中国経済崩壊の足音か。

<中国を代表する半導体大手、紫光集団は9日、破産や再編を進めるよう債権者が北京市の裁判所に申請したと、同裁判所から通知を受けたと発表した。紫光集団は2020年末までに4度の社債の債務不履行を起こす一方、傘下企業は操業を続けている。裁判所が主導する形で再編に向けた手続きに入るとみられる。

 紫光集団は習近平(シー・ジンピン)国家主席の母校でハイテク人材を輩出する清華大学が51%出資する企業。傘下にNAND型フラッシュメモリーを手掛ける長江存儲科技(YMTC)や半導体事業を展開する紫光国芯微電子(紫光国微)、クラウドサービスを手掛ける紫光などを抱える。
 紫光集団は9日の発表文で、「法律に基づいて裁判所の審査に全面的に協力する。積極的に債務のリスクの解消を進め、裁判所が債権者の合法的な権益を守ることを支持する」と述べた。
 傘下の上場子会社である紫光国微などは「(紫光集団が)再編のプロセスに入れば、株主構成などに影響が出る可能性がある。ただ日常業務に直接的な影響は出ていない」とコメントした。紫光集団の資金繰りが悪化する一方、傘下の事業会社が通常営業できる背景には、国有企業や政府系ファンドが複雑に入り込む資本構造がある。関係者は「半導体は中国政府の重点事業だ。紫光集団そのものは裁判所主導で再編されるが、傘下企業の経営への影響は限定的になる」との見方を示した>(以上「日経新聞」より引用)




 引用記事の見出しは「中国半導体大手の紫光集団、裁判所主導で再編へ」とある。つまり精華紫光集団は清算されるのではなく、不採算部門を分離したうえで再建を目指すことになるようだ。
 だが「内循環経済」構想を提唱して、習近平氏の大号令で自国でチップ製造を行うとしたのが昨年八月だった。それから一年もしないうちに半導体製造の精華紫光集団が経営危機に陥り、デフォルトして政策手続きに入るとは習近平氏の「国家戦略」も大誤算というべきではないか。

 総資産3000億元(約5兆1000億円)に達す280社余りの子会社を率いるる精華紫光集団が経営的に危ないと噂されたのは昨年来からだった。そうした経営危機を挽回すべく、韓国サムスンなどを手本として、日本の半導体技術者などを引き抜いてチップ製造部門を立て直そうとしたが、なかなかうまくいかなかったようだ。
 中華紫光集団のデフォルトは一企業集団のデフォルトではない。それは中国の半導体製造態勢のデフォルトでもある。昨年夏に習近平氏は中国内で5nmチップの製造を命じ、それに呼応して「開発・製造」を約束した1万社を超える企業に莫大な援助資金を支出した。だが半年と経たずして、多くの企業は蛻の殻となり、援助資金だけを持ち去られた格好になっていた。

 中華紫光集団は唯一マトモな半導体製造企業として中共政府は5nmチップ製造の期待していた。しかし開発は一向に進まず、それどころかデフォルトに陥ってしまった。中国内で製造できるチップは5nmから二世代も遅れている14nmチップでしかないままだ。
 そうした意味からも中共政府は5nmチップを世界へ供給している台湾企業のTSMCが喉から手が出るほど欲しい。そのため台湾政府を「侵攻するゾ」と脅している。まるでガキ大将の所業だが、それどころではなくなりつつある。「中共政府丸」という船が沈みつつあるからだ。経済成長という推進力を失えば、中国は図体だけが大きい後進国に過ぎない。「巨大な消費市場」という幻想すら一瞬にして消え去るだろう。国民の半数にあたも人々は月収千元(1万2千円)以下の所得しかない貧困状態にあるからだ。

 中期紫光集団のデフォルトに呼応するかのように人民銀行が預金準備率を0.5%引き下げた。断っておくが中華紫光集団は表向きは何であれ、実態は中国国営企業そのものだ。
 急遽、資金流動性を高めなければならないほど、中国政府手持ちの余剰資金が枯渇しているのだろう。愚かな「一帯一路」などの政策で巨額資金を湯水のように濫費したツケが廻ってきたようだ。いよいよ中国経済の崩壊が近づいている。

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