民主主義サミットでバイデン氏の真意が問われる。

<米ホワイトハウスは8月11日、民主主義諸国の首脳らが参加する「民主主義サミット」をオンライン形式で12月に開くと発表した。

 民主主義サミットはバイデン大統領が就任1年目に開くと公約していた。米国では新型コロナウイルスの感染が再び拡大しており、12月9日から2日間の日程で、オンライン形式で開催することにした。参加国はまだ明らかにしていない。
 ホワイトハウスによると、会議には民主主義諸国の首脳だけでなく、NGOや企業のリーダーも参加する。
①権威主義に対する防御
②汚職との戦い
③人権尊重の促進、
の三つのテーマについて議論し、1年後をめどに対面形式での会合の開催をめざすという。
 バイデン氏は中国などを念頭に、21世紀を「民主主義と権威主義体制の競争」と位置づけ、自国民の生活向上やコロナ禍などの世界的な課題に対処するにあたって、民主主義が優れていることを示す必要があると訴えてきた。
 ホワイトハウスは声明で「バイデン政権はワクチン接種やインフラ投資計画で国内の民主主義を再活性化し、対外的には民主主義諸国との同盟関係を再構築してきた」とこれまでの成果を強調した。12月の会議では、各国の取り組みについて意見交換をして国際的な協調を促進するほか、民主主義が直面している課題についても話し合うという>(以上「朝日新聞」より引用)



 旧聞に属する8月11日の記事を引用することにした。なぜなら12月に自由主義サミットを開催すると決断した直後にバイデン氏がアフガニスタン撤兵を急遽決断したからだ。
 自由主義サミットは世界に残る独裁政権に対し明確なメッセージを打ち出すためだろう。自由・民主主義国に暮らす国民は自由であることが「当たり前」のように考えているが、実は自由・民主主義国は世界で見れば少数派だ。自由主義サミットに参加する国は50ヶ国程度と見られている。

 衆目が集まるのは自由主義サミットに台湾が参加するか否かだ。記事に「ホワイトハウスによると、会議には民主主義諸国の首脳だけでなく、NGOや企業のリーダーも参加する」とある。中共政府が「台湾は中国の一部」だと主張しているのは大嘘だ。歴史的にも台湾が中国政権の統治下にあったことはない。
 台湾が独立した国であることは紛れもない事実だ。百歩譲ったとしても、政治家は台湾に暮らす人々の自由選挙により選出されている。香港のように中共政府の強い影響力の下に住民の自由が奪われてはいない。もちろん台湾政府は台湾全域の統治権も軍事統帥権も掌握している。

 アフガニスタンから急遽撤兵したのは、アフガニスタンと台湾海峡と二面作戦に米軍を割くのは不利だと判断したからではないか。むしろ中共政府がタリバンへ軍事顧問として人民解放軍兵士を派遣し、大量の武器供与を中共政府が行っていることをペンタゴンが掴み、それならタリバンの「お守」を中共政府に任せれば良い、と判断したのではないだろうか。
 敵の敵は味方、という理屈で中共政府はタリバンを支援して来たが、アフガニスタンから米軍が撤退すればタリバンは「敵の敵」ではなくなる。中共政府はアフガニスタンを「一帯一路」と新シルクロードの到達点に位置づけようとしているが、それはアフガニスタンが治安を取り戻してからの話だ。

 タリバンは一枚岩ではない。いわばアフガニスタン国内の地域地域で群雄割拠している盗賊の群れの寄せ集まりでしかない。気に喰わなければ問答無用で丸腰相手でも銃をブッ放つ。彼らにとって平和は争いの種でしかない。絶え間ない戦乱こそがかれらのアイデンティティーだ。
 米国はアフガニスタンから撤退する。後は中共政府に火中の栗を拾わせれば良い。タリバンと中共政府がガッチリと手を握り合うことなど決してない。なぜならタリバンは彼らが日常的に行っている強盗・殺人の正当化のために「イスラム教」を掲げているが、中共政府は習近平氏本人がご本尊になって「中国共産党教」という宗教以外のすべての宗教を排除しているからだ。マホメッドを開祖とするイスラム教と、毛沢東以上に習近平氏を崇拝せよと強制する中共教は相容れない。ただ似ているのは法治主義に基づかない独裁体制という点だけだ。

 米軍はアフガニスタンの泥沼から撤退した。今後は台湾海峡に集中できる。まさに自由主義と軍事独裁政権が鬩ぎ合っている地こそが台湾海峡であり、日本の尖閣諸島だ。
 ロシアと中国が協力してアフガニスタン対策に乗り出すという。ロシアも国内に多くのイスラム教徒を抱え、彼らを弾圧してきた。スタンとはペルシア語で「土地」という意味だ。「~~スタン」という国名の多くはイスラム教徒の暮らす国だ。そうしたスタン国が何処に分布しているか、世界地図を眺めてみるが良い。ロシアと中国がタリバン対策で手を握らなければならない理由が分かるだろう。もちろんウィグル人も元々「東トルキスタン」というイスラム教徒の国民だった。

 バイデン氏の対中政策が本物かどうかは、民主主義サミットにいかなる形であれ、台湾が参加するか否かにかかっている。台湾が民主主義サミットに呼ばれなかったなら、世界中の民主主義諸国はバイデン氏の真意を疑うだろう。彼もまた中共政府に買収された中共のエージェントに過ぎない、のかと。

このブログの人気の投稿

それでも「レジ袋追放」は必要か。

麻生財務相のバカさ加減。

無能・無策の安倍氏よ、退陣すべきではないか。

経団連の親中派は日本を滅ぼす売国奴だ。

福一原発をスーツで訪れた安倍氏の非常識。

全国知事会を欠席した知事は

安倍氏は新型コロナウィルスの何を「隠蔽」しているのか。

自殺した担当者の遺言(破棄したはずの改竄前の公文書)が出て来たゾ。

安倍ヨイショの亡国評論家たち。