河野氏も自公政権が吹き続けて来たハンメルの笛を吹こうとしているのか。

<河野太郎でございます。この度の自由民主党の総裁選挙に立候補いたします。皆さんの思いや不安を受け止め、情報を皆さんと共有し、しっかりとしたメッセージを出し、皆さんと一緒にこの直面する危機を乗り越えていかなければらないと思っております。皆さんと一緒に笑い、皆さんと一緒に泣き、皆さんの思いを受け止め、皆さんに共感していただける、そんな政治を通じて人が人に寄り添うぬくもりのある社会を作っていきたいと思っております。

保守主義とは「度量の広い、中庸な、あたたかいもの」
 私は初当選以来、一貫して自由民主党へ所属して政治活動を行って参りました。自由民主党は保守政党であります。私は保守主義とは度量の広い、中庸な、あたたかいものだと思っております。そしてこの日本を日本たらしめている日本の一番の礎となっているものがこの長い伝統と歴史と文化に裏付けられた皇室と日本語、これが日本を「他の国と何が違うの?」と聞かれた時に「日本語と皇室です」と。そしてその上に我々の先祖が築いてきた様々な歴史や文化や伝統がそれぞれの地域地域で根付いています。 
 たとえば、方言であったり、そこに残されている地名であったり、あるいは地域の方々が守ってきたお祭りであったり、そうした昔から受け渡されてきた昔からしっかりと地域地域で守ってきた、そういうものに常に新しい何かを加えていく、それが「保守主義」だと思っています。  顔が見える、みんなの顔がみえる地域社会のなかでみんなで相談をしてみんなで決めてそしてみんなで実行する。そういう政治の原点に今こそ我々は戻らなければいけないのではないか。平等な機会が提供され、努力した者、汗をかいた人が報われる、そして誰一人取り残さないみんなをしっかりと支えていく。そういう国家を作って行きたいと思っております。

「ワクチン」と「ハンコ」
 ワクチン接種。一日に100万回。あるいは高齢者の接種を7月までに終わらせる。最初にそういうゴールを示された時に正直、「ん?」と思いましたが、振り返ってみればコンスタントに一日100万回を超えました。7月末には高齢者の接種を終え、きょう少なくとも1回目の接種をした割合、全人口に対する割合はアメリカと肩を並べました。このペースでいけば9月末あるいは10月の初め、G7でもトップクラスになります。
  行政の書類に実印や銀行印はともかく、認印はいらないんじゃないか。「そんなことできるわけないだろう」そういわれましたが、いま、99%の書類で認印は要らなくなりました。コロナ禍でテレワークやってください。「テレワークなんかで仕事ができるのか」やってみたらできるよね、オフィス小さくしてもいいんじゃないか、そういうことになりました。 
 ハンコを無くすというのは別にそれがゴールではありません。ハンコを無くすというのが行政をデジタル化するその最初の一歩です。テレワーク。コロナのなかでテレワークができる、それだけで終わるわけではありません。テレワークをすることによって東京への一極集中を逆転する、そこまでやらなければいけないと思います。 
 しかし、みんなが「そんなことできないよ」そう思っていた、そう言っていたことが一つ一つやることでできたよねと。それなら次の一歩を踏み出せるんじゃないか。私はみんなが少し手を伸ばして掴みたいものを掴む、その努力をみんながやろうと思う、そしてその努力が結果を生む、そういう国を作って行きたいと思っております。少しずつ手を伸ばしていけば、いずれは星にだって手が届くかもしれない。みんながそう思って「やってみよう」そう思ってくれるようなリーダーになりたいと思っています。国だけではなく、町でも企業でもあるいは一人一人のみなさんが「これができたら便利だよね」「これができたら本当にいいよね」そう思えることをやってみようとそう思えるような先頭に立つリーダーになりたいと思っております。  例えばさっき申し上げたテレワーク。昨年の後半、東京から出ていく人の方が多くなりました。残念ながら今また戻ってしまうかもしれませんが、テレワークができればどこででも仕事ができます。地元へ帰ってでも、あるいは自分が行きたいと思うところで仕事ができる。東京でなければできないと思っていたことが日本中でできるようになれば東京の給料でいろんな地域で仕事をすることができるようになるはずです。そうすれば東京の仕事が地域に出る、地域の給料が上がっていく、地域の経済が前向きに動いていく。それを私は目指していきたいと思っています。 
 ワクチン接種を担当するなかでいろんなことがありました。一日100万回。7月末に高齢者。EUと一生懸命交渉をしていたら気づいたらアメリカで全く同じワクチンを作っていました。アメリカで作ったワクチンを日本に出してくれたらEUと交渉しなくて済むじゃないか。「いやいや河野さん。それはうちの問題じゃなくてあなたの問題だ。おたくの厚生労働省がアメリカの工場を認証していないから、ここからワクチンを出せないんだよ」あるいはモデルナと交渉してもう少し日本にワクチンを余計に出してほしい、スピードアップして欲しい。「いやいや河野さん、他の国は有効期間7か月なのに、日本だけは6か月だというから最初からいろんなものを日本向け、分けて作らないといけないんだ。そんなことを急に言われても」全部それを直しました。 
 いま、PCRの抗原検査、一般の人が薬局で買いたいとなったら残念ながらルールでそれはできないということになっています。今それを規制改革推進会議でこのコロナ禍なんだからそういうこともできるようにきちんとルールを変えていこうよ、そういう議論をしています。  しっかりと手を伸ばしたらそれが実現できる。みんなでやればできるんだということを共有していく、そういうことをやっていきたいと思っています。

