台湾や尖閣の事変に際し、米軍はアフガニスタンと同様にスタコラと逃げ出すか。

<沖縄県・尖閣諸島周辺の領海に19日夕、中国海警局の船4隻が相次いで侵入した。海上保安庁が確認した。尖閣周辺の接続水域外側でも同日夕、約100隻の中国漁船が操業しているのが確認された。16日の休漁期間明け以降、数十隻が連日確認されていたが一気に倍増した。米軍のアフガン撤退の「失策」が伝えられるなか、中国の「暴走」を許してはならない。

 第11管区海上保安本部(那覇)によると、海警局船4隻は19日午後4時ごろ、2隻ずつに分かれて、南小島と魚釣島の領海に侵入した。うち1隻は機関砲のようなものを搭載していた。同日午後5時半ごろから領海外側の接続水域に出た。海警局船による領海侵入は今年31日目。
 中国漁船も注目だ。同日午後5時ごろ、尖閣周辺の接続水域外側では約100隻が確認された。16日に約50隻、17日に約30隻、18日に約50隻が確認されていた。日中漁業協定で、尖閣の領海外側では中国漁船も操業が認められている。
 第11管区海上保安本部の広報担当者は「(中国漁船は)増加傾向だ」「(領海に入らないよう)監視を強めている状況だ」と語った。

 2016年8月の禁漁明けには200~300隻もの中国漁船が尖閣周辺に押し寄せた。今後、中国漁船の大量領海侵入もあり得るのか。
 東海大学海洋学部の山田吉彦教授は「中国は尖閣周辺での既成事実づくりのため、『漁船を入れなければいけない』と考えているようだ。中国の支配体制を対外的に示す目的もある。周辺海域での日米の活動や、台風の影響などで抑えられているが、スキをついて増える可能性は十分にある。日本としては違法行為があれば、明確に法執行しなければならない。警告に留めれば、日本が中国の既成事実づくりに協力することになりかねない」と語った>(以上「夕刊フジ」より引用)



 傀儡政権を護ることなく、アフガニスタンから米軍が撤退したから、日本が攻撃されたなら米軍は日本を守ることなく撤退するのではないか、との疑心暗鬼を口にする評論家がいる。そうした評論家は米軍が米国の世界戦略の一環として動いていると考えてない。
 米軍は米国のために存在している。決してアフガニスタンのために存在しているのではない。だからアフガニスタン国民が自らの国を守ろうとしないのなら、米軍が代わりに血を流し続ける意義を見つけるのは困難だ。

 しかし日本の場合はアフガニスタンとは異なる。衰えたり、といえども世界で第三位の経済力を誇る国だ。しかも米国本土防衛には欠かせない防衛ラインに位置している。
 日本が中国に寝返ったなら、米国にとってこれほどの悪夢はないだろう。反対に中国にとって日本列島が米国からの攻撃の防波堤に位置している。中国にとっても日本は要石に位置している。

 そう考えるなら、米国の対日政策は伝統的に間違っていた。米国の対日基本政策はつい先日まで「近攻遠交策」だったからだ。日米開戦を策したルーズベルト大統領は「日本人を滅ぼす」とまで言い切っていた。
 戦後も米国が日本を支援したことなど一度もない。終戦直後の食糧難に際して、米国は小麦を援助してくれたではないか、と考えている人がいるかも知れないが、それは間違っている。米国は牛の飼料にする「古小麦」を日本に売りつけただけだ。日本政府は終戦直後の逼塞した国家予算の48%に相当する価格を支払っている。敗戦直後の日本国民の食糧を確保する責任はGHQにあったが、そうした基本的なことまで米国は無視した。

 戦後も一貫して米国は日本を叩き続けた。日本が自助努力で経済復興し、戦後十年余りで一人前になると米国は日本に激しく嫉妬し「繊維交渉」で日本を叩いた。次は戦後二十年余に「ニクソンショック」という為替切り下げ策により、日本の「円」を二倍も高くして日本製品の輸出競争力を削いだ。
 その後も「半導体戦争」や「プラザ合意」など、日本は常に米国によって叩かれ続けた。日本の戦後史は「戦勝国・米国」による日本叩きの歴史だ。米国民は日本国民の深層心理に、マグマのように溜まっている「米国への反感」を気にした方が良い。

 米国が戦後一貫して日本を叩き続けたから、経済界は「親中派」になっている。いかに米国相手に頑張っても、日本が頭をもたげそうになるとコツンと叩く。それが何度も続けば、余程のバカでない限り学習する。
 だが習近平氏に思慮分別が欠落していることが米国を救っている。日本の尖閣諸島近海へ海警船や大量の漁船(船員の大半は漁師ではなく人民解放軍兵士だ)を派遣して、日本政府と国民を震撼ならしめて、「尖閣諸島を占領するゾ」と脅している。そうした愚行が日本国内に「嫌中派」を増やしている。全くの逆効果だということを習近平氏は知らないようだ。

 台湾進攻にしても「侵攻して奪い取るゾ」と脅すよりも、中国が民主化して台湾と価値観を同一にして、台湾を包含する形になった方が「台湾併合」に抵抗が少ないのではないだろうか。
 しかし軍事力で併合する、と脅せば脅すほど台湾は頑なになる。米国や日本も「軍事力で威圧する」中国に反感が募るだけだ。かつて世界最大の超大国と正規軍で戦争した日本を、中共政府は舐めていないか。脅せば何とかなる、と日本を見縊ってはダメだ。

 尖閣諸島に中国軍が上陸すれば、諸島近海を封鎖して上陸した中国軍を孤立させるだけだ。自ら「島流し」に幽閉されに来る愚行を中国軍が実行しても、日本が恐れることは何もない。海中の支配権は日本の自衛隊が握っている。中国は手も足も出せない。
 かえってロシアに日本の恐ろしさを教える絶好の機会だ。北方領土周辺海域を日本が海上封鎖する能力と可能性があることをロシアが知れば、返還交渉も少しは変わって来るだろう。軍事力至上主義国を相手に「話し合い」で事を済ませるのは出来ない。いつかは軍事衝突する、と想定して備えることが必要だ。その際、米軍がアフガニスタンのように逃げ出しはしないか、と考える必要はない。なぜなら日本や台湾が中国の手に落ちたなら、米国は本土防衛にハワイとグアムしかないからだ。他の太平洋の島々に中国はすでに懐柔すべく手を打っている。米国の安全保障が危機ら晒される事態になることを、米国政府は熟知している。

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