アフガニスタン復興には数百人の中村哲氏が必要だ。

<アフガニスタンでイスラム主義組織タリバンが首都カブールを制圧し、国家運営の実権を掌握してから22日で1週間。タリバンは、米軍協力者を含む全国民の「恩赦」や女性の権利の保障など融和姿勢を打ち出したが、この間も戦闘員による「反体制派狩り」といった抑圧の実態が次々に判明。国民の将来への不安は高まる一方だ。

◇ジャーナリスト弾圧
 ドイツの放送局ドイチェ・ウェレは、タリバン戦闘員が18日、同局所属のジャーナリストを捜す過程で親族を射殺したと報道。「良心の呵責(かしゃく)がない」行為で、「タリバンがジャーナリストの組織的捜索を行っている証拠だ」と強く批判した。他にもジャーナリストの殺害や誘拐の情報が浮上している。
 タリバン戦闘員は、カブールをはじめとする都市部で住宅を一軒一軒回り、批判的な市民のあぶり出しを進める。地元ジャーナリストは電話取材に、「海外の記者とやりとりをした後、メッセージを消去するようにしている。証拠が残っていると自分や家族の身に危険が及ぶ」と打ち明けた。
 ロイター通信は21日、「タリバンメンバーが起こした複数の残虐行為や犯罪について耳にしており、捜査する」というタリバン幹部の話を伝えたが、実現するかどうかは不透明だ。

◇タリバン旗拒否、反攻準備も
 タリバンのザビウラ・ムジャヒド報道担当者は17日、カブール制圧後初めて開いた記者会見で、公務員や崩壊したガニ政権関係者を含め、全国民を恩赦すると表明。「イスラム法の枠内」での女性の権利保障や報道の自由にも言及し、新体制に協力するよう求めた。
 しかし国民の間では、極端なイスラム教解釈に基づく恐怖政治を敷いた2001年までの旧タリバン政権の記憶は鮮明だ。今月15日にカブールが陥落すると多数の市民が空港に押し寄せ、滑走する米軍機にしがみついた人が離陸後に墜落死する事故も起きた。
 抵抗の動きも出始めている。19日の独立記念日に前後して、タリバン旗ではなくアフガン国旗を掲げたデモが各地で行われ、一部がタリバン戦闘員と衝突し、死者を出す事態に発展した。カブールの街角で、女性が政治や経済活動への参加を求めプラカードを掲げる姿も報じられている。
 サレー第1副大統領は17日、大統領を務めていたガニ氏が国外逃亡したことを受け、憲法上の規定を基に「私が正統な暫定大統領だ」と宣言した。かつてタリバンとの戦闘で名をはせた故マスード司令官の息子が、本拠とする北部パンジシールにサレー氏を迎え、反攻の準備を進めているとも伝えられる。
 各国のタリバンに対する疑念が解消する気配はない。先進7カ国(G7)外相による緊急テレビ会議後に発表された声明は、女性や少数派の人権尊重、「アフガンの将来のための包括的話し合い」に関与していくと強調し、タリバンをけん制した>(以上「時事通信」より引用)



 ドイツ人ジャーナリス一家三人がタリバン兵によって殺害されたという。何という事だろうか。マスメディアにはアフガニスタン政府瓦解とタリバンによる首都制圧を「開放」ででもあるかのように報じていた向きもあったが、これがタリバンの実態だ。
 記事に「タリバンは、米軍協力者を含む全国民の「恩赦」や女性の権利の保障など融和姿勢を打ち出したが、この間も戦闘員による「反体制派狩り」といった抑圧の実態が次々に判明」したとあるが、そうしたことは当初から分かっていた。だから空港から航空機が飛び立つと知った市民が大挙して押し掛けたのだ。

 なぜ「当初から分かって」いたのか。理由は簡単だ。タリバンは生産手段を持たなければ耕作する農夫たちでもないからだ。彼らは日常的に略奪し、人を殺し続けてきた。いわば「強奪」が仕事だからだ。
 政権を掌握しても、彼らに統治能力はない。ただ銃で脅して市民から「強奪」するだけだ。「税」の徴収にしても、彼らに法治の概念はない。おそらく「強奪」と「徴税」の区別すらつかないのではないか。

 敵とジャーナリストの区別がつけば、そして社会的な常識を弁えていればジャーナリストを銃殺することはない。なんとも愚かな連中が国家支配を始めたものだ。
 米国が手を引いたら、たちまち中国が援助しているという。いや何年も前から人民解放軍が兵器無償貸与や軍事顧問を派遣していたというから、米国がアフガニスタンで戦っていた敵は中共政府だったともいえる。空港から飛び立とうとする米軍機に群がるアフガニスタン市民が振り落とされる様を、中国国内では繰り返し報じられているという。「米軍は敵に背を向けて、市民を振り払って逃げる卑怯者だ」と、さっそくプロパガンダに使っているようだが、それは明日の中国の姿だ。

 私は占い師ではないが、そうした中国の姿が見える。なぜか、理由は簡単だ。中国は旧・ソ連がやろうとしたことと、米国が20年間もやって来たことと、同じことをアフガニスタンで「タリバン」というタチの悪い連中相手にやろうとしているからだ。
 社会を安定させ、市民生活を秩序あるものにするには「法治国家」を構築する必要がある。断じて「神の名による独裁政権」であってはならない。もちろん「中共」という名の「宗教」であってもならない。

 そのためめには無数の「中村哲氏」が必要だ。灌漑を行って農地を開墾し、自作農家を育成しなければならない。同時に起業家を支援して、国内に基本的な産業を興さなければならない。そのための金融の仕組みを構築しなければならないし、それらを担う人材を育成しなければならない。
 そうした事業は未開の地だった朝鮮半島や台湾で、かつて日本が行った「近代化」政策そのものだ。教育施設を全土に建設し、現地人が学びやすい「文字」を学校教育に導入し、公衆衛生を高めるために病院を全土に建設し、病院で働く人材の養成機関を建設しなければならない。そうした諸施策をタリバンは実行できるか。おそらく無理ではないか。彼らは手軽に食糧を手に入れるために「支援国」として名乗りを上げた中国を恫喝し続けるだろう。

 中国は米国と違って、アフガニスタンと陸続きだ。しかもウィグル人の新疆で国境を接している。タリバンとウィグルは同じマホメッドを開祖と仰ぐイスラム教徒だ。タリバンはいつでもウィグルと手を組んで、中国内でテロを開始してもおかしくない。
 中村哲氏をお手本とする援助を行うべきだが、中国にそれは出来ない。彼らもまた「強奪」の歴史しか持たないからだ。共産主義革命、などというのは単なる強奪と殺害を糊塗するための方便でしかない。タリバンと中共政府の中国は鏡に映った双生児ほど酷似している。

 アフガニスタンはどうなるのか。当分は様子を見るしかないが、今後は単なる「支援」や「援助」は決してしないことだ。もちろん人道的支援も、だ。
 そしてアフガニスタン人が自助努力できるような国造りに関してだけ、援助すべきだ。かつて日本が併合した朝鮮半島や台湾で実施した政策に沿った援助を行うべきだ。まさしく中村哲氏が教えてくれた「援助」のあり方を踏襲すべきではないか。

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