子育て支援。
 私の子どもも大きくなりました。子育てをやったなんて言うと、女房に張り倒されるかもしれませんけれども、少し私も手伝いました。子育て楽しい、子育てをやって子どもが成長するのを見るのは本当に幸せです。しかしその一方でいろんな不安もあります。病児保育。あるいは大学の学費。いろんな心配をしっかりと社会で受け止めて、本当に子育てができる、あるいは自分の子どもだけではなく地域で子どもが育っていくのが本当に見ていて幸せだ。子育て楽しい、そしていろんな不安や負担を社会でしっかりサポートすることができれば少子化問題にも歯止めをかけることができるんだと思います。 
 若い人と話をしていると、「いやいやもう将来年金なんかあてにしていませんよ」そういう若者が結構います。年金をあてにしていないんなら、じゃあどうするのと言っても代わりはよく分からない。いま守るべきは将来の年金制度を守るのではなくて、将来年金できちんと生活ができる、若者が将来、老後を考えた時に年金生活を守らなければいけないのです。 
 いま、コロナ禍でGDPギャップは22兆円あります。平時の改革、有事の財政、こういうことだと思います。GDPギャップを埋めるんだったら、コロナの前に戻るのではなくて、前に進めるような未来に繋がる投資をしなければなりません。全国どこでもテレワークができるような5Gのネットワークを国がしっかりと作っていく。PFIでもいいでしょう。いくつもの会社が同じことをやるのではなくて、国がそこに投資をしてもいいんだと思います。カーボンニュートラルを目指すための蓄電池、連系線、スマートグリッド。一般的な太陽光パネルでは負けたかもしれませんけれども、いま、新しい太陽光発電のいろんな技術が芽を出しています。私の地元では波の力を使った波力発電をやる新しい企業が立ち上がりました。こうした未来に繋がる、未来の日本経済を引っ張っていく、そういうものにしっかりと投資をしていく。そういうことをやっていかなければいけないと思っております。

 デジタル化もその一つです。デジタルの技術を使うことで障害を持っている方、あるいは難病の方、みんなが社会に参加することができるようになります。あるいは今年、所得が低い方、お子さん一人当たり5万円の給付を皆さんから申請を頂くのではなくて、政府の方からプッシュ型で皆さんの口座に給付で振り込む。初めてそういうことをやることができました。しっかりとしたセーフティネットを作るんだったらどこに支援を必要としているのか、それをはっきりと認識しなければなりません。行政をデジタル化するということは今まで集団でしか見ることができなかった、しかしその集団の中の一つ一つの個を浮かび上がらせて、必要なところに必要な手を差し伸べることができる。それがデジタルの力です。そうやってこれから日本を前へ進めていかなければならないと思っております。いま日本はなんとなく立ちすくんでいる。その間に他の国がどんどんと前へ進もうとしています。かつて、先頭を走っていたかもしれませんけれども、残念ながらいまトップランナーではなくなったかもしれない。だからこそ、いま私たちは重い扉を押し開けて前へ進まなければなりません。皆さんと一緒になって日本を前に進めていきたい。 
 「いや河野さん、もう改革には疲れたよ」そういう方がいらっしゃいます。何かをそぎ落とす、コストを削減する、それが改革ではありません。改革というのは新しい価値を生み出していく、世の中を便利にする。それがこれからの改革です。一つ一ついろんなことを規制改革推進会議で、あるいは大臣の直轄チームで実現をしてまいりました。新しい価値を生み出して、世の中をみんなのために便利にしていく。そして日本全体がしっかりと手を伸ばしたらそれを掴める、欲しい物を掴むことができる、みんながそう思って一生懸命手を前に出していく、それを引っ張っていくリーダーになりたいと思っております。是非、国民の皆様に後押しをされた新しい自由民主党総裁としてそして日本の国を引っ張っていくリーダーとして河野太郎をご支援いただけたら誠に幸いでございます。どうもありがとうございました>(以上「TBS news」より引用)




