分別なき甘えん坊の中・高齢者たち。
<さいたま市大宮区のインターネットカフェに男が立てこもった事件で、逮捕された40歳の男が「ナイフを持っている」「近づくとやるぞ」と女性店員への危害を示唆する発言をしていたことが分かりました>(以上「日テレニュース」より引用)
<大阪市北区のJR天満駅近くにあるカラオケパブ「ごまちゃん」の経営者、稲田真優子さん(25)が殺害された事件で、逮捕された会社員・宮本浩志容疑者(56)は当初から大阪府警にマークされていたことがわかった>(以上「AERA」より引用)
<大阪市北区のJR天満駅近くにあるカラオケパブ「ごまちゃん」の経営者、稲田真優子さん(25)が殺害された事件で、逮捕された会社員・宮本浩志容疑者(56)は当初から大阪府警にマークされていたことがわかった>(以上「AERA」より引用)
いやな事件がさいたま市と大阪市で相次いだ。二十代の若い女性が監禁され、或いは殺害される、という事件だ。それらの事件を起こしたのが40歳と56歳の男性だ。
なぜ分別盛りの「大の男」が娘ほどの若い女性に危害を加えるのか。大阪市の件では25歳の女性が刺殺されている。3年も前からストーカー状態だったという。いい年をして何を血迷っているのだろうかと暗澹たる気分になる。
ネット空間が身近になり、誰もが一瞬にして誰かと通話ができ、誰もがネットで「繋がる」ことが出来る時代になっているはずだが、凄まじい孤独が中年男たちを襲っているのだろうか、と思わざるを得ない。
だが、しかしそれらは甘えん坊がそのまま年取っただけではないかとも思える。甘えん坊のまま日々を暮らして、ハッと気付くと年取っている自分に愕然とするのではないか。もはや取り返せない時間の推移に強い脱力感を覚えるのではないか。
しかし、ネットに氾濫する「繋がっている」という表現の何と皮相なことだろうか。それは「回線」のみが繋がっているに過ぎず、心と心が深い共感により絆が結ばれている、ということではない。
ファスト・フード店や喫茶店などで、若い男女が無言のままスマホ画面に見入っているのをよく見かける。なぜ何も話さないのだろうかと訝しいが、彼らの関係はその程度だということなのだろうか。
私はキャンプが趣味だが、キャンプ場で若い男女が大騒ぎしてバーベキューをしているのを良く見かける。彼らはキャンプ場とバーベキュー場との区別がつかないようだ。中には大音量で音楽を流す輩までいる。
何も話さない男女と、大騒ぎする男女の集団と、それらのギャップは余りに大きいが、その中身は全く同じなのではないだろうか。大騒ぎしている彼らの語彙はあまりに貧弱だ。彼らはLINEでやり取りする程度の会話しかしていない。
繋がっているようで、それは「糸」のように細い繋がりではないだろうか。「いや、それで良い、深い繋がりは面倒臭い」という声が聞こえてきそうだが、「糸」のような繋がりは簡単に切れてしまうだろう。
だから結婚しない男女が増えているのかも知れないが、後段のストーカー殺人まで犯した56歳男性は妻子ある身だという。一体何を考えているのだろうか。自身の欲望充足のために殺人まで犯すとは、彼は50有余年の人生で何を学んできたのだろうか。
甘えん坊のまま大人になり、分別を持ち合わせることもなく我儘っ子が「不惑」を超えた、ということなのだろうか。そういえば政治家にもそのような老人がゴマンといる。
国家・国民に奉仕すべき政治家が身内や仲間やカネのために政治権力を行使する。ガキ以下の下劣な連中が当選を重ねる。この国民にしてこの政治家か、と暗澹たる思いになる。