すべては子供たちのために。

<放課後や夏休みなどに子供たちが利用する「放課後児童クラブ(学童保育)」と障害児が通う「放課後等デイサービス(放課後デイ)」で、2020年度までの5年間に、利用者へのわいせつ行為が確認された職員は少なくとも44人、被害者は69人に上ることが読売新聞の全国調査でわかった。わいせつ事件の犯歴を隠して採用され、再び犯行に及ぶ例もあり、学校現場でのわいせつ教員問題に続き、子供たちを預かる施設でも課題が浮かび上がった。

 読売新聞は7月中旬~8月上旬、全都道府県、県庁所在市、政令市、中核市、東京23区の計156自治体に全国調査を実施。NPO法人や民間企業が運営する「民営」の施設についても、自治体が把握している事案について尋ねた。両施設でのわいせつ被害の実態が明らかになるのは初めて。
 施設別に見ると、わいせつ事案で逮捕されるなどしたのは、学童保育では職員19人、被害を受けた子供は30人。放課後デイでは、同様に職員25人、被害を受けた子供は39人に上った。一部自治体は「被害者やプライバシーの保護」を理由に処分者などの人数や被害者数を非公表とした。
 小学生が対象の学童保育には、保育士や教員免許などの資格を持った放課後児童支援員ら約16万人が、放課後デイには保育士や実務経験を積むなどした児童指導員ら約7万人(常勤換算)が勤務する。

 共働き世帯の増加などを受け、両施設を利用する子供は増えている。学童保育は19年には、2万5881か所、利用者数129万9307人と、いずれも過去最多を更新。放課後デイも、施設数は12年度の2887か所から、19年度は4倍以上の1万4046か所、利用者数も22万6610人と増加傾向だ。
 そのため、人材の確保が各施設で課題となっている。資格を持たない職員をアルバイトで雇うところも多く、今回の読売新聞の調査でも、わいせつ行為が確認された44人のうち、15人はバイトなどの非正規職員だった。
 また、現状では採用時、過去の処分歴で虚偽の申告がされた場合、採用側が事実確認できる仕組みはない。昨年11月に千葉県内の学童保育で、男児にわいせつ行為をして有罪判決を受けた男は、その8か月前にも、岡山県の学童保育で同様の事件を起こしていた。
 こうした問題を受け、5月末に成立した「教員による児童生徒性暴力防止法」の付則には、子供に接する業務に就く者の性犯罪歴を照会する制度の検討が明記された。

 ◆放課後等デイサービス=学校に通う6~18歳の発達障害や知的障害などがある子供を、自治体の指定を受けた施設が放課後などに受け入れる制度。児童福祉法に基づき、2012年度に始まり、19年度の利用者は約22万7000人。社会福祉法人やNPO法人、企業などが運営する>(以上「読売新聞」より引用)



 働き方改革による女性の社会進出や少子高齢化対策の一環として、多くの小学校で放課後に希望する児童を預かる「児童保育」が実施されている。安心して子供を預けられる「場」があってこそ女性の社会進出が促進できるし、シングルマザーの暮らしを支援する一環としても必要な制度だ。
 放課後の子供を「性被害」から守り、犯罪に巻き込まれないようにする「児童保育」が、しかし信頼して預けた職員がわいせつ行為を働いていたとは言語道断だ。子供たちのための施設で子供たちがネグレクトされているとは。

 読売新聞が7月中旬~8月上旬、全都道府県、県庁所在市、政令市、中核市、東京23区の計156自治体の「放課後児童クラブ(学童保育)」と「放課後等デイサービス(放課後デイ)」で、2020年度までの5年間に関して全国調査を実施した努力に敬意を表する。
 本来なら文科省が全国都道府県の教育委員会に命じて調査すべき仕事だ。国民の多くは当然そうした「放課後児童クラブ(学童保育)」と「放課後等デイサービス(放課後デイ)」の「成果報告」を文科省が取り纏めていると思っているはずだ。私もそうした一人だった。

 しかし自分たちが作った制度がいかなる成果を上げているか、いかなる不都合に結果を出しているか、詳らかに報告を求めてなかったとは驚く。少なくとも文科省が「放課後児童クラブ(学童保育)」と「放課後等デイサービス(放課後デイ)」で預かった児童が性被害を受けていないか、という実態調査をして来なかったとは。
 記事によると「学童保育は19年には、2万5881か所、利用者数129万9307人と、いずれも過去最多を更新。放課後デイも、施設数は12年度の2887か所から、19年度は4倍以上の1万4046か所、利用者数も22万6610人と増加傾向」で、「人材の確保が各施設で課題となっている。資格を持たない職員をアルバイトで雇うところも多く、今回の読売新聞の調査でも、わいせつ行為が確認された44人のうち、15人はバイトなどの非正規職員だった」という。

 しかも教育観県機関に問題があると思われるのは「昨年11月に千葉県内の学童保育で、男児にわいせつ行為をして有罪判決を受けた男は、その8か月前にも、岡山県の学童保育で同様の事件を起こしていた」という。千葉県で岡山県の事件報告を認識してなかった、というのでは話にならない。性事件を起こした犯人は再犯を起こしやすいという。なぜ情報の共有がなされてなかったのか、全国の教育委員会と文科省には猛省を促したい。
 ことほど左様に、制度を作って予算を配分したから国家・官僚の役目は終わりだ、というのではない。何であれ、国会で法整備し作った制度が所期の目的通り効果を上げているのか、と同時に目的に反するような不都合なことは起きていないか、と所管する省庁は成果報告を求めているはずだ。しかし「放課後児童クラブ(学童保育)」と「放課後等デイサービス(放課後デイ)」に関する児童たちの「性被害」事件は起きていないか、という制度の本質にかかわる問題を疎かにしていたとは。

 少子高齢化対策や子育て支援政策が、一方で児童を性被害に晒しているという由々しき問題があることを全国の教育関係者は再認識して、「放課後児童クラブ(学童保育)」と「放課後等デイサービス(放課後デイ)」を再点検すべきだ。現在は夏休みで、学校に代わって「放課後児童クラブ(学童保育)」や「放課後等デイサービス(放課後デイ)」が朝から活動している。
 事件化していない性被害を受けている児童はいないか、全国の教育関係者は所管する地域の「放課後児童クラブ(学童保育)」や「放課後等デイサービス(放課後デイ)」を巡回してはどうか。果たして規定通りに運営されているか、実地調査することも児童の性被害を防ぐのに有効ではないか。そして雇用している職員の適正に関して、もう一度洗い直してはどうだろうか。

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