政府のワクチン管理はコンビニのPOSシステム以下か。

<菅義偉首相が新型コロナウイルス対策の切り札と位置付けるワクチン接種が全国で進む中、政府と自治体の間で約4000万回分の所在をめぐる認識のずれが生じている。市区町村に配分済みとする政府に対し、首長らは「在庫はない」と反論。混乱が続いている。

 「直近の実績で約4000万回分は接種が行われてない」。加藤勝信官房長官は16日の記者会見で、自治体側に未接種分のワクチンが残っていると指摘。計画的に接種を進めるよう求めた。
 争点となっているのは、市区町村の個別接種で使用しているファイザー製ワクチンの所在だ。政府は、6月までに供給した8800万回分のうち、内閣官房が運用する「ワクチン接種記録システム(VRS)」のデータに基づき、接種実績を約4800万回分と説明。残りは「自治体や医療機関が持っている」(加藤氏)との立場だ。
 これに納得できないのが自治体側。現在保有するワクチンは「2回目の接種用で在庫というのは大きな間違いだ」(関係者)と反論する。
 また、VRSへの入力作業に遅れが生じており、実際の接種実績はもっと多いとも主張。大阪市の松井一郎市長は15日、記者団に「各医療機関に聞き取りしたが、1週間分以上の在庫がある所はない」と訴えた。
 政府は8月以降、ワクチンの在庫が多いと判断した市区町村について、供給を減らす仕組みを導入する。これに対し、1日100万回接種などの政府目標の実現に協力してきた自治体側は「はしごを外された」(全国知事会関係者)と猛反発している。
 政府内には「接種が進むのであれば多少の混乱はやむを得ない」(首相周辺)との意見もある。ただ、自治体との関係悪化は接種ペースの遅れにつながりかねない。混乱が拡大して国民の不満が高まれば、内閣支持率の低迷に苦しむ菅政権にとって、致命傷となるリスクもはらむ >(以上「時事通信」より引用)




 まさか4,000万回分のワクチンが行方不明になっているという。その根拠は「市区町村の個別接種で使用しているファイザー製ワクチンの所在だ。政府は、6月までに供給した8800万回分のうち、内閣官房が運用する「ワクチン接種記録システム(VRS)」のデータに基づき、接種実績を約4800万回分と説明」だから「残りは「自治体や医療機関が持っている」(加藤氏)と主張するのが政府の立場だ。
 しかし「隠匿している」と指摘された地方自治体は大迷惑だ。それも8,800万回分の4,000万回分というから穏やかではない。実に政府が地方自治体へ配布した45%が隠匿分だという。政府は「不足などない」と躍起になっているが、地方自治体は「ない」という。一体どちらが正しいというのだろうか。

 それにしても管理の杜撰さだけが浮き彫りになる。IT担当大臣を設けたのは何のためだろうか。せめて米国から輸入されたワクチンパッケージごとでもバーコードを付して、それをワクチン担当大臣所管の下、パッケージごとにバーコードで納品管理していれば、どの地方自治体に何パッケージを送り、そしてその地方自治体から報告されたワクチン接種回数も同じシステムで管理していたなら、簡単な引き算で地方自治体の在庫管理は出来たはずだ。
 そうした手も尽くさず、ただ出鱈目にワクチンを地方自治体へ発送していたとしたら、そのことの方が問題だ。政府はIT担当大臣を何のために設置したのだろうか。まさか国民を監視し管理する中共政府の真似事をするために設置したのではないだろう。

 引用記事の最後の章で「政府内には「接種が進むのであれば多少の混乱はやむを得ない」(首相周辺)との意見もある。ただ、自治体との関係悪化は接種ペースの遅れにつながりかねない。混乱が拡大して国民の不満が高まれば、内閣支持率の低迷に苦しむ菅政権にとって、致命傷となるリスクもはらむ」と指摘しているが、なんとも卑しい考え方だ。
 すべての政策を政府の人気取りと考えるのではなく、国家と国民のために最も良い方途を政府・地方自治体や官僚・公務員は探るべきだ、と素直に考えるべきだろう。

 マスメディア批判はおくとして、ワクチンの所在を明確に政府が把握していないことに驚く。記事では「内閣官房が運用する「ワクチン接種記録システム(VRS)」のデータに基づき、接種実績を約4800万回分と説明。残りは「自治体や医療機関が持っている」(加藤氏)との立場だ」とある。それなら各地方自治体も納入されたワクチン数と接種したワクチン数をそれぞれ地方自治体のシステムで管理している、ということなのだろうか。
 IT化の時代で、すべてのコンビニやスーパーなどの小売店で普通に実施されている「商品管理システム」がワクチン管理に適用されてない、という実態こそが「杜撰」の一言に尽きる。官僚たちはこうした「業務」全般で日常的に「納品・出庫」管理してないのだろうか。たとえば選挙の投票券数などに関してだ。

 ワクチンを隠匿していると指摘された地方自治体側は「VRSへの入力作業に遅れが生じており、実際の接種実績はもっと多いとも主張」しているというが、まさか「手」で入力しているのか。そうだとすれば政府はVRSに一体いつの時代の管理システムを使っているのだろうか。
 ワクチンを個々のパッケージごと管理してなくて、いつ米国から搬入されたワクチンが、輸入後の何日で接種されたか、という基本的な在庫管理が出来ていないということなのか? 確かファイザー製ワクチンの有効期間は冷凍保存しても一週間程度と極めて短かったと記憶している。個々のワクチン・パッケージごとに管理してなくて、政府は個々のワクチンの有効期限の管理が出来ているのか心配になる。

 日本の防疫体制が「ザル」だと何度も批判してきた。一事が万事、政府の「管理システム」がすべて時代遅れで、現代版にバージョン・アップされてない、ということなのだろうか。海外から入国するすべての個々人を追跡するには、個々人の出入国パスポートにバーコードを付して、コロン後の出・入国者にパスポートの携帯を義務付けて、それで管理すれば簡単に済むはずだ。
 オリンピック開催に際して、大量に来日するプレス関係者の「管理」にいかなるシステムを導入しているのだろうか。あるいはGPS所持を義務付けただけで、実態は野放し状態なのだろうか。ここでも政府の「ザル」状態は遺憾なく発揮されている、ということなのだろうか。それでは確実にオリンピック・感染爆発は起きるだろう。なんということだろうか。

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