日本の独立を脅かすのはデフレ経済だ。

<16日発表された4~6月期の実質国内総生産(GDP)は2四半期ぶりのプラス成長だったが、新型コロナウイルス禍の長期化で前期の落ち込みを取り戻すには至らなかった。政府のコロナ対策は自粛要請を無視する人が増えたことで実効性が揺らぎ始めており、変異株の急速な拡大が経済活動の正常化に影を落とす。

「非常に複雑な思いだ。今は経済を抑制しながら感染拡大を抑えなければならないが、若者を中心に非常に強い消費意欲を感じる」
 西村康稔経済再生担当相は16日の記者会見で、成長率のプラス転換に手応えを示しつつも、政府の外出自粛要請に従わない消費活動の活発化に苦言を呈した。
 4~6月期の実質GDPは金額ベースで前期比年率1・7兆円増にとどまり、マイナス成長だった1~3月期の損失(5兆円)を3割穴埋めしたに過ぎない。それでも4月以降の3回目の宣言発令で2四半期連続のマイナス成長が懸念される中では「想定していたより強かった」(西村氏)。

 海外経済の回復を受けた輸出や設備投資の回復基調に変化はなく、想定外に強かったのは0・8%増と2四半期ぶりにプラス転換した個人消費だ。巣ごもり消費の下支え効果もあるが、政府は飲食店が政府要請を無視して酒類の提供を続けるなど、自粛疲れが広がった裏返しと警戒を強める。
 感染力が強いデルタ株が「災害レベルの非常事態」と指摘されるほど拡大したのは、変異株に対するワクチンの有効性低下に加え、政府の要請に耳を貸さない人流の拡大も背景にある。飲食店の酒類提供停止の徹底で取引先の金融機関に圧力をかけるよう求め、批判を浴びて撤回するといった西村氏自身の言動も政府への不信感に拍車をかけた。

 一方、政府の経済予測ではワクチン接種の進展で個人消費の回復が加速し、GDPが今年10~12月期までにコロナ前(令和元年10~12月期)の水準に回復すると見込む。ただ、4回目の宣言が8月末から9月半ばに延長されれば個人消費に一層の下押し圧力がかかる。
 野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは「V字型回復シナリオは大きく修正を迫られている」と指摘し、コロナ前水準に回復する時期は4年4~6月期まで後ずれするとみている。

 英国が12日発表した4~6月期のGDP速報値は前期比年率20・7%増の大幅プラスになるなど、欧米ではワクチン接種の進展で外食や宿泊といった経済活動の制限が解除され、個人消費の回復が進んでいる。ワクチン接種の遅れにコロナ対策の〝漂流〟が重なった日本では、こうした出口戦略へと進む道筋も見えず、出遅れ感が際立っている>(以上「産経新聞」より引用)



 4-6四半期のGDPがプラスだったとという。しかしプラスとかマイナスというのは「対前期比」であることを忘れてはならない。だからプラスに転じたといっても「4~6月期の実質GDPは金額ベースで前期比年率1・7兆円増にとどまり、マイナス成長だった1~3月期の損失(5兆円)を3割穴埋めしたに過ぎない」から、以前として「通期」ではマイナスのままだ。
 個人消費はGDPの主力エンジンだ。個人消費が回復しない限り、力強い経済成長は見込めない。コロナ禍が個人消費を阻んでいるから伸び悩んでいる、と政府やエコノミストたちは分析しているが、政府統計では「旅行・月謝等」の支出は個人消費の7.2%でしかないし、外食費に到っては5.5%ほどだ。

 それに反して個人消費の最も大きいのは「食費」だ。実に25.3%を占めている。人は食べなければ死んでしまうから当然だが、貧困層ほどエンゲル係数が高く、景気とは無関係に支出額は硬直的だ。
 つまり先のコロナ感染爆発で切り詰められた5兆円が旅行や外食費だったとして、4-6期に1.7兆円しか回復しなかった、というのは頷けない。なぜなら旅行や外食の自粛は依然として続いていたからだ。

 ごちゃ混ぜになっているが、消費税の10%増税が尾を引いているとしか思えない。消費税は個人消費の「抑制策」だ。政府が個人消費のブレーキを踏んで、「さあ個人消費を増やせ」と掛け声をかけるのは大きな矛盾だ。
 景気を回復するには消費税を廃止すれば良い。そして個人消費税が補填する格好になっている法人税の減税を、旧に復すことだ。法人税減税の理由とした「外国資本の流入を促すため」との目論見通りに外国資本の流入があっただろうか。外国投機家(主として中国人だが)が日本の不動産を買いまくっているのは長く続いているデフレ経済で日本の不動産が外国と比較して「割安」になっているからだ。つまりデフレ経済は資産価値の下落を招くからに他ならない。インバウンドが増えたのも、経済成長している外国と比較して日本の物価が安いからに他ならない。

 記事で「野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは「V字型回復シナリオは大きく修正を迫られている」と指摘し、コロナ前水準に回復する時期は4年4~6月期まで後ずれするとみている」と楽観的な見通しを立てているが、デフレ経済構造を転換しない限り日本の「国民が広く実感する」景気回復はあり得ない。
 安倍自公政権時に御用経済評論家たちが「イザナギ超えの好景気」と評していたが、景気など少しも良くなかったではないか。シンクタンクの多くは政府統計などの外注を受ける「政府の顧客」のため、政権を批判するような経済分析や景気見通しを立てることは出来ないようだ。しかし、それでは国民が誤った認識を持つことになりかねない。

 景気を抜本的な回復させるには経済構造の転換を図るしかない。まず「財政再建論」の呪術から政界が解かれ、経済評論家たちが純粋に経済原理に基づいた論理を述べるようにならなければならない。
 具体的な処方箋の一部は先に経産省が発表した計画をベースに、消費税廃止や財政出動によりデフレギャップの解消を行うことだ。そのためには強力な政策実現の手腕が新政権には必要不可欠だ。

 日本に残された「時」はそれほど長くない。一日も早く経済成長路線へ日本経済を乗せなければ、日本は中国に呑み込まれかねない。コロナ禍は今後とも長く続く思わなければならない。来年には終息するだろう、といった楽観的な考えは捨てるべきだ。コロナ禍が続いても、それを跳ね返すだけの経済成長を実現する政策でなければならない。政府のみならず、国民も「経済成長するゾ」と決意して、新規政権を支持するしか、日本が「独立国家」として生き残る道はない。

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