今年年末に向かってFRBが金融縮小する動機は。

<米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が27日、毎年恒例の経済政策シンポジウムで講演した。FRB高官の大半が「年内開始」に傾いていた量的緩和の縮小について、年内に始めるのが適当だ、との自らの認識を強調。縮小開始のための条件としていた景気の「実質的な一層の進展」を物価面では満たし、雇用面でも着実に前進していると指摘した。 
 「コロナ危機は米経済を重要な側面で変質させており、単に危機前に戻るわけではない。デルタ株が経済に大きな影響を与えるかもまだ定かではない」パウエル氏は17日のウェブ講演でそう語っていた。
 2021年4~6月期の米国の実質国内総生産(GDP)は、コロナ前(19年10~12月期)の水準を超え、日本や欧州などよりも力強い回復を見せてきた。ただ、8月に入ってデルタ株を中心に感染が拡大し、消費者マインドや景況感を示す指数は悪化した。 
 コロナ下の供給難が物価上昇ももたらしており、景気回復のペースを維持できなければ、国民の実質所得が目減りして回復をさらに遅らせる悪循環に陥りかねない。このためFRBは景気過熱のリスクを承知で、危機直後からのゼロ金利政策や、米国債・住宅ローン担保証券(MBS)の買い入れ(量的緩和)など、空前の緩和策を続けてきた。 
 ただ、7月末に開かれた金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)では、参加者のうち「大半」が、21年中に量的緩和で買い入れる資産を減らし、これまでの緩和策を引き締め方向に切り替えることが適切との判断を示していた。 
 米株価は8月下旬に史上最高値圏を推移しており、足元のインフレにもかかわらず、長期金利も低水準に落ち着いている。FRBが今後も長期にわたって緩和的な金融政策を続け、金利を低く抑え込む――。金融市場に参加する投資家の多くが、そう当て込んでいることを示唆するものだ。 
 27日の講演は、米ワイオミング州の避暑地ジャクソンホールで毎年開かれる経済政策シンポの一環。当初は2年ぶりの現地開催が予定されていたが、感染拡大を踏まえ、20日に急きょ、オンラインでの実施が発表された。量的緩和の縮小に踏み切る時期を巡り意見が割れているFRB高官らの見解や、8月の感染状況を踏まえ、パウエル氏がどのような認識を示すか、市場は注視していた>(以上「朝日新聞」より引用)




 国内GDPが「徴税」の原資であることは世界各国共通だ。経済の停滞は税収の停滞に直結する。それは国家政策の選択肢を狭めるだけでなく、米国にとっては軍事予算の縮小を招く安全保障の関わる重大事だ。
 何が何でもGDPを絶えず拡大させる強い要請が米国にはある。もちろん軍拡を背景に「戦狼外交」を展開している中共政府にもGDP拡大の強いストレスが掛かっている。

 この時期に米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が「量的緩和の縮小について、年内に始めるのが適当だ、との自らの認識を強調」したという。その根拠として「景気の「実質的な一層の進展」を物価面では満たし、雇用面でも着実に前進している」との認識があるのだろう。
 しかしパウエル議長が金融緩和の出口戦略を今年年末にも実施する、というのは彼が発言した根拠だけではないだろう。雇用が回復する「見通し」であるから今年12月に「量的緩和の縮小」予定を三ヶ月以上も前からアナウンスするのは異常だ。

 FRBは米国の中央銀行として国家の金融政策に大きく関与しているが、もう一面の重要な役目は米国DSの金庫番だ。ウォールストリートに巣食っている投機家たち(つまりDSたち)が自由に動かせる資金需要が縮小している、ということではないだろうか。
 これまでDSの主な投機先は中国だった。中国経済の急成長を資金面で支えた陰の主役はDSだ。しかしトランプ氏が始めた対中貿易戦争から、対中デカップリング戦略へと締め付けを強くしたのは、中共政府を相手にしているだけではなかった。つまりDSたちに資金投機戦略の転換を迫るものでもあった。

 借入が超過している時は低金利が望ましいが、貸付が超過している時は金利上昇は歓迎すべきだ。DSの資金需要の動向がFRBの金融政策と直結している、と考えるなら今年の年末に向けてDSは中国から投機資金を大幅に引き上げる、いや既に引揚を終了する段階にあるからFRBが金融縮小「予定」を発表したのではないか。
 日本の能天気な企業経営者はこの段階に到っても、未だに対中投資を行うと発表している。米国が自由主義諸国の盟主で、日本が米国と強い同盟関係にあるのなら、米国政府から日本政府に対中投資を制限せよ、と要請が来るのは時間の問題ではないか。この時に慌てふためいても、投資した資金は工場や生産ラインなどに固定化していて、引き上げられなくなっている可能性が高い。引き上げるにはそれらを放棄して帰国するしかないことになる。

 記事にある通り米国経済人の多くは「米株価は8月下旬に史上最高値圏を推移しており、足元のインフレにもかかわらず、長期金利も低水準に落ち着いている。FRBが今後も長期にわたって緩和的な金融政策を続け、金利を低く抑え込む」と見ていた。
 しかしそれはDSの資金需要を考慮しない、純経済政策に従ってFRBは金融政策を実施する、と考えている米国経済人の世界観のなせる業だ。しかし米国を実際に操っているのはDSだ。米国民の多くは「民主主義」を信じ、米国は民主主義国家であると信じたいだろうが、実態はDSが支配する「世界投機帝国」だ。米国主要マスメディアのみならずSNSまでもDS支配下にある。米国を米国民の手に取り戻すには「不正選挙を許さない」選挙制度の全米的な総点検を実施しなければならない。それを2020米大統領選で米国民は学習したはずではないか。

このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。