 河野太郎氏の「総裁選立候補」の弁を全文掲載した。ご一読されて、河野太郎氏の総裁選に臨む意気込みの詳細をご理解頂けただろうか。
 私は理解力が乏しいのか、河野氏が何をやりたいのか、何度読んでも判然としない。「皆さんと一緒になって日本を前に進めていきたい」というが何を前に進めたいのか、そして「いや河野さん、もう改革には疲れたよ」ということではいけない、というが河野氏のいう「改革」とは何だろうか。まさかハンコを廃止したくらいで改革だと胸を張っているわけではないだろう。いったい河野氏は何がしたいのだろうか。

 「構造改革」派にとっては「改革」こそが彼らの新・利権の創造源だ。「改革」によって派遣業界は丸々と肥え太った。その代わり、外注委託の「中抜き」や「丸投げ」が常態化した。
 そして委託された人々に、委託された事業にふさわしい能力があるのか否かを問わず、何となくそれらしい振り付けをすれば巨額予算が懐に転がり込む、というのだから「構造改革」は堪えられないだろう。

 「皆さんと一緒に泣き、皆さんと一緒に笑う」政治を志すという。そんなチンケな総理大臣など願い下げだ。一緒に泣いたり笑ったりしたて欲しいとは思わないが、「民の竈は」賑わいにけるのか、と世情を冷静に眺める政治家こそ、現代には必要だ。 
 河野氏の出馬の言には最も転換すべき政治の対立軸は一つとして出て来なかった。それらは「構造改革」であり、「財政規律」であり、そして「消費税廃止」だ。そうしたグローバル化から「国民ファースト」へと政治を展開する理念があるのか。残念ながら、河野氏の出馬の言にそうした政治理念は皆無だった。まさに幼稚な「日本を前に」という言葉に象徴される程度の政治偏差値だということだろう。

 河野氏が描くデジタル化社会とは何だろうか。テレワークが有効なのは「事務部門」などであって、製造現場をテレワークにすることは出来ない。技術を継承するにはテレワークではできない。
 河野氏は「保守主義とは度量の広い、中庸な、あたたかいもの」というが、その自公政権下で自殺者が三万人を超える悲惨な社会現象が起きている。なぜこうなったのか、それは自公政権が「改革、改革」と連呼して実施した「構造改革」により新自由主義社会が日本の隅々にまで行き渡り、格差化と貧困化が進行したからではないか。

 さらに河野氏を批判するなら、ワクチンをEUからではなく米国から輸入したからワクチン接種が進んだ、という説明だが、なぜ国内で製造する方向で積極的に支援や薬事法の規制緩和を行わなかったのか。ファイザー社のワクチンには第三相試験を回避して認証し、日本の製薬会社にはそれを課すとは何事だろうか。
 ワクチン担当大臣として、後進国と一緒になってワクチン市場で奪い合いを日本政府が演じている「醜態」こそ自ら恥ずべきではないか。日本には後進国にワクチンを支援する開発能力も経済力もあるにも拘らず、世界のワクチンを奪い合う競争に参加している事を、ワクチン担当大臣は説明すべきだろう。

 ハンコの廃止にしても、捺印は「既読」の証拠ではないか。あるいは「了承」の意思表示ではないか。そのハンコを廃止して、何が前進したというのだろうか。テレワークで電子ハンコを使う、というのは「既読」記号以上でも以下でもない。デジタル化とハンコは両立しない、というのは古い頭でしかない。
 またデジタル化が必ずしもバラ色でないことを河野氏は知らないのだろうか。大幅にデジタル化を是認したため、全国ネットの不動産屋がネット上の取引で全国を席巻する事態に到ろうとしている。「重説」ですら対面での説明不要とするなど、狂気の沙汰の導入で、現地案内もせず、売主とも仲介者とも「対面」することなく合法的に不動産取引を終えられるとは由々しき事態ではないだろうか。

 河野氏は「全国どこでもテレワークができるような5Gのネットワーク」が必要だというが、普通のテレワークに5Gは不要だ。むしろ邪魔ですらある。なぜなら5G電波は直進性が高く減衰が激しいため基地局を多数設置しなければならないし、5Gがもたらす電磁波の影響を受けやすくなる。しかも5Gの精緻な画面を必要とする分野は医療などに限られ、一般人には関係ない。光回線と4G環境だけで充分だ。そうした説明もなく「5Gに投資する」とは極めて乱暴な話だ。
 「いま日本はなんとなく立ちすくんでいる。その間に他の国がどんどんと前へ進もうとしています」という河野氏の認識も誤っている。立ちすくんでいるのは「いま」ではなく、30年来の「構造改革」により日本を破壊し貧困化させた自公政権の宿痾ではないか。その間も世界は平均2~3%成長を続けていて、日本だけが置き去りにされているだけだ。だから自公政権が続けて来た「構造改革」政治と決別して、「構造改革」以前に回帰する政治を早急に実施すべきだ。「新しい自由民主党総裁としてそして日本の国を引っ張っていくリーダー」になるというが、河野氏は日本を何処へ引っ張っていこうとしているのか。まさかハンメルの笛を吹こうとしているのではないだろう。

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