日本を非常事態に迅速に対応できる国に。

<欧州各国は、イスラム主義組織タリバンが実権を握ったアフガニスタンから欧州市民やアフガン人協力者らを退避させる作戦の終了を余儀なくされている。欧州では31日の駐留米軍撤収期限を延長するよう求める声が上がっていたが、バイデン米大統領が期限堅持の姿勢を示し、安全上の懸念が拭えないためだ。

 ベルギー政府は25日、首都カブールの空港からの退避作戦を終えると決定。デクロー首相は26日に記者会見し、米国などから「空港周辺で差し迫った自爆テロの危険があるとの情報を得た」と説明した。ベルギーは軍用機を派遣してこれまでに1400人以上を出国させた。作戦に当たった人員全員も隣国パキスタンに移動させた。
 フランスのカステックス首相は26日の仏テレビで、27日に退避作戦を終了する方針を表明。約2500人を退避させてきたものの「27日夜からは空港からの退避を進めることはもうできない」と語った。オランダ政府も26日中の退避終了を発表し、声明で「オランダに退避する資格のある人々が残される。つらい瞬間だ」と強調した>(以上「時事通信」より引用)   


<加藤官房長官は27日午前の記者会見で、アフガニスタンからの邦人らの退避について、「情勢は流動的で、予断を許さない状況にあるが、努力をさらに継続していきたい」と述べ、中止しない方針を表明した。
 政府はカブールの国際空港に外務省職員や自衛隊員を派遣し、情報収集や関係機関との調整にあたっている。27日中の退避完了を目指しており、バスを用意し、退避を希望する邦人数人の空港への移送を検討しているという。外務省幹部は「今日中に最大限、退避させたい」と語った。
 26日のテロの前、政府は航空自衛隊のC2輸送機とC130輸送機を空港に派遣した。しかし、退避の対象となる邦人や日本大使館などで働いていたアフガン人とその家族が空港に集まらなかったため、両機とも、そのまま活動拠点とする隣国パキスタンの首都イスラマバードの空港に戻った。
 現在、イスラマバードの空港でC2輸送機1機とC130輸送機2機が待機している>(以上「読売新聞」より引用)




 欧州諸国は既にアフガニスタンから撤退を終えている。カナダも撤退を終えている。先進主要国で撤退が未だ完了していないのは米国と日本だけだ。ことに日本の対応は極めて弛緩しきっている。
 米国は米国民の大半の撤退が終わったが、まだ1,500人ほど残っているという。日本は最大500人を想定しているという。大型輸送機なら一度で運べる人数だが、空港まで辿り着く手立てがないという。

 タリバンが政府を掌握したというが、それを嘲笑うかのようにISの自爆テロが空港近くで勃発して、米兵や現地人など数百人が死傷したという。無法者が支配する都市に別の無法者が治安の混乱を狙って自爆テロを仕掛ける。
 彼らにとって人が爆発でフッ飛ぶことや、金品を強奪されることは日常的な出来事でしかない。人を殺すことや財産を奪うことは、すべて「神の思し召し」だという。それが本当にマホメッドの教えとは思えない。彼らこそイスラム教を冒涜する、罪深い罰当たりではないか。

 しかし日本政府・外務省のチンタラぶりには呆れて言葉もない。現地大使館は何をしていたのだろうか。他の欧州諸国の大使館員と情報共有していなかったのだろうか。
 日本政府のガバナンスの低下を見せつけられているようだ。政治家は三流だが官僚は一流、だといわれていた日本の優秀な官僚たちは何処へ行ったのだろうか。無能・無策な官邸が官僚のトップ人事権を握ったからといって、官僚の質を自公政権・官邸レベルに落す必要はないだろう。

 菅氏は口先では「国民の健康と命を守る」といいつつ、オリンピックを強行し、そして感染爆発している段階でもパラリンピックを強行開催している。本当に自公政治家たちはどうかしている。
 「人の命は地球より重い」はずではなかったか。武漢肺炎で何人死のうが、オリンピックの方が優先する、と菅自公政権は判断している。国民はこのことを決して忘れてはならない。選挙の投票日が済むまで、決して忘れてはならない。

 武漢肺炎の感染対策に関しても、日本は非常事態に的確に対応できない国だった。世界にある島国で武漢肺炎ウィルスを「防疫」で国内感染を防げなかったのは英国と日本だけだ。ことに台湾やニュージーランドは国内感染を徹底して防疫した。
 ことほど左様に、日本は迅速な危機対応が苦手なようだ。現地アフガニスタンの日本大使館は欧米大使館と連絡を取り合ってこなかったのだろうか。彼らは何のために現地日本大使館で勤務しているのだろうか。邦人の安全保護のために最大限の努力をしていたのだろうか。

 紛争が起きる可能性があったのはアフガニスタンだけではない。現在も国内がいつ大混乱に陥ってもおかしくない国は、残念ながら世界にたくさんある。隣国、中国は国内大混乱にいつ陥ってもおかしくない国の筆頭ではないだろうか。数万人ともいわれる邦人をいかにして安全に退去させられるか、外務省は検討しているのだろうか。
 米国は中国内での武漢肺炎の感染拡大の事態を受けて、2020年1月31日に米国民の渡航中止勧告と大使館員の国外退去を実施している。しかし日本政府はどうだっただろうか。緊急事態に際して、政府・官僚諸氏は迅速に対応できる国に日本を変えるべきだ。

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