オリンピックを推進している政府とマスメディアはオリンピックを機に感染拡大した場合の責任が取れるのか。
<通常国会が閉じて、来月の東京都議選、秋までの衆院選と政界は一気に選挙モード。各党の情勢調査も活発になってきた。自民党内では壊滅的な数字が出回っている。
◇ ◇ ◇
菅首相は17日夜の会見でも「この秋のどこかで判断したい」と、自身の手で衆院を解散する意向を示した。その頃には新型コロナウイルスワクチンの接種が進み、東京五輪の高揚感で衆院選に勝利、総裁再選のシナリオに強気で突き進む。
だが、菅首相の看板で衆院選を戦えば、50議席減――。自民党が重点地区を中心に行った調査で、こんな予測データが出て関係者は真っ青になっているという。
「まだワクチン接種が進まず、菅政権のコロナ対策に対する国民の不満が最高潮だった時期の調査とはいえ、マイナス50は衝撃的な数字です。50議席も減らしたら、自民党は単独過半数(233議席)を割り込んでしまう。公明党との連立与党では過半数で政権は維持できますが、格段に政権基盤が弱くなる。党内を引き締める目的で、あえて厳しい数字を流しているとの見方もありますが、これが本当なら、“魔の3回生”と呼ばれる安倍チルドレンの多くが落選でしょう」(自民党中堅議員)
自民党は現在、衆院で277議席を占め、野党第1党である立憲民主党(114議席)の倍以上の勢力だ。仮に自民が減らす50議席がそのまま立憲に移れば、自民227議席、立憲164議席と一気に100議席も差が縮まる。
■“クラブ活動”議員復党でさらに下振れも
そんな中、緊急事態宣言中の今年1月深夜に銀座のクラブで楽しんだことがバレて自民離党に追い込まれた松本純・元国家公安委員長(衆院神奈川1区)、大塚高司衆院議員(大阪8区)、田野瀬太道衆院議員(奈良3区)を衆院選前に復党させる案が自民党内で浮上。3氏とも次期衆院選に無所属で出馬し、「当選したら復党」が既定路線だっただけに、党内では「やはり、そんなに情勢が厳しいのか」という声が上がっている。
「不祥事を起こしても半年間ほど反省したフリをしていれば選挙前に復党できるなんて完全に国民をバカにしています。衆院選で3議席でも上乗せしたいという思惑が執行部にあるのかもしれませんが、そんなことをすれば、かえって有権者の反発を招いて、自民党は票を減らすのではないか。そのうえ、五輪強行で新型コロナ感染拡大となれば、50議席減どころでは済まない可能性もあります」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)
そうなれば、菅首相の総裁再選どころか、執行部の引責辞任は免れない。場合によっては、政権交代も視野に入ってくる。>(以上「日刊ゲンダイ」より引用)
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菅首相は17日夜の会見でも「この秋のどこかで判断したい」と、自身の手で衆院を解散する意向を示した。その頃には新型コロナウイルスワクチンの接種が進み、東京五輪の高揚感で衆院選に勝利、総裁再選のシナリオに強気で突き進む。
だが、菅首相の看板で衆院選を戦えば、50議席減――。自民党が重点地区を中心に行った調査で、こんな予測データが出て関係者は真っ青になっているという。
「まだワクチン接種が進まず、菅政権のコロナ対策に対する国民の不満が最高潮だった時期の調査とはいえ、マイナス50は衝撃的な数字です。50議席も減らしたら、自民党は単独過半数(233議席)を割り込んでしまう。公明党との連立与党では過半数で政権は維持できますが、格段に政権基盤が弱くなる。党内を引き締める目的で、あえて厳しい数字を流しているとの見方もありますが、これが本当なら、“魔の3回生”と呼ばれる安倍チルドレンの多くが落選でしょう」(自民党中堅議員)
自民党は現在、衆院で277議席を占め、野党第1党である立憲民主党(114議席)の倍以上の勢力だ。仮に自民が減らす50議席がそのまま立憲に移れば、自民227議席、立憲164議席と一気に100議席も差が縮まる。
■“クラブ活動”議員復党でさらに下振れも
