょう。10月1日から4日の動きを見ても、台湾の防空識別圏に侵入した中国軍の航空機について、「延べ38機、過去最大」(1日)、「延べ39機、過去最大」(2日)、「延べ56機、過去最大」(4日)と立て続けに大きく報じられれば、誰だって心配になろうともいうものです。

 同じとき、台湾の邱国正国防部長は立法院(国会)で次のように答弁しました。「2025年以降、中国が全面的な台湾侵攻の能力を持つ」。この発言は、今年3月の上院軍事委員会におけるデービッドソン米インド太平洋軍司令官の「脅威は今後10年間で、実際には6年で明白になる」という発言と重なり、いかにもリアリティがあるように聞こえてきます。
 また、10月4日の読売新聞は第3面をつぶして中国軍の動向を「中国『米艦への攻撃能力』誇示」と伝えました。まるで台湾に対して中国が攻撃を仕掛けそうではありませんか。
 ここでジャーナリズムの役割が問われます。そうしたおどろおどろしい情報がどれほどリアリティを持っているか、それを検証するのがジャーナリズムの使命だからです。

 まず、台湾の防空識別圏への中国機の進入はいくつかの目的を持った示威行動だとは指摘されてきました。10月1日の中国の国慶節(建国記念日)を踏まえた国威発揚、台湾のTPP(環太平洋経済連携協定)加盟申請への牽制、南西諸島周辺での空母3隻を含む日米豪カナダ、ニュージーランド、オランダによる過去最大の合同演習への牽制、といったところをにらんでの動きであることは間違いないでしょう。
 中国機の動きについては、戦闘機、爆撃機、早期警戒管制機、空中給油機による編成から、実際に台湾侵攻の能力を備えたとの解説も飛び出しました。航行の自由作戦で台湾海峡を通る米国などの艦船を攻撃できる空域での飛行を繰り返し、これを牽制しているとの見方も示されました。このどれもが中国の狙いに含まれているのは事実でしょう。
 しかし、台湾の邱国防部長や3月のデービッドソン米インド太平洋軍司令官の発言は、世論喚起や海軍への予算獲得を意識したものでしかありません。中国側には台湾海峡上空で航空優勢(制空権)をとる能力がなく、1度に100万人規模の上陸部隊が必要な台湾への上陸侵攻作戦についても、輸送する船舶が決定的に不足しており、1度に1万人しか出せないのです。そしてなによりも、データ中継用の人工衛星などの軍事インフラが未整備のままなのです。

 3月のデービッドソン海軍大将の発言について米軍トップのミリー統合参謀本部議長は6月17日、上院歳出委員会で全面的に否定しています。
 「中国が台湾全体を掌握する軍事作戦を遂行するだけの本当の能力を持つまでには、まだ道のりは長い」
「(中国による台湾の武力統一が)近い将来、起きる可能性は低い」
「中国には現時点で(武力統一するという)意図や動機もほとんどないし、理由もない」
 だからといって安心してよいという訳ではありません。手段を選ばないハイブリッド戦で台湾を内部から崩壊させる動きにも注意が必要です。それを防ぐには、台湾と日米などの連携強化と抑止力の向上が不可欠です。
 そういう中で、読売新聞の記事なども中国が進めている取り組みを詳細に紹介することで読者の中国への反感を煽り、警戒心をくすぐるだけでなく、軍事インフラの整備が遅れている問題などを報道しなければなりませんでした。

 空騒ぎは、間違った方向に世論を煽り立て、世論に押された政治が国を誤らせかねないことは歴史が教えているとおりです。着実に防衛力整備と同盟関係の強化を進めるうえで、空騒ぎは百害あって一利なしであることを忘れてはなりません>(以上「MAG2」より引用)



 引用記事はMAG2に掲載された小川和久氏(軍事評論家)の論評だ。確かに、中国は直ちに台湾進攻に気に出られる状況にない、ことは明々白々だ。100万人規模の台湾上陸用陸軍を運搬する上陸用舟艇がまずない、と小川氏は指摘しているが、それ以外に少なくとも100万人が一月食べられる糧秣が確保されていなければならない。
 さらに100万人が移動する車両も台湾の対岸に準備されていなければならない。だが、それらは戦闘の最終段階だということを理解しておくべきだ。台湾進攻はまずミサイルの撃ち合いから始まる、と見るべきだ。敵基地や敵の指揮系統の主要個所を機能不全にするためのミサイル攻撃を行う必要がある。

 そして渡海するための制海権の奪取を期して、海上と海中の敵掃討作戦を実施しなければならない。もちろん制空権がなければ艦艇の安全航行は期し難い。上陸作戦以前に、それらの戦闘で勝利しなければ、中共軍が台湾に上陸することは出来ない。
 しかしミサイルを一発台湾の基地へ発射した段階で、中共政府は瓦解するだろう。なぜなら西側自由主義諸国が対中国交断行を宣言するからだ。そうすれば中国経済は即座に行き詰まる。海外から大量の輸入している食糧や石炭や工業部品などが船積されたまま海上でストップする。中国内は大混乱に陥り、中南海で反・習近平派が総決起するだろう。

 トランプ氏の貿易制裁で電子部品の対中禁輸を実施て以来、中国の宇宙ロケット発射は相次いで失敗している。それは信頼度に劣る中国内で生産したチップを使ったためだといわれている。14nmチップですら、中国製ではバグが出る。それでは戦闘機を制御する戦闘機搭載のPC回路がまともに働くとも限らない。
 いやそもそも戦闘機の機体を中国製の特殊合金で作ったとして、その金属は重力負荷に耐えうるのだろうか。劣化コピーのポンコツ・ジェットエンジンは空中戦に耐えられないだろう。そうした中共軍の欠陥を米国や防衛省は熟知しているが、そのことは黙って、中共軍が発表している公式性能をそのまま敵戦力として計算している。その方が防衛予算を取りやすいからだ。

 小川氏が指摘するように、中共軍は「データ中継用の人工衛星などの軍事インフラが未整備」だ。そうした状況では電子戦といわれる現代戦争を遂行することは出来ない。しかも今後とも米国を中心とする西側諸国は対中貿易制裁を厳しくすることはあっても緩めることはない。電子部品や製造技術を売り渡すことはまずないだろう。
 台湾のTMSCは米国と日本の熊本に新規製造工場を建てるという。中国進出は危険だと判断したのは正しい。西側自由主義諸国が協力して、世界平和を脅かす中共政府の中国を世界から切り離さ(デカップリング)なければならない。もはや21世紀の世界で軍事力による国境線の変更などは断じて許されない「国際常識」だと全世界に知らしめなければならない。

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