対中デカップリングの本質を見誤ってはならない。
<バイデン米政権は16日、香港に進出する企業に対してデータ流出など事業運営上のリスクがあると警告する文書を公表した。中国が2020年に香港国家安全維持法(国安法)を制定し、締め付けを強めていることを受けて注意を促した。
国務省や財務省など4省庁が共同で企業向けの注意文書を出した。国安法によって「香港で活動する企業や個人に悪影響をもたらす可能性がある」と指摘した。「評判や規制、金融、法律に関する潜在的なリスクを認識すべきだ」と呼びかけた。
同時に、中国人7人に資産凍結などの制裁を科した。ロイター通信によると、香港にある出先機関の幹部という。
注意文書では具体的なリスクとして、国安法のもとで米国人を含む外国人が当局に拘束される懸念を取り上げた。許可なしに当局に電子的に監視され、企業や顧客のデータがわたる危険性を指摘した。
米政府による制裁対象の企業や個人と取引して、処罰される事態にも注意を促した。米国の法律や国際法を順守することで中国政府から報復を受ける可能性にも触れた。中国は6月、外国が中国を制裁した場合に報復する「反外国制裁法」を制定している。
メディアの自由な報道が制限される恐れがあるとも明記した。
トランプ前政権は習近平(シー・ジンピン)指導部による統制強化を受け、香港への優遇措置を取り消したり当局者に制裁を科したりするなど圧力を強めてきた。バイデン政権も前政権の政策を引き継ぎ、香港の事態悪化に懸念を深めている。
香港は中国やアジアの市場を見据えた中核拠点として、金融機関を中心に多くの企業が進出する。中国が香港への統制を強めるなかで企業が拠点を香港外に移す動きが広がる。米政府が明確に警告したことで香港離れが加速する可能性がある。
バイデン政権は13日に新疆ウイグル自治区に関係する企業にも法律違反のリスクがあると警告を発した。米中対立が激しくなるなか、経済の分断(デカップリング)が一段と進む>(以上「日経新聞」より引用)
国務省や財務省など4省庁が共同で企業向けの注意文書を出した。国安法によって「香港で活動する企業や個人に悪影響をもたらす可能性がある」と指摘した。「評判や規制、金融、法律に関する潜在的なリスクを認識すべきだ」と呼びかけた。
同時に、中国人7人に資産凍結などの制裁を科した。ロイター通信によると、香港にある出先機関の幹部という。
注意文書では具体的なリスクとして、国安法のもとで米国人を含む外国人が当局に拘束される懸念を取り上げた。許可なしに当局に電子的に監視され、企業や顧客のデータがわたる危険性を指摘した。
米政府による制裁対象の企業や個人と取引して、処罰される事態にも注意を促した。米国の法律や国際法を順守することで中国政府から報復を受ける可能性にも触れた。中国は6月、外国が中国を制裁した場合に報復する「反外国制裁法」を制定している。
メディアの自由な報道が制限される恐れがあるとも明記した。
トランプ前政権は習近平(シー・ジンピン)指導部による統制強化を受け、香港への優遇措置を取り消したり当局者に制裁を科したりするなど圧力を強めてきた。バイデン政権も前政権の政策を引き継ぎ、香港の事態悪化に懸念を深めている。
香港は中国やアジアの市場を見据えた中核拠点として、金融機関を中心に多くの企業が進出する。中国が香港への統制を強めるなかで企業が拠点を香港外に移す動きが広がる。米政府が明確に警告したことで香港離れが加速する可能性がある。
バイデン政権は13日に新疆ウイグル自治区に関係する企業にも法律違反のリスクがあると警告を発した。米中対立が激しくなるなか、経済の分断(デカップリング)が一段と進む>(以上「日経新聞」より引用)
国務省や財務省など4省庁が共同で企業向けの注意文書を出したという。米国政府は14日「国安法のもとで米国人を含む外国人が当局に拘束される懸念」や「許可なしに当局に電子的に監視され、企業や顧客のデータがわたる危険性」を指摘した。
記者証を携帯していようと、記者が自由に取材できるわけではなく、常に当局の監視下にあって「不都合な取材」をしようものなら、直ちに身柄を拘束されると米国政府は米国人記者に警告している。
引用記事の見出しは「米、香港進出企業に警告 データ流出など事業リスク」だ。かつて「東洋の真珠」と謳われた香港の面影は見る影もない。自由で美しい街並みが観光客を魅了したものだ。
しかし昨年の「国安保」実施以来、香港は激変した。自由と民主化の芽は完全に摘まれた。自由主義諸国が願ったのは中国の香港化であって、香港の中国化ではなかった。今もウォールストリートの国際投機家たちは香港経由で中国各地と金融投機取引を行っているが、それもいつまで続くか分からない。
中国内では民間起業家たちを次々と拘束し財産を没収している。そして民間企業の国有化を強行に実施している。北京は金の卵を産むまで待てなくなって、金の卵を産む鶏を絞め始めた。それほど中共政府の金庫は逼塞している。
記事では「香港は中国やアジアの市場を見据えた中核拠点として、金融機関を中心に多くの企業が進出する。中国が香港への統制を強めるなかで企業が拠点を香港外に移す動きが広がる」が、「米政府が明確に警告したことで香港離れが加速する可能性がある」と悠長な見方を示しているが、既に金融専門家の多くは香港から国外へ脱出している。残っているのはウォールストリートのエージェントたちだけではないか。彼らはハゲ鷹の常として最後の一滴まで「儲け」を貪ろうとしている。
上記記事では「バイデン政権は13日に新疆ウイグル自治区に関係する企業にも法律違反のリスクがあると警告を発した」とノンビリとした記事だが、実際は昨日のブログ「ウイグル強制労働防止法案を可決 (米上院全会一致で可決)」で報告した通り、米国議会は断固とした態度で中共政府と対峙している。
日経新聞の購読者の多くは経済関係者のため米国の刺激的な対中策を緩和して日本国内へ報道したいのだろうが、それこそ誤ったアナウンスを行う危険性がある。記事の最後の一文「米中対立が激しくなるなか、経済の分断(デカップリング)が一段と進む」とは無能の極みだ。対中デカップリングは経済だけではない、人権問題や宗教や民族問題にまで含む広く根源的なものだ。そうした理解無くして「経済」だけに矮小化された対中デカップリング報道は経営者判断を誤らせる可能性があることを、日経新聞社に警告しておく。