そんな中、緊急事態宣言中の今年1月深夜に銀座のクラブで楽しんだことがバレて自民離党に追い込まれた松本純・元国家公安委員長(衆院神奈川1区)、大塚高司衆院議員(大阪8区)、田野瀬太道衆院議員(奈良3区)を衆院選前に復党させる案が自民党内で浮上。3氏とも次期衆院選に無所属で出馬し、「当選したら復党」が既定路線だっただけに、党内では「やはり、そんなに情勢が厳しいのか」という声が上がっている。
「不祥事を起こしても半年間ほど反省したフリをしていれば選挙前に復党できるなんて完全に国民をバカにしています。衆院選で3議席でも上乗せしたいという思惑が執行部にあるのかもしれませんが、そんなことをすれば、かえって有権者の反発を招いて、自民党は票を減らすのではないか。そのうえ、五輪強行で新型コロナ感染拡大となれば、50議席減どころでは済まない可能性もあります」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)
そうなれば、菅首相の総裁再選どころか、執行部の引責辞任は免れない。場合によっては、政権交代も視野に入ってくる。>(以上「日刊ゲンダイ」より引用)
安倍-菅と財務省主導の緊縮財政・デフレ経済が続いてきた。国民は貧困化し閉塞感に満ちている。そこに安倍-菅コンビの自公政権による対中空路閉鎖の遅れから、武漢肺炎ウィルスの国内蔓延で日本経済はマイナスに突入したままだ。
そして「国民の健康と命を守る」と口先だけで言いつつ、無謀なオリンピック開催に意地を張っている。国民の健康と命よりもオリンピックを優先させなければならない特別な事情があるようだ。
菅自公政権はオリンピックで日本選手が金メダルを取れば(単純バカな)日本国民は熱狂してオリンピック開催を強行した菅自公政権の支持率は上がるだろう、と読んでいるようだ。オリンピック開催こそが経済政策の失敗で国民が逼塞していることや、武漢肺炎の初期対応でインバウンドを優先して対中空路を閉鎖しなかったこと、さらにワクチンの国内製造や海外製薬会社からの手配の遅れなどのワクチン後進国の実態を晒した政府・厚労省の緩慢な対応などの失点を取り返すことは、通常の政権運営では出来ない。
だからオリンピックという世界イベントに賭けた。乾坤一擲のオリンピック強硬策は、しかし尋常な手ではない。反対にオリンピックを機に感染拡大が起きれば、開催を強行した菅自公政権に批判が集まる。オリンピック強硬策は選手や国民を巻き込んだ最悪の感染爆発という事態を招いたなら、途中で中止となる競技が出たり、選手村が閉鎖されるという事態が起きかねない。そうするとオリンピックへの批判が爆発して、自公政権は地に墜ちるだろう。
国民の8割がオリンピック開催に批判的だったものが、G7を機に5割が開催に賛成、という読売新聞などの世論操作報道が始まり、G7で各国がオリンピック開催を賛成してくれた、とG7の話題に菅氏が挙げても各国首脳は何も反応しなかったことを「反対はなかった」として、G7メンバーも賛成してくれた、との菅氏の捏造会見をそのまま無批判に日本国内に報道したマスメディアの「大本営発表」を国民は頭から信じ込まされた。
G7合意文書の70項目の何処にもオリンピックの「オ」の字も出ていない。つまり日本の主要マスメディアはそうした検証すらしないで「オリンピック開催に賛同を得た」という菅氏の嘘っ八をそのまま報じた。まさしく戦争へと突っ走った戦前の大本営発表をそのまま報じた伝統さながらのマスメディアではないか。
昨日のANNの世論調査では「安心・安全なオリンピック開催は実現できるとは思わない」とする国民が67%いるそうだ。いかにマスメディアが束になってオリンピック押しの報道を繰り広げようと、武漢肺炎の感染拡大がオリンピックを機に起きると判断している国民がいる。
オリンピックの各種競技はノーマスクの選手の呼吸を荒くし、空気感染の機会を増やすだろう。いかに「バブル方式」で選手と一般人との接触を断とうと、接触する場面が生じることは避けられず、選手が日本国内で陽性となる場面が必ず発生するだろう。選手が帰国後にその国で感染拡大したら、それこそ最悪の事態となる。政府・厚労省はそうした事態に対して責任が取れるのか。オリンピック押し報道を展開しているマスメディア関係諸氏も責任が取れるのか。