レジ袋の追放は誰の陰謀か。

<スーパーやコンビニのレジ袋有料化から7月で1年。買い物にエコバッグを持参する風景は当たり前になりつつあるが、環境への負荷を考慮した際、必ずしもレジ袋よりもエコとはいえない場合もあるようだ。今国会ではストローやスプーンなど使い捨てプラ製品の削減を義務付ける新法も成立したが、一体“エコ”とは何なのか。

 「条件によって異なるが、エコバッグだからエコとは言い切れない。どの視点、時間軸でみるかによって大きく異なる」

 そう語るのは、サステナビリティ(持続可能性)経営のコンサルタント、安藤光展氏だ。昨年7月にレジ袋が有料化されたことで普及したエコバッグだが、会計後に小分け用の無料のポリ袋を使ったり、エコバッグを洗ったりすることでも環境負荷がかかるという。

 英環境庁が2011年に発表した「ライフサイクルアセスメント」によれば、綿製バッグを131回利用した場合、使い捨てレジ袋以上に地球温暖化防止につながるとされる。紙製では3回、ポリプロピレン不織布製では11回使用する必要があるという。レジ袋を何度か繰り返し使う方が合理的に思える。

 また、エコバッグは無料で配布されたり、雑誌の付録に採用されたりするケースも多いが、安藤氏は「企業側は良かれと思ってエコバッグを採用しているのだろうが、製造から廃棄までを考えると、結果として環境負荷につながってしまっている。そのため消費者だけでなく、企業側にも社会的責任がある」と指摘する。

 16日に閉会した通常国会では、プラスチックごみのリサイクル強化と排出削減に向けた新法「プラスチック資源循環促進法」が成立した。スーパーやコンビニなど使い捨てスプーンやストローを提供する事業者には、有料化を含めた削減策を義務付ける。22年4月の施行を目指す。

 ただスプーンやストローもレジ袋と同様に「利用の仕方が環境負荷を大きく左右する」と安藤氏。「小泉進次郎環境相は啓発目的であることを明確にしており、その点では国民に意識を植え付けることができたというデータもある。環境問題は過渡期にあるため、今後も消費者が情報収集を怠らず本質を理解しようとする必要がある」と語った>(以上「ZAK ZAK」より引用)




 引用記事はレジ袋の使用を禁じてエコバッグの使用を奨励する方が環境に優しくない、という論旨だ。それはレジ袋とエコバッグそれぞれの製造に投入するエネルギー比較の話だが、私は資源を余すところなく使い切る、という意味でレジ袋廃止に反対している。
 つまりレジ袋の原料はポリエチレンやポリプロピレンといったものだが、それは石油精製の段階で抽出されるもので、以前は石油コンビナートで煙突から炎として燃やされて廃棄されていたものだ。だから燃やして廃棄するよりもレジ袋として利用した方が良いに決まっている。

 海を汚すからプラスティックはダメだ、という論理も飛躍が大きすぎる。海を汚すのはプラスティックではなく、プラスティックを海に投棄する不届き者だ。
 ちなみに海洋プラスティックゴミの分別を見ると、一番多い26%を占めているのは漁網やロープといった漁師たちの仕事道具だ。レジ袋などの包装プラスティックゴミは2.6%でしかない。大騒ぎしているプラスティック・ストローなどの占める割合はコンマ以下だろう。

 だから無視して良いとはいわない。ただプラスティックを海に投棄しなければ良い話だ。バクテリアなどで自然分解するのに紙よりも数十倍も時間のかかるプラスティックゴミを埋蔵処理する方がどうかとしている。生ゴミと一緒に燃やす方が良いのは論を俟たない。
 プラスティックゴミの分別が始まったのはダイオキシン騒動があってからだ。ダイオキシンはビニールなどの塩化ビニールを500~800°の低温で燃やすと猛毒のダイオキシンが発生する、といって大騒ぎになった。だからダイオキシンの含まれる塩魚のコゲやウナギの蒲焼や焼鳥などのコゲは癌化を促進する、と大騒ぎしたものだ。

 しかし人類は火を焚くことから他の動物とは分離して文明を獲得した。本当に煙がダイオキシンを含んでいて健康を害する、というのなら囲炉裏で火を燃やして来た日本人はとうの昔に絶滅していなければならない。
 だが人体の不思議で、ダイオキシンは確かに猛毒だが、火を焚いて長年暮らしているとダイオキシンに対する耐性が人体に備わっていた。だから囲炉裏を居間に設えて火を焚く暮らしをして来た人たちは絶滅しないで、平気で長年生き続けている。しかし囲炉裏を焚き、煙で草屋根を燻すことにより藁屋根や葦屋根に虫や鳥や獣が棲み付かない、という知恵を身に着けた。

 ダイオキシンの「猛毒」情報は誤りだったが、マスコミが一度流した「嘘」を訂正することはまずない。ただソッとフェード・アウトするだけだ。
 だからダイオキシン騒動であらゆる所の焼却炉が廃棄されたまま、一向に再設備されない。ダイオキシン騒動でプラスティックゴミの分別が半強制的に行われたが、今もプラスティックゴミの分別は行われている。そしてゴミ焼却場では生ゴミとプラスティックゴミは一緒にして燃やされている。そうしないと生ゴミだけでは燃焼エネルギーが足りないため、重油をバーナーで噴霧して焼却しなければならないからだ。こんなバカバカしてことが「環境」の名の下に行われていることを殆どの国民は知らない。

 そして「環境」の名の下に毎年数兆円もの予算が使われている。宗教というより信仰になってしまった環境は手の着けられない段階に到っている。スプーンやストローは問題にするが、もっと大量消費している産業用プラスティックなどについて殆ど手付かずではないか。
 家屋の断熱材などに使用される発泡スチロールなども手付かずのままだ。それは飛行機や自動車などの断熱材としても広く使われている。産業で利用されるプラスティックまで総合的に考察しないで、特定の「悪役」を仕立てて集中攻撃する、というのがマスメディアの常套手段だ。その結果としてレジ袋は「環境」に良いはずの製品が環境を汚染する「悪役」とされて、社会から追放された。この国家・国民を巻き込むマスメディアの影響力に震撼とする。

 上記記事では指摘されてないが、レジ袋を追放して「万引き」件数はどのようになっただろうか。なぜならレジ袋が登場したのは「万引き」対策だったからだ。
 レジ袋以前は、買物客は買物カゴを手に持ったり腕に下げていた。それが「万引き」の温床だとして、買物カゴを持たずに来店して下さい、商品は透明な袋に入れて差し上げる、というのがレジ袋が登場した背景だった。だから透明なレジ袋を追放したら、レジ袋以前の「万引き」件数に戻るのではないか、と思った。果たしてレジ袋追放の影響はあるのか、統計数字の発表を待つとしよう。

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