オリンピックの強行開催により、インド種が感染爆発する。

＜東京五輪・パラリンピック選手団の入国について、政府や大会組織委員会は、空港検疫で新型コロナ陽性者が判明した場合、濃厚接触の疑いがある同行者を速やかに空港内で特定する対応をとる方向で調整していることがわかった。

　政府はこれまで、空港検疫で陽性者が確認された際の対応について「ホストタウンの受け入れ責任者が、責任を持って保健所と連携し、濃厚接触者に関する調査をする」（加藤勝信官房長官）などと説明していた。

　実際、陽性者が出たウガンダ選手団は、濃厚接触者にあたるかどうかの調査を受けないままホストタウンの大阪府泉佐野市へ移動。そうした政府の対応には批判が集まっていた。

　大会関係者によると、今後は空港検疫で陽性者が判明した場合、新たに設置する担当者が搭乗中の機内の座席状況などを確認し、濃厚接触の疑いがある同行者を特定する。特定された同行者は、新たな感染者や濃厚接触者を増やさぬよう滞在先まで専用バスで移動させる。その後、宿泊施設で隔離され、自治体の保健所が濃厚接触者かどうかを最終判断するという。

　このほか、濃厚接触の疑いがある同行者を滞在予定の自治体には移動させず、組織委などが指定した宿泊施設で経過観察する案も検討されている＞(以上「朝日新聞」より引用)

　「海外選手団党はバブル方式だから一般国民と接触はない」などと説明したいたが、そんなのは嘘っ八だった。バブル(泡)で包み込もうと、海外選手団等がバブルの中で生活が完結しているわけではない。

　いや、移動方式だけがバブルだと説明を変えたりしていたが、ついに入国段階でPCR検査を海外選手団等に課すことにする、と本来の検疫のあり方を踏襲することになったようだ。引用記事に「東京五輪・パラリンピック選手団の入国について、政府や大会組織委員会は、空港検疫で新型コロナ陽性者が判明した場合、濃厚接触の疑いがある同行者を速やかに空港内で特定する対応をとる方向で調整していることがわかった」とあるが、極めて当然の措置ではないか。

　海外選手団等の入国で武漢肺炎の脅威が増大しているのは日本国民の方だ。そもそも武漢肺炎は海外からもたらされた感染症ではないか。航空機による旅行がなかったなら、国内で蔓延することはなかっただろう。

　便利な航空機は時間と距離を短縮したが、感染症に罹患する時間まで短縮してしまった。昨日海外で流行った感染症が今日は国内で蔓延している、という時代だ。防疫態勢がいかな重要か、政府・厚労省は肝に銘じるべきだ。

　だから出発前に出発地のPCR検査で陰性だったらフリーパスで入国させる、というのが誤りだった。なぜなら罹患した直後の潜伏期間なら体内ウィルス数が希薄なため、PCR検査で検出されない場合があるからだ。しかし日本へ入国後に症状が出る、ということは大いにあり得る、ということは事前に厚労省は知っていたはずではないか。

　ウガンダの選手団の場合は上述したケースそのものだった。だから入国後の空港でのPCR検査は必要だし、経過観察期間も必要だ。そうした「防疫」完璧を期す態勢こそが必要なのであって、バブル方式だ何だといっても、結局は各種競技会場では一般観客と混然一体となるではないか。マヤカシの説明で誤魔化すのはやめるべきだ。

　インド種は感染力が強く「すれ違い感染」が報告されているほどだ。カフェテリアで優雅にコーヒーを飲んでいる傍を感染患者が通っただけで感染した事例がある。それを「すれ違い感染」と呼んでいるようだが、これほど強力な感染力のインド種の感染を抑え込むのは容易ではない。

　しかし既に国内でインド種の感染患者が14地点で200余名が感染したと報告されている。今後武漢肺炎の感染はインド種が主役となって爆発するのではないだろうか。繁華街で路上呑みしている若者たちは、ことに「すれ違い感染」の可能性が高いだろう。一ヶ月後に東京がインド種の感染爆発により非常事態宣言を出すような事態にならないことを願うばかりだ。それでも菅自公政権はオリンピックは最後まで強行するのだろう。彼らには国民の健康と命など構わず、そうしなければならない「約束」でもあるのだろうから。