バージニア州知事選に見る米国民主党の退潮。

民主党候補、予想外の苦戦 注目される11月2日の投票
 米国では11月2日に投票が行われるバージニア州知事選挙の行方がにわかに注目されている。近年は民主党が勝利し続け、楽勝であるべき民主党のマコーリフ氏が予想外の苦戦を強いられている。

 バージニア州とニュージャージー州の州知事選は、大統領選挙の翌年に行われる数少ない主要な選挙であり、現職のバイデン大統領に対する有権者の評価と、来年に行われる中間選挙の行方を占う材料になる.
 だが一方の共和党陣営も複雑な事情を抱える。せっかくの接戦の状況なのに、選挙戦略を一変させかねない人物の応援で選挙シナリオが大幅に狂いかねない可能性がある。

「バージニアの異変」が、来年の中間選挙にどういった形で波及するのか、関心が高まる。
 世論調査の分析に定評がある民間サイトのFiveThirtyEightの集計によれば、10月中旬の世論調査を平均すると、民主党のマコーリフ候補の共和党のヤンキン候補に対するリードは3%ポイント程度の僅差だ。
 調査によっては、支持率が並ぶ結果も出ている。

バイデン政権を脅かす凶兆  過去、結果は中間選挙に直結
 ここまでの接戦は予想されていなかった。
 近年のバージニア州は民主党の優勢が続き、共和党の候補が勝利したのは、州知事選挙では2009年、大統領選挙では2004年が最後だ。
 2020年の大統領選挙でも、バイデン氏が得票率で約10%ポイントの差をつけてトランプ氏に勝っている。
 予想外の接戦に民主党内には不協和音も目立つ。マコーリフ氏は、連邦政府での民主党の不手際が、自らの苦境の原因だと公言している。

 バイデン大統領の支持率がこのところ低下している上、大統領選の公約だった「米雇用計画(インフラ投資)」や「米家族計画(子育て支援など)」、気候変動対策などを実現する法案の審議に手間取ってきた。
 地方の選挙とはいえ、仮にバージニア州知事選で敗北することになれば、バイデン政権の求心力低下につながる。
 バイデン政権を支えていても、中間選挙では勝てないと、民主党の議員や支持者が浮き足立てば、政権の議会運営はさらに難しくなる。
 中間選挙に向けて各候補が勝手な主張を展開し有権者に公約実行の実績や説得力のあることを訴えるのも難しくなる。中間選挙への戦いは厳しくなるだろう。

歴史を振り返れば、バージニア州知事選挙での敗北は民主党にとって凶兆だ。
 近年でもクリントン、オバマ政権がその後の中間選挙で敗れ、下院の多数党を失った。共和党でもトランプ政権がやはり最初の中間選挙で大敗したが、いずれもその“前触れ”となったのが前年に行われたバージニア州知事選での敗北だった。

「惨事」を防ぐべく、このところバイデン政権と民主党はマコーリフ氏の支援に懸命だ。バイデン大統領夫妻やハリス副大統領、さらにはオバマ氏といった重鎮を次々と現地での応援に投入し、マコーリフ氏の逃げ切りを図ろうとしている。

民主党内では大統領選の公約を 現実策に修正する機運も
 ただマコーリフ氏が逃げ切ったとしても、予想外の苦戦を強いられた事実は変わらない。
 民主党内では、中間選挙での大敗を避けるためには公約の実現を急ぐ必要があるとの機運が高まってきた。

 公約の実現が遅れてきたのは、主に民主党内のリベラル派と中道派の仲たがいが原因だ。リベラル派が求める大胆な政策の実現を諦め、公約の規模と範囲を縮小して現実路線で民主党内での妥協を急ごうというわけだ。
 もっとも、過去の中間選挙の歴史をみても、公約を実現したからといって中間選挙で勝てるということでもなかった。
 クリントン政権は、財政再建や犯罪対策を立法化し、オバマ政権はリーマンショック後の大型景気対策や医療保険制度改革(オバマケア)を実現した。トランプ政権も大型減税を実施しているが、中間選挙で敗れた。
 近年に限らず、米アトランティック誌が指摘するように、1980年代に大減税を実現した共和党のレーガン政権や1960年代に公的医療保険制度を創設した民主党のジョンソン政権もその後の中間選挙では所属政党が大きく議席を減らしている。

 なぜなのか、第一に指摘されるのは、公約実施の効果が中間選挙までに有権者には実感しにくいことだ。
 バイデン政権が公約するインフラ投資も実行までに時間がかかる政策であり、中間選挙までの即効性は期待薄かもしれない。
 第二の理由は、反対政党に攻撃材料を与えてしまう点だ。オバマ政権の場合、景気対策やオバマケアが「大きな政府」への反感を招き、過激に「小さな政府」の実現を目指すティーパーティー運動が盛り上がった。
 第三の理由として、現実路線での公約実現を優先し、大胆な政策を諦めたことに対して支持者や有権者の失望や不信感が強まることを指摘する意見もある。

 実際、クリントン政権は医療保険制度改革の実現を諦めたし、オバマ政権は排出量取引等が模索されていた気候変動対策を先送りしている。オバマケアにしても、民主党の支持者が求めていたのは、公的保険による国民皆保険制の実現のようにもっと大胆な改革だった。

「選挙のストーリー」を握るのは誰か  トランプ氏の応援で不透明感
 重要なのは、公約の実現をどのように世論に受け止めさせるかだ。
 中間選挙での大敗について、オバマ氏は自著『約束の地:大統領回顧録』で、オバマケアは歴史的な偉業だったにもかかわらず、「不十分な改革だった」との言説が広がってしまったために、支持者の幻滅を招いたと分析している。

 期待が大きかったリーマンショック後の景気対策についても、対策で支援した太陽光発電企業の倒産などの一部の失敗を、共和党が執拗に攻撃したこともあり、中間選挙の1カ月前の世論調査では、7割近くから「無駄だった」と酷評されるまでになってしまった。
 すでに共和党陣営は、バイデン政権の公約に対する批判材料をリストにしており、「課税強化を名目にした内国歳入庁の強化で、家計のプライバシーが失われる」など、47項目の“攻撃項目”が列挙されている。
 バイデン政権と民主党は、共和党の攻撃をかわしながら、有権者にアピールする「選挙を支配するストーリー」をいかに作り、展開していく力が問われる。

一方で共和党にも懸念材料はある。
 接戦選挙の展開を激変させ、バイデン氏と民主党に助け舟を出してしまいそうな人物がいるからだ。
 誰あろう、それがトランプ前大統領だ。
 次の大統領選で復権を狙っているといわれるトランプ氏は、中間選挙に向けて共和党候補者の支援に力を入れ始めている。
 トランプ氏は全米で、共和党の指導部に先駆けて推薦候補を明らかにするなど、その影響力を誇示している。10月9日にはアイオワ州で開いた政治集会に、同州で再選を目指すグラスリー上院議員を招き、「彼の闘志は誰にも負けない。いつも助けが必要な時にはそこにいてくれた」と、支援を表明し集まった観衆を大いに盛り上げた。
 バージニア州知事選でも、トランプ政権で首席戦略官だったバノン氏が主催した共和党支持者向けの集会に電話で参加し、「すばらしい紳士だ」と、ヤンキン氏への投票を呼び掛けている。

共和党の気がかりは  “トランプ選挙”になること
 とはいえ、トランプ氏の存在感が高まれば高まるほどヤンキン氏にとっても共和党にとっても、州知事選のシナリオや展開が思いもよらぬところに行きかねないことと両刃の剣だ。
 接戦である以上、共和党内の根強いトランプ支持者に投票してもらえれば、選挙での勝利が現実味を帯びるが、その一方で、トランプ氏が目立つほど、反トランプの機運が盛り上がるのも必至だ。

 2020年の大統領選挙でトランプ氏は、バージニア州で44%の得票率にとどまっている。共和党の大統領候補としては1968年以来の低水準だった。
 こうしたこともあってヤンキン氏は、遊説ではトランプ氏との同行を避けるなど、トランプ氏との距離感に苦心している。
 共和党にとっても何より気がかりなのは、トランプ氏が訴える中味だ。トランプ氏は、20年の大統領選挙は不正であり、「本当の勝者は自分だ」と主張し続けている。
 トランプ氏にとっては、バージニア州知事選をはじめとする今後の選挙は、20年の大統領選の「間違い」を正すことこそが最重要課題だ。
 言い換えれば、トランプ氏が知事選での応援で展開するのは、共和党が期待するバイデン政権への批判ではなく、自身を選挙の主役にするストーリーだ。

これは民主党にとっては、願ってもない標的の出現だ。
 マコーリフ氏は、さっそく「バージニア州がトランプ氏復活の舞台になるわけにはいかない」などと、トランプ氏に意識的に焦点を当てる論陣を張っている。
 9月に行われたカリフォルニア州知事のリコール選挙では、民主党のニューサム知事が、共和党の対立候補とトランプ氏との類似性を強調して、リコール回避に成功した例もある。
 確かにトランプ氏の功罪は、来年の中間選挙でも大きな論点だ。バイデン政権の今後への影響とともにバージニア州知事選が見逃せないゆえんだ>(以上「DIAMOND on line」より引用)



 来月2日に投開票されるバージニア州知事選は来年の中間選挙を占う大事な選挙だ。DIAMOND誌の安井明彦氏(みずほリサーチ&テクノロジーズ首席エコノミスト)の記事を引用したが、ご多分に漏れず日米の投資会社はDSの支配下にある。従って記事の内容も民主党政権に甘く、共和党に、とりわけトランプ氏に厳しい。
 バージニア州は民主党の常勝州で、州知事選も民主党候補マコーリフ氏の楽勝ムードだった。しかし、ここに来て共和党候補ヤンキン候補に対するリードは3%ポイント程度の僅差まで詰め寄られている。「調査によっては、支持率が並ぶ結果も出ている」というからバイデン氏も応援に駆け付けざるを得ない。

 バイデン氏が掲げた政策は米国経済をマイナスへ導くものが目立つ。確かにグリーンニューディールなども掲げているが、それらが実際に経済的にプラス効果を表すとしても即効性に欠ける。だがバイデン氏がCO2削減のためとして実施したシェールオイルの掘削停止などは即効で米国経済にマイナスの影響を与えた。米国産出石油関連事業だけで1,000万人が職を失ったという。
 それだけではない。世界的な原油高の影響を石油輸入国に転落した米国の消費者物価も直接的な影響を受けている。国際的に安価とされて来た米国内ガソリン価格も上昇している。当初から低かったバイデン氏の支持率がさらに低下している理由は他にもある。

 トランプ前大統領が「米国ファースト」を掲げて、国内製造業の復活を力強く後押しして米国内雇用の改善に寄与してきたが、バイデン氏が地球温暖化ヒステリー騒動に悪乗りして、2030年までに米国の新車販売の半数を電気自動車にする、と宣言してしまった。
 自動車産業ほど裾野の広い産業はない。数万点もの部品を製造する多くの下請け企業や関連企業を傘下に擁し、多くの雇用に寄与している。その半数といえども電気自動車に置き換える、というのだ。果たして、米国のような広大な国土で電気自動車が必要とされるだろうか。酷寒の北部で走行中にバッテリーが上がれば命にかかわる。パリ協定から離脱したトランプ氏の判断の方が正しかったのではないだろうか。

 繰り返しになるが、CO2増大が地球温暖化の元凶とはいえない。CO2温暖化説で数度あった氷河期と間氷期の説明がつかない。むしろ人類文明を滅ぼすとしたら温暖化ではなく寒冷化だ。温暖化は食糧増産をもたらすが、寒冷化は世界的に食糧不足を招くだろう。
 地球は±5°C程度の温度変化を繰り返してきた。現行の0.3°Cの温度上昇は許容範囲だ。決して地球が滅びるほどのものではない。今後は温暖化ではなく、太陽活動の停滞から寒冷化へ向かうと予想する気候変動学者の方が圧倒的に多い。バイデン氏は地球温暖化利権屋たちに取り込まれて、米国民に不利益をもたらしている。その影響は今後さらに大きくなるだろう。

 トランプ氏の四年間は米国にとってプラス面が多かった。日本にとっても「対中デカップリング」を力強く掲げて、極東の安定化へ大きく寄与した。彼の前任者・オバマ氏は中共政府の中国が南シナ海で岩礁を埋め立てて軍事基地を建設するのを容認して、極東の不安定化を招いた。中国軍基地が完成してから、ヤオラ航行の自由作戦などと銘打ってお茶を濁した。オバマ氏の作為的な中国容認策は米国本土を危険にさらす結果になっているのは間違いないだろう。
 そのオバマ民主党政権が仕出かした対中融和策を是正して、同盟国と共に対中デカップリングを掲げたトランプ氏とポンペイオ氏のコンビ復活を多くの日本国民は待ち望んでいる。バイデン氏が唱える「競争」はマヤカシでしかない。それは形を変えたオバマ氏の対中融和策でしかない。

 バージニア州は軍需産業が盛んな地だ。もちろん米国民も戦争は望んでないだろうが、中共政府の中国が軍事的脅威となって米国を圧倒することを望んでいる人は誰もいないだろう。バージニア州の有権者はそうした気持ちを強く持っていると思われる。
 弱腰は相手を付け上がらせて増長させるだけだ。躾けるためにはキッパリと「ノー」と教えなければならない。これから中国経済は間違いなく衰退する。決して安易に手を差し伸べてはならない。対中デカップリング策を強化して、中共政府が内部崩壊するのを期すくらいの覚悟が必要だ。バイデン氏にそうした決断が出来るだろうか